公開日 2021/05/21 10:00
オーディオサーバー「N10」の限定ゴールド仕上げを聴く。メルコ45周年記念にふさわしい高解像度に到達
【特別企画】海外モデルを国内向けにも展開
オーディオグレードのファイル再生を牽引するメルコシンクレッツが、メルコ45周年の記念モデル、ミュージックサーバー「N10」を完成させた。通常モデルは色はシルバー仕上げであったが、今回は美しいゴールド仕様。「MELCO」のロゴがフロントにあしらわれた限定生産モデルである。専用のメイン基板が搭載され、HDDの容量も5TBにアップ。早速その音を聴くことができたのでレポートしたい。
DELA
N10 メルコ45周年記念モデル
オーディオ用ミュージックサーバー
850,000円(税込)
■美しいゴールドの外観に、専用のメイン基板を新規開発
ネットオーディオの黎明期・2014年に、バッファローは一般的なPC周辺機器のNASとは異なる、愛好家の気持ちを捉えたミュージックサーバー・DELA「N1A」と「N1Z」を登場させた。ネットワークプレーヤー再生で専門知識がないとネックになったNASのセットアップや、常時電源を投入しておくなど、使いにくさを全て解消し、スムーズな再生を実現してくれた。
その後、2015年には創業会社であったメルコ(株)設立40周年を記念して「N1Z MELCO40周年モデル」が登場。ソフトウェアも進化させ、CDリッピング機能、自動リッピング機能、そして、オーディオ界を驚かせたUSB-DACとの直結再生機能などを開発した。
こうした実績を積み、2016年には、独立したオーディオメーカーとしてメルコシンクレッツ(株)を創業した。こうした変遷において、製品愛用者のひとりとして私が感心しているのは、常にユーザーやメーカーの意見に耳を傾け、使いやすさや再生機器対応などを行い、ソフトウェアアップデートを常に行っていることである。
さらに理想の再生とシステム化を目指し、モデルラインを拡張。ミュージックサーバー「N10」「N100」を登場させるだけではなく、CDリッピング用オプティカルディスクドライブ「D10」「D100」やネットワークスイッチ(オーディオ・ハブ)「S10」「S100」などの周辺機器までも開発している。こうした実績により、同社製品は日本のみならず世界的にも高い評価を受けているのである。
その同社が、新製品としてMELCO「N10 45周年記念限定モデル」を発売することとなった。まず、記念モデルにふさわしい、上品で美しいゴールド仕上げになっていることが魅力的である。
主な変更点は、メイン基板を専用設計していること、またHDDの容量が3TBから5TBに変更されていることである。このHDDは、独自のHS-S2仕様という、HDDが発生するノイズを低減させ微細振動を排除するモジュール構造としていることが特徴である。なおソフトウェアとしては、最新Ver.4.10が使用されている。
別筐体の電源部も紹介しておこう。内部はまさにオーディオグレードハイエンドDACに搭載してもおかしくないほどで、大型リング・トロイダルトランスと高音質キャパシター・バンク(ルビコン製2200μF/35Vを8式、ニチコン製4700μF/25Vを1式)を搭載している。これにより、高音質ハイスピード・リニア電源を構成し、CPUボードやHDDにクリーンで余裕のある電源供給を行っているのである。
■中低域に厚みをもたせたワイドレンジ・ピラミッドバランスの音
その音を聴かせてもらった。私が愛用する「N1Z」は、色づけが少なく、高解像度ワイドレンジ、フラットレスポンスが大きな特徴となっているが、本記念モデルではリニア電源の効果が絶大で、やや暖色系で中低域に厚みをもたせたワイドレンジ・ピラミッドバランスの音を体験させてくれる。
しかも新規設計のメイン基板のためか、ノイズレベルが下がり、解像度とダイナミックレンジが拡張され、あたかもDACのDA変換特性まで向上したかのような感覚に陥ってしまうのである。これは、以前試聴した標準仕様のN10を明らかに超えている。音の立ち上がりまでも俊敏になっているのである。
こうした特徴があるため、録音に優れた曲を再生すると、音の鮮度が極めて高い生演奏のようなリアリティが体験できる。これはハードだけではなく、ソフトウェアの進化も大きく反映しているからであろう。
