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公開日 2019/12/04 06:00

最上級の音とデザイン、LUXMAN B-sideのワイヤレススピーカー「ASC-S5」は“ハイファイ”の域

精緻な加工技術で、高次元の美しさも実現
土方久明
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Amazon Alexa搭載ワイヤレススピーカー「arro studio collection S5(ASC-S5)」¥98,000 (税抜)

95年という歴史を持つ日本の老舗オーディオブランド、ラックスマン。同社は約5年後に迫る創業100周年を見据えて、新ブランド「LUXMAN B-side」を立ち上げた。その第一弾モデルが、ここで取り上げるネットワーク・ワイヤレススピーカー「arro studio collection S5(ASC-S5)」である。

ASC-S5は、ラックスマンがハイファイオーディオの開発で培ってきたテクノロジーを投入した一体型のアンプ内蔵ワイヤレススピーカー。ラックスマン初のネットワーク再生機能を持つ製品であり、ネットワーク再生やストリーミング、そしてBluetoothなどの最新ソースに対応。さらに音声アシスタント機能「Amazon Alexa」にも対応し、Amazonでは11月1日から先行販売もスタートしている。

スペックだけを見ると、近しいワイヤレススピーカーがすでに他社からも発売されていると思われるかもしれない。しかしASC-S5は、「高品位なデザイン性」を大きな要素とした、新しいコンセプトのオーディオ製品だ。僕はあえて “オーディオ製品” として本機を紹介したい。

高品位なデザインは唯一無二。多機能かつシンプルな操作性で、使い勝手も◎

ASC-S5のサイズは150W×250H×170Dmmと小型ブックシェルフスピーカーほどで、重量は4kg。フランスのデザイン会社「arro studio」とラックスマンが協業して作り上げたという本気のデザインは、全体的にエッジの効いたシャープな造形で、見たものに強い印象を与える実体感と高い品位を持ち併せている。

仏デザイン会社と協業し、オブジェのようなデザインを採用。この一台で空間の質を一気にアップグレードしてくれる

実際に目の前にすると、その美しく高品位な外観に思わず息を飲んでしまう。4面合計で5,800にも及ぶホール(穴)が開けられた箱型のエンクロージャーは、押し出しの一体型アルミ材を精密なNC加工によって1つ1つ削り出すという、大変手の込んだ製法だ。

さらに大きな特徴となっているのは、天井面とフロント面にまたがる大型ホイールだ。これはボリュームノブの役割を持つのだが、90mmの無垢材を削り出した大変豪華なパーツが採用されている。これらが組み合わさることで、360度どの角度から見ても精密で美しい造形を実現しており、部屋に置くだけで、普段過ごしている空間のインテリアをグレードアップしてくれる。

特徴的な大型ホイールは、回転させることでボリューム調整が可能。また押し込むことでスイッチとしての機能も兼備する

内部構成としては、フロントに30W駆動の80mm口径のウーファーと10W駆動の25mmトゥイーターが各1基ずつ、左右にはサテライトスピーカーとして10W駆動の25mmトゥイーターが1基ずつ搭載されている。

機能面では、上述の通りネットワーク機能に対応しており、有線/無線LAN接続に対応する。NASを利用したネットワーク再生や、Amazon Music、Spotifyなどの定額ストリーミングサービスの聴取、インターネットラジオ「TuneIn」の再生のほか、AirPlayやBluetoothによるワイヤレス再生も可能だ。

加えて、インターフェイスにはUSBおよびアナログ/デジタル入出力も装備する。つまり本機は、近年のトレンドであるネットワーク/Bluetoothなどのワイヤレス機能に加えて、多彩な入力端子により従来の音楽ソースの再生も可能にするという、ラックスマンらしい全方位的な対応力を備えているのだ。

操作の基本はスマートフォン/タブレット向けの専用アプリ「LUXMAN CONNECT」を使う。本アプリではスピーカーの初期セットアップ、入力切替、音楽再生機能など、全ての操作を行えるようになっている。

専用アプリ「LUXMAN CONNECT」で操作

スピーカーの初期セットアップもアプリから行う

設置から初期設定は驚くほどシンプルだ。Wi-Fi環境で使用する場合であれば、電源ケーブルを接続して、アプリから初期設定を行うだけ。それ以外のケーブルは必要ないのである。これなら、部屋のどこにでも設置できるだろう。

ラックスマンはハイレゾ黎明期より、高性能なD/Aコンバーター「DA-200」を発売してハイレゾへの対応力を強化し、若者から年配のオーディオファイルまで多彩なファンを増やしてきたメーカーである。それでいて、本製品がラックスマン初のネットワーク再生対応製品であるというのは、少々意外だった。今年はハイレゾをはじめとしたデジタルファイル再生に加え、日本初のハイレゾストリーミングサービスが複数始まったタイミング。もしかしたら時期を伺っていたのかもしれない。

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