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公開日 2023/06/14 06:30

4K UHD BD版『ONE PIECE FILM RED』、Dolby Vision&Atmosが映える厳選3シーンをチェック!

4K/HDR、3Dオーディオの観どころ・聴きどころ
伊尾喜大祐
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『ONE PIECE FILM RED』4K UHD BD版



(C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
音楽の島・エレジアで開催される世界の歌姫・ウタの初ライブ。世界中から超満員のファンが、海賊たちが、そして眼を光らせる海兵たちが集まる中、いよいよその歌声が響き渡ろうとしていた。しかしウタが大海賊「赤髪のシャンクス」の娘だったことから、物語は思わぬ方向に……。

2022年8月に公開されるや、国内197億円、そして全世界で319億円もの記録的ヒットとなった映画『ONE PIECE FILM RED』。そのパッケージソフトが、いよいよ本日6月14日に待望のリリースとなった。パッケージ市場の縮小傾向が取り沙汰される昨今にあって、4K UHD BDからDVDに至るまで6種類もの豊富なラインナップが用意されていることに驚かされるが、やはり注目したいのはDolby VisionとDolby Atmosを収録した4K UHD BD版だ。

『ONE PIECE FILM RED』 デラックス・リミテッド・エディション ¥13,530(税込)/スタンダード・エディション ¥6,380(税込) 発売元:東映ビデオ株式会社 販売元:東映株式会社

筆者もDolby Vision/Dolby Atmos対応の自宅シアターでいちはやくチェックする機会に恵まれた。本稿では、オーディオビジュアル的な視点から、本作の見どころと聴きどころをご紹介していこう。

【CH2〜CH4 新時代/私は最強】



(C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

『ONE PEACE FILM RED』のクオリティを語るには、やはりウタのライブシーンが外せない。CH2でウタの「新時代」が始まると、現実世界を表現するくすんだ色彩が一変! 赤いスポットライトの鮮烈な輝きに驚くや否や、4K UHD BD版らしい鮮やかな原色が画面いっぱいにあふれ出す。Dolby VisionならではのHDRも見事な効果で、ステージのライティング、大観衆のサイリウムの光、ウタが生み出すホログラムまで、光の煌びやかさが際立つ(最大輝度は856nits)。4Kの高精細ではキャラクターたちの描線がビシッと引き締まり、客席の大観衆の様子も克明。ノイズレスでクリーンな映像で、立体感や奥行き表現にも優れる。

Dolby Atmosのサウンドは、ウタの歌声に引きまれる音作りが明確。「新時代」ではタイトなリズムとベースラインが奏でる “音楽的な迫力” と、ステージ演出の花火などの重低音が醸し出す “映画的な迫力” を兼ね備える。ウタの歌声はフロント主体にミックスされており、歌詞に込められたメッセージを力強く伝える。サラウンドは音楽の響きと観客の熱狂に包み込まれ、観客自身もまたウタの歌の世界に入り込んでいる感覚をいっそう高める。

CH4「私は最強」では、海賊たちがウタを襲撃するかと思いきや……暗転したステージでヘッドホンがにわかに青く輝き、歌声が生み出す光の輪が、音符が、花々が、画面と音場一杯に飛び出し、ウタが次々と海賊たちを撃退! ライブとバトルが見事に融合したダイナミックな演出を楽しめる。途中で甲冑に変化するウタの衣裳も、黄金の輝きが本物のように眩い。ハイコントラストなピンクの照明表現も相まって、HDRならではの描写が鮮烈だ。

空間いっぱいに戦闘音と楽曲と観衆の熱狂が飛び交い、シーン全体のボルテージも最高潮だ。そうかと思えば、16分08秒の「私は新時代をつくる女、ウタ」のセリフの場面では、波の音が聴こえるほどに、観客が固唾を飲んでウタを見守る緊張感までも伝えてくる。サウンドの緩急が実に心憎い。