私のdCS「Vivaldi」では、Minimserver2だけで動作することも可能になり、より一層、解像度も向上した印象を受けている。これだけ使いやすく、音質を向上させたことを私は高く評価している。素晴らしい限定記念モデルの登場である。
(提供:メルコシンクレッツ)
この記事は『AudioAccessory vol.181』からの転載です
N10 メルコ45周年記念モデル
オーディオ用ミュージックサーバー
850,000円(税込)
■美しいゴールドの外観に、専用のメイン基板を新規開発
ネットオーディオの黎明期・2014年に、バッファローは一般的なPC周辺機器のNASとは異なる、愛好家の気持ちを捉えたミュージックサーバー・DELA「N1A」と「N1Z」を登場させた。ネットワークプレーヤー再生で専門知識がないとネックになったNASのセットアップや、常時電源を投入しておくなど、使いにくさを全て解消し、スムーズな再生を実現してくれた。
その後、2015年には創業会社であったメルコ(株)設立40周年を記念して「N1Z MELCO40周年モデル」が登場。ソフトウェアも進化させ、CDリッピング機能、自動リッピング機能、そして、オーディオ界を驚かせたUSB-DACとの直結再生機能などを開発した。
こうした実績を積み、2016年には、独立したオーディオメーカーとしてメルコシンクレッツ(株)を創業した。こうした変遷において、製品愛用者のひとりとして私が感心しているのは、常にユーザーやメーカーの意見に耳を傾け、使いやすさや再生機器対応などを行い、ソフトウェアアップデートを常に行っていることである。
さらに理想の再生とシステム化を目指し、モデルラインを拡張。ミュージックサーバー「N10」「N100」を登場させるだけではなく、CDリッピング用オプティカルディスクドライブ「D10」「D100」やネットワークスイッチ(オーディオ・ハブ)「S10」「S100」などの周辺機器までも開発している。こうした実績により、同社製品は日本のみならず世界的にも高い評価を受けているのである。
その同社が、新製品としてMELCO「N10 45周年記念限定モデル」を発売することとなった。まず、記念モデルにふさわしい、上品で美しいゴールド仕上げになっていることが魅力的である。
主な変更点は、メイン基板を専用設計していること、またHDDの容量が3TBから5TBに変更されていることである。このHDDは、独自のHS-S2仕様という、HDDが発生するノイズを低減させ微細振動を排除するモジュール構造としていることが特徴である。なおソフトウェアとしては、最新Ver.4.10が使用されている。
別筐体の電源部も紹介しておこう。内部はまさにオーディオグレードハイエンドDACに搭載してもおかしくないほどで、大型リング・トロイダルトランスと高音質キャパシター・バンク(ルビコン製2200μF/35Vを8式、ニチコン製4700μF/25Vを1式)を搭載している。これにより、高音質ハイスピード・リニア電源を構成し、CPUボードやHDDにクリーンで余裕のある電源供給を行っているのである。
■中低域に厚みをもたせたワイドレンジ・ピラミッドバランスの音
その音を聴かせてもらった。私が愛用する「N1Z」は、色づけが少なく、高解像度ワイドレンジ、フラットレスポンスが大きな特徴となっているが、本記念モデルではリニア電源の効果が絶大で、やや暖色系で中低域に厚みをもたせたワイドレンジ・ピラミッドバランスの音を体験させてくれる。
しかも新規設計のメイン基板のためか、ノイズレベルが下がり、解像度とダイナミックレンジが拡張され、あたかもDACのDA変換特性まで向上したかのような感覚に陥ってしまうのである。これは、以前試聴した標準仕様のN10を明らかに超えている。音の立ち上がりまでも俊敏になっているのである。
こうした特徴があるため、録音に優れた曲を再生すると、音の鮮度が極めて高い生演奏のようなリアリティが体験できる。これはハードだけではなく、ソフトウェアの進化も大きく反映しているからであろう。
私のdCS「Vivaldi」では、Minimserver2だけで動作することも可能になり、より一層、解像度も向上した印象を受けている。これだけ使いやすく、音質を向上させたことを私は高く評価している。素晴らしい限定記念モデルの登場である。
(提供:メルコシンクレッツ)
この記事は『AudioAccessory vol.181』からの転載です