PR 公開日 2024/10/04 06:30
音も機能もトップクラスの“全方位特化型”完全ワイヤレス。JBL「Tour Pro 3」を徹底レビュー
JBL初のハイブリッド・ドライバーを採用
スマートタッチディスプレイ搭載ケースで話題を呼び、それだけではない実力を見せつけて評価を固めたハイエンド完全ワイヤレスイヤホン、JBL「Tour Pro 2」。2023年春の発売から現在に至ってもなお、その存在感は突出している。しかしJBLはそのリードを広げる次の矢を早くも放ってきた。それが「Tour Pro 3」だ。
基本的なフォーマットは前モデルから素直に継承し、その上でさらに前モデルで新規導入したディスプレイの機能性やショートスティック形状の装着性を洗練。サウンド、ノイズキャンセリング、通話といった基本性能をさらに向上し、ケースへのトランスミッター機能追加など新フィーチャーもあり。前モデルへのフィードバックに応える着実な改善と期待を超える大きな進化をどちらも成し遂げた、強烈なアップデートだ。
何よりもまずそのサウンドの進化についてお伝えしたい。技術的な話としては、JBLイヤホンとして初となるデュアルドライバー、10mm径ダイナミック型とバランスド・アーマチュア型(BA型)によるハイブリッド構成の採用が大きい。
ダイナミック型ドライバーの振動板はTPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)とカーボン紙の複合構造。TPUは昨今スマホケースに利用されていることからもわかるように、弾性と強度に共に優れる樹脂素材だ。それとカーボン紙を組み合わせることで特性をさらに向上。カーボンコーティングとはまた別の手法とのことで、そこにも独自性を見て取れる。
そのダイナミック型が中低域を担当し、8kHzより上をBAが担当する。高域側の伸びや明瞭度が高まるのはもちろん、ダイナミック型を中低域に専念させることで、中低域側の表現や力感に余裕を持たせるのも狙いだ。
サウンドの進化を図るべく、改めてTour Pro 2の音から確認した。オーディオファンも納得の端正なバランスを基礎としてそれを崩さない範囲で、近年の楽曲の低音表現に対応してボリューム感を絶妙に付与する音だ。普遍的なウェルバランスに固執せず、現代的なウェルバランスを新たに提示したサウンドにはこの時点でもう大満足だ。
しかしTour Pro 3はそのサウンドをさらに上のレベルに押し上げることに成功している。特に大きなポイントと感じたのは低音の分布の変化。中域側に近いローミッド帯域の適度なボリューム感も維持しつつ、超低域側のローエンドの鳴りがさらに充実している。これによってたとえばYOASOBI『アイドル』やビリー・アイリッシュ『CHIHIRO』など現代的なポップスで多用されるサブベースの響きが存在感を増し、それがあってこその迫力や空間性をさらに楽しめるようになった。
このチューニングは幅広い楽曲への対応力にも優れる。たとえば往年のロックやポップスなどそもそも超低域をあまり含まない楽曲を聴く際には、イヤホン側でのローエンドのプッシュの影響力は薄くなり、楽曲本来のバランスを崩すことがないのだ。その上でTour Pro 3はローミッド帯域においても音像の張りや力感のさらなる充実を得ており、そちらは新旧ジャンル問わずあらゆる楽曲において発揮されるのだから実においしい。
もちろん高域側の進化も体感できる。ホセ・ジェイムズ『Just The Two of Us』のシンバルの響きや抜けは、軽く一聴した時点では少し落ち着いた印象。しかし聴き込むとその印象は変化。超高域に向けての素直に音が伸びることによって、シンバルの鳴りや響きがさらにナチュラルになったのだと気付かされた。ヒットの強弱や打点の調整による音色の変化など、演奏表現の繊細さをより明瞭に届けてくれるようになった。
圧巻の空間表現が特長の音源、Hoff Ensemble『Dronning Fjellrose』では、空間オーディオ機能の進化にも驚かされた。Tour Pro 2ではステレオ空間を拡張する印象だが、Tour Pro 3ではサラウンドスピーカーシステムに囲まれて、その中心でのリスニング体験、あの感覚に近付いている。アルゴリズムの進化に加えて、超低域と超高域の再生能力の強化が空間オーディオにも貢献しているのかもしれない。
■ダイナミックとバランスド・アーマチュアのハイブリッド構成
基本的なフォーマットは前モデルから素直に継承し、その上でさらに前モデルで新規導入したディスプレイの機能性やショートスティック形状の装着性を洗練。サウンド、ノイズキャンセリング、通話といった基本性能をさらに向上し、ケースへのトランスミッター機能追加など新フィーチャーもあり。前モデルへのフィードバックに応える着実な改善と期待を超える大きな進化をどちらも成し遂げた、強烈なアップデートだ。
何よりもまずそのサウンドの進化についてお伝えしたい