• ブランド
    特設サイト
公開日 2019/08/07 07:00

アヴァンギャルド「UNO XD/DUO XD」のピアノ仕上げモデル“BLACK EDITION”を聴く

通常版と異なる魅力をまとう
鈴木 裕
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ドイツのAvantgarde(アヴァンギャルド)の第3世代スピーカーシステム「XDシリーズ」。本記事では、唯一無二の存在感を放つ「DUO XD」と「UNO XD」の特別モデルとなる「BLACK EDITION」を、鈴木 裕氏がレポートする。

XDとなって完成度が極まり、さらに高いハイファイ性能を獲得

「XD」とつけられた現在のアヴァンギャルドのモデル群。見た感じは初代からあまり変化がないようにも感じるが、第2世代で進化し、さらにXDの世代になって極めて高い完成度に到達している。その特有の世界観は初代そのままに、さらに高いハイファイ性能を獲得しているのだ。他のメーカーのスピーカーではこういう音楽の聴かせ方はしない。唯一無二の存在となっている。

キャビがピアノブラック仕上げのDUO XDとUNO XDが登場

「DUO XD」と「UNO XD」の特別モデルである「BLACK EDITION」は、いずれもエンクロージャーをピアノブラック仕上げにしている。スペック的にはレギュラーモデルと同様ということだが、シックで高級感のある仕上げには、また異なる魅力を感じる。

アヴァンギャルド「UNO XD BLACK EDITION」¥4,000,000(ペア・税抜)

UNO XDのスペックを短く紹介しておくと、上位機種と同じく能率が107dB、ノミナルインピーダンス18Ωという数字で、それは振動板にマイラーフィルムを採用したH3オメガトゥイーターやミッドレンジのダブルフェライトマグネット/メッシュドーム採用によるものだ。また、サブウーファー内蔵のパワーアンプは1,000Wで、デジタル領域の制御部と合わせてリニアリティの高い低音を目指している。

音像が大きく特有の立体感で生々しい世界に放り込まれる

テストはエソテリックの試聴室で行った。プレーヤーは「Grandioso K1」、プリメインアンプは「Grandioso F1」である。

エリック・クラプトンの『アンプラグド』を聴くと、まず印象的なのはヴォーカルやバックのミュージシャンたちの音像が大きく、特有の立体感を持っている点。音の表面のディテールが細やかにあり、ツルツルしていたり、ザラザラしている描写力が高い。大きく、生々しい世界に、聴き手が放り込まれるような感覚さえある。

さすがと思えるのは低域や最低域に違和感がないことで、低音の立ち上がるタイミングが合っていて、音色的にも中高域とシームレスにつながっている。

空間の透明度や微小領域のリニアリティの高さが素晴らしい

SACDでアバド指揮ベルリン・フィルの『ジルヴェスターコンサート1997』を聴くと、その空間の透明度や微小領域のリニアリティの高さが素晴らしい。と、同時にアンプやプレーヤーの音を反映する度合いがずいぶん高いスピーカーなのもよく分かる。

K1の音の色彩感や、F1のいい意味で湿りけのある音色感が再生音全体にあり、生々しい描写とともに、オーディオ的な美音の世界を形成。何か深々とした鳴りの良さがあるのだ。

この音の鳴り方、あるいはサウンドステージの成立のさせ方にいったんハマると、他のスピーカーでは満足できなくなるだろう。

至高のデザインと能力を持ち、所有者の満足度を高めてくれる

初代ではホーンの受け持つ中高域と、サブウーファー部の低音が違う鳴り方をする場面があり、できうるだけ大きなサイズのホーンのモデルを使いたいと思わせられたアヴァンギャルドだった。しかし、XDになって中高域と低域がシームレスに鳴る度合いが相当に高くなって、それは特にUNO XDやDUO XDの価値観を高めている。

そこに登場したBLACK EDITION。音楽を聴かせるこれならではの実力とともに、このスピーカーのオーナーになる人の満足度を高めてくれるだろう。

上位モデル「DUO XD BLACK EDITION」(¥5,000,000/ペア・税抜)も同時に発売となっている

(鈴木 裕)
<Specification>
【システム】●周波数特性:サテライト290〜20kHz 、サブウーファー18〜350Hz ●許容入力:50W ●能率(1w/1m) :107dB以上●クロスオーバー周波数:290Hz/3kHz●インピーダンス:18Ω
【ホーン】●形式:スフェリカルホーン●材質:ABS樹脂●仕上げ:ポリッシュ仕上げ●放射特性:180°●ホーン直径:ミッドレンジ 500mm(20インチ)、トゥイーター 130mm(5インチ)
【ホーンドライバー】●口径:ミッドレンジ 127mmダブルフェライトマグネット、トゥイーター 25mmフェライトマグネット
【サブウーファー】●最大出力(RMS):2×500W●ドライバー口径:2×250mmフェライトマグネット
【デジタルサウンドプロセッサー】●0.01mSecで調整可能●パラメトリックイコライザー:プログラム可能、10×パラメトリックイコライザー●サイズ:500W×1380H(±15)×590Dmm●質量:73.5kg●取り扱い:エソテリック(株)
本記事は季刊・オーディオアクセサリー 170号 AUTUMNからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 連載:世界のオーディオブランドを知る(1)圧倒的な認知と名声「JBL」の歴史を紐解く
2 女子プロゴルフ「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」10/4から3日間の放送・配信予定
3 ソニー、イヤホン・ヘッドホン用アプリをリニューアル。「Sound Connect」を新たに提供開始
4 テクニクス、初LRセパレート・ワイヤレススピーカー「SC-CX700」。HDMIからPHONOまで搭載
5 Anker、音質とノイキャン性能を徹底追及した完全ワイヤレス最上位「Soundcore Liberty 4 Pro」
6 Amazon、テレビなど家電の設置回収サービスが無料になるキャンペーン。プライム会員限定
7 好きな映像への没入感が圧倒的!大画面・4K有機ELテレビのハイエンド・LG「OLED G4」徹底レビュー
8 final、川崎市のふるさと納税返礼品に「ZE8000 MK2」など17製品を新たに追加
9 VGP2024で金賞多数!Polk Audioのスピーカーが評論家からもユーザーからも「高評価」を得ているわけ
10 重低音イヤホンの枠を超えた、新たなサウンドの境地。オーディオテクニカ「ATH-CKS50TW2」の進化に迫る
10/4 10:51 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
アナログ Vol.85 2024 AUTUMN
季刊・アナログ
最新号
Vol.85
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX