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公開日 2021/09/03 06:30

小さくとも驚きの満足感、JBLの新スタジオモニター「4309」はファンだけが楽しむのはもったいない

【PR】特筆すべき対応力の高さ
土方久明
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JBLのスタジオモニターに新モデル「4309」が加わった。伝統を引き継ぎながら、シリーズの開発で培われた技術を惜しみなく投入。憧れのJBLを “置けるサイズ” に凝縮した、ファンならずとも注目のアイテムだ。では実際、価格とサイズを抑えながら、どこまでJBLサウンドを実現しているのか? 自身も長きに渡りJBLを愛する土方久明氏が確認した。


モニタースピーカーシリーズのDNAを受け継ぐ2モデルを聴く

ジェームス・B・ランシングが設立した名門スピーカーブランド JBLは、今年で設立75周年を迎えた。

「Hartsfield(ハーツフィールド)」「Paragon(パラゴン)」「Olympus(オリンパス)」「Everest(エベレスト)」…、同社を代表する製品を挙げろと言われたら枚挙にいとまがないが、中でも多くのオーディオファイルから支持され、JBLの人気を支えてきたのが、「4300シリーズ」のスタジオモニターだ。1970年代に登場した初代「4310」を始め、一斉を風靡した大型の「4343」や「4344」、そして現在も「4367」「4349」「4312G」などラインナップは多い。

そして忘れてはいけないのが、JBLのモニタースピーカーシリーズの中でもう1つの人気シリーズとなっている、小型のスタジオモニターである。古くは「4305」、そして現在もロングセラーを続ける「4306」などがあって、これらは大型モデルを精巧にミニチュア化したような外観とホーンを採用し、小さくともJBLモニタースピーカーのDNAをしっかり保有しているのが人気の理由である。

今回は、7月に発売されたばかりの小型のスタジオモニタースピーカー「4309」を、ハイレゾ、ストリーミング、アナログという幅広いソースでスクランブル試聴するチャンスに恵まれた。しかも、昨年10月に発売されたミドルクラス最新モデル4349にも登場してもらい、果たして4309がJBLのスタジオモニターシリーズらしさが実際に出ているのか確かめながら、試聴したのである。

ブックシェルフ機「4309」(写真右)と兄弟機に当たるミドルサイズ機「4349」(写真左)

所有欲をくすぐるデザイン、ブランドが積み重ねた技術を満載

まずは今回の主役である4309からご紹介しよう。本機は2ウェイ・ホーン型を採用する同社スタジオモニターシリーズの末弟モデルだ。キャビネットサイズは260W×419H×227Dmm、質量は11.0kgと、4367、4349などと比べると大変コンパクト。しかし両モデルが採用する伝統のブルーバッフルとウォールナット仕上げのエンクロージャーデザインをしっかり踏襲している点には、一人のオーディオファイルとして心が高鳴る。

ブックシェルフ型スタジオモニター「4309」。198,000円(税込/ペア)

シリーズのサイズ感比較。4309がデザインを踏襲しながらコンパクトに仕上げられていることがわかる

もちろん内部にはV字型ブレーシングを使い、前後左右のエンクロージャーパネルを強固に固定するとともに、底面部にボトムベース・ボードを追加することで、スピーカーから設置面へ伝わる振動を低減させている。

中高域を担当するトゥイーターには、上位モデルで採用されるD2テクノロジーを元にしたリングラジエーター型コンプレッションドライバー「D2410H-2」を搭載。同ドライバーに採用される振動板は25mm径で、アルミダイキャスト製センターコーンとアウターリングを12.5mm径の開口部へ集中させるリングラジエーター型コンプレッション構造と、大変軽量なTeonex製ダイアフラムを高剛性のV断面のリング形状に成形した「Vシェイプ・リングダイアフラム」を搭載しており、30kHz超の高音域特性を可能とする。それを大径ボイスコイルと強力なネオジム・リングマグネットで駆動する設計だ。

上位モデルで採用されるD2テクノロジーのノウハウを投入したトゥイーター「D2410H-2」

Teonex製ダイアフラムを剛性の高いV断面のリング形状に成形したVシェイプ・リングダイアフラム。30kHz超の高音域特性を可能とする

ホーン部は「HDI-Xウェーブガイド」技術を用いる新世代の定指向型を採用し、高域から中域まで広い周波数帯域で水平100°/垂直80°の指向性パターンを持ち、独自のウェーブガイド・パターンにより、広範囲のリスニングポイントで良好なサウンドステージと音像表現を実現する。

JBL伝統のスクエアクル形状のアルミダイキャスト製フレーム採用するウーファーユニット「JW165P-4」

水平100°/垂直80°の指向性パターンを持ち、広いリスニングスポットを提供する「HDI-Xウェーブガイド」。独自のパターンが立体的音像イメージを創出する

低域を対応するウーファー部も強力で、新開発の165mm径ユニット「JW165P-4」をJBL伝統のスクエアクル形状によるアルミダイキャストフレームを介して搭載。同ユニットは、同心円状の強化リブを採用した「ブラック・ピュアパルプ・コーン」をSFG磁気回路で駆動し、高耐久性と柔軟性を両立したNBRハーフロールエッジを採用することで、低域表現のリアリティを大きく向上させたという。

ネットワーク周りも抜かりがなく、高域用コンデンサーにLow-ESR(静電抵抗)のメタライズドフィルムキャパシターおよび太ゲージ銅線を用いた空芯コイルを採用したインダクターを採用。歪みを大きく低減させたプレシジョン・ネットワークを搭載する。

「4309」背面部。デュアルターミナルを装備したバイワイヤー/パッシブバイアンプ対応設計になっている

フロントバッフルにはトゥイーターの高域レベルを微調整できるスイッチが搭載され、8 - 20kHz間を±0.5dBでコントロールできる。また、バスレフポートはツインポートとなっており、ウーファーが大きく動いた場合でも、エアの流入出をスムーズに行えるスリップストリーム設計が施されている。

次ページ新世代を感じさせるサウンドに驚く

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