【CH10〜CH15 逆光/ウタカタララバイ】



(C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

海賊嫌いのウタが、ルフィたち麦わら海賊団に襲いかかるシーン。ライブ会場のルーフが閉じる轟音が頭上に響き、ドラムのアタック音とウタと観客たちの手拍子がサラウンドを埋め尽くす。ウタの指先から放たれる鋭い光線や観客たちのサイリウムの赤い光が、まるでウタの怒りを表すかのようだ。

そして始まる「逆光」。ウタのボーカルも、タイトで量感あふれるリズムセクションも、意外なほどにフロントに集中して奏でられるが、サビに突入するとボーカルと旋律が一気にサラウンドに拡大! また、31分10秒では、ウソップの「プリンセス・ウタ、ルフィはそんなことしねえ!」というセリフが音場の上方向から聞こえて驚かされる。この場面に代表されるように、本作では画面外にセリフを定位させるDolby Atmosならではの演出も多用されていて印象的だ。

「ウタカタララバイ」では、ウタのシルエットがヌルヌル動くドラッギーなシークエンスが鮮烈。Dolby Visionのハイコントラストで描かれる極彩色の世界は、発色も濃厚で高純度。ウタを狙う海兵たちと一緒に、観客である我々までも歌声に幻惑されそうなほど!

【CH24〜 TOT MUSICA】



(C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

いにしえの魔王トットムジカの発動シーン。ズッシリ黒く重たい妖気と鮮烈な赤い竜巻に飲み込まれ、世界がまったく違う光景へと変貌していくのが圧巻だ。現実とウタの世界が繋がっていくことに戸惑う観衆の声がサラウンドに広がるなか、ウタの声がトップチャンネルから鳴り響く! 3Dオーディオならではのミックスが、強い力に支配される感覚を迫力満載に演出する。

1時間33分。ルフィの「当たり前だろっ!」というセリフがフロント音場の全面に押し出される。その力強い響きは、ウタを取り戻そうとする意志の強さを見事に伝えてくれる。

「新時代」と「ウィーアー!」の旋律がシンクロするBGM「おれたちの新時代」をバックに、全海賊が一丸となってトットムジカと戦うクライマックスでは、高解像感・広色域・ハイコントラストで各キャラクターの決め技が描かれていく。背景の描き込みも緻密で、ドラスティックな色彩の変化に目を奪われる。HDR効果で、闇の中に白い線で描かれるウタが浮かび上がる描写も印象的だ。

Dolby Atmosによる演出も同様に緻密で、バトルのテンションの高まりをダイナミックに描く。必殺技の攻撃音は迫力豊かで、ピアノの音のダイナミクスの変化も繊細。各キャラクターの声の移動感は音声レベルと定位の変化を効果的に組み合わせて表現され、3Dオーディオならではの演出も胸熱だ。

エンディングのCH32「風のゆくえ」についても書きたい。1時間50分からの “ある展開” にともない、波と嵐の音が荒々しく響き渡る部分にぜひご注目を。そして奏でられる「風のゆくえ」では、ウタの伸びやかなボーカルがフロント側に定位し、ストリングスの旋律と力強いドラムのアタックがサラウンド音場をたっぷりと包み込む。世界中にウタの歌が広がっていく感動的なラストは、ぜひ4K UHD BD版で観て、聴いていただきたい。

[SPEC]
●制作:2022年/日 ●監督:谷口悟朗 ●声の出演:田中真弓、中井和哉、岡村明美 他 ●本編映像:115分、スコープ、Dolby Vision ●本編音声:日本語Dolby Atmos、日本語 Dolby True HD 5.1ch 他

伊尾喜大祐
1999年よりDVD制作事業をスタート。凝った仕様のパッケージソフトを多数制作、映画人からの厚い信頼を得る。2006年には映像制作プロダクションであるFILM有限責任事業組合(現・株式会社FILM)の発足にも参加。のべ200タイトル以上のディスクを制作・演出。オーディオビジュアルの執筆活動も行っている。


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