公開日 2021/11/09 06:30
Astell&Kernのポリシーを鳴らす!最新DAP「A&norma SR25 MKII」&初イヤホン「AK ZERO1」同時レビュー
【特別企画】最新技術を駆使、ブランドの“鍵”となる2モデル
Astell&Kernから、ポータブルプレーヤーのスタンダードライン最新モデルとなる「A&norma SR25 MKII」、そして同社初の完全オリジナルとなるインイヤーモニター「AK ZERO1」が披露された。
好評を博した既存モデルに堅実なアップデートを施した盤石の前者。平面駆動ドライバーを含むハイブリッド構成を採用した挑戦的な後者。コントラストも鮮やかな新製品2モデルを早速紹介していこう。
■“スタンダードラインの決定版”を最新技術でアップデート!「A&norma SR25 MKII」
2020年春登場のポータブルプレーヤー「A&norma SR25」(以下、SR25)は、Astell&Kernが展開するスタンダードラインの決定版的な内容であり、機能性や操作性をほぼ完成の域に到達させた名機と言って良い存在。そのフォーマットに、最新世代の要素を合流させてアップデートしたのが、この「SR25 MKII」というわけだ。
ベースとして、左手で持った際に手首の角度が楽になるスラントディスプレイ筐体、CS43198×2のデュアルDAC、長時間駆動、高音質BluetoothコーデックのLDAC/aptX HD対応といった特長は、SR25から引き継いでいる。
アップデート要素として、まず4.4mmバランス駆動端子が追加された。2.5mm端子も継続して搭載しているので、組み合わせるイヤホン側の端子を選ばない。機能面では特に、スマホを組み合わせて音楽ストリーミングサービスを利用する際に活躍するであろうBluetoothレシーバー機能「BT Sink」に注目。その他、FTPを使ったワイヤレスでの音源ファイル転送機能「AK File Drop」、再生音量レベルを揃える「Replay Gain」も新搭載となる。
なお、筐体の形状に大きな変化はないが、細かな調整は行われている。4.4mm端子の追加に伴い、電源ボタンを筐体左側に移動。ボリュームダイヤルもブラッシュアップされ、従来はダイヤル側面のみに刻まれていたラインが、ダイヤルのエッジからフェイスにまで伸びたおかげで、指先のかかりがよくなった。
もちろん音質面も強化されている。フラグシップモデル「A&ultima SP2000T」で採用されたという超高純度銀メッキシールド缶の導入に加え、全体各所にブランドの最新ノウハウを投入。優れたS/Nを背景とした穏やかで素直な音調、という方向性はSR25から継承しながら、レベルを一段引き上げた印象だ。
ハイエンド領域に踏み込みつつ、鋭敏すぎない音作りも美点である。イヤホンや楽曲に対しての厳しさや相性の良し悪しは出にくい上に、ピーキーさや気難しさもなく、非常に扱いやすい。これはエントリー機として大きな強みといえる。
例えば、星野源「不思議」を聴くと、薄刃に描き出されるシンバルの鋭さなどによる緊張感までも、十分に届けてくれる。
しかしより印象的なのは、声の優しさや背景に広がっていく響きの穏やかさ。落ち着きがあり聴きやすい。その上で、ダイナミック型イヤホンの「AK T9iE」で聴けば、穏やかさがさらに際立ち、この後詳しく取り上げる「AK ZERO1」で聴けば、空間性がさらに高まるなど、イヤホンの個性も素直に引き出してくれる。
好評を博した既存モデルに堅実なアップデートを施した盤石の前者。平面駆動ドライバーを含むハイブリッド構成を採用した挑戦的な後者。コントラストも鮮やかな新製品2モデルを早速紹介していこう。
■“スタンダードラインの決定版”を最新技術でアップデート!「A&norma SR25 MKII」
2020年春登場のポータブルプレーヤー「A&norma SR25」(以下、SR25)は、Astell&Kernが展開するスタンダードラインの決定版的な内容であり、機能性や操作性をほぼ完成の域に到達させた名機と言って良い存在。そのフォーマットに、最新世代の要素を合流させてアップデートしたのが、この「SR25 MKII」というわけだ。
ベースとして、左手で持った際に手首の角度が楽になるスラントディスプレイ筐体、CS43198×2のデュアルDAC、長時間駆動、高音質BluetoothコーデックのLDAC/aptX HD対応といった特長は、SR25から引き継いでいる。
アップデート要素として、まず4.4mmバランス駆動端子が追加された。2.5mm端子も継続して搭載しているので、組み合わせるイヤホン側の端子を選ばない。機能面では特に、スマホを組み合わせて音楽ストリーミングサービスを利用する際に活躍するであろうBluetoothレシーバー機能「BT Sink」に注目。その他、FTPを使ったワイヤレスでの音源ファイル転送機能「AK File Drop」、再生音量レベルを揃える「Replay Gain」も新搭載となる。
なお、筐体の形状に大きな変化はないが、細かな調整は行われている。4.4mm端子の追加に伴い、電源ボタンを筐体左側に移動。ボリュームダイヤルもブラッシュアップされ、従来はダイヤル側面のみに刻まれていたラインが、ダイヤルのエッジからフェイスにまで伸びたおかげで、指先のかかりがよくなった。
もちろん音質面も強化されている。フラグシップモデル「A&ultima SP2000T」で採用されたという超高純度銀メッキシールド缶の導入に加え、全体各所にブランドの最新ノウハウを投入。優れたS/Nを背景とした穏やかで素直な音調、という方向性はSR25から継承しながら、レベルを一段引き上げた印象だ。
ハイエンド領域に踏み込みつつ、鋭敏すぎない音作りも美点である。イヤホンや楽曲に対しての厳しさや相性の良し悪しは出にくい上に、ピーキーさや気難しさもなく、非常に扱いやすい。これはエントリー機として大きな強みといえる。
例えば、星野源「不思議」を聴くと、薄刃に描き出されるシンバルの鋭さなどによる緊張感までも、十分に届けてくれる。
しかしより印象的なのは、声の優しさや背景に広がっていく響きの穏やかさ。落ち着きがあり聴きやすい。その上で、ダイナミック型イヤホンの「AK T9iE」で聴けば、穏やかさがさらに際立ち、この後詳しく取り上げる「AK ZERO1」で聴けば、空間性がさらに高まるなど、イヤホンの個性も素直に引き出してくれる。
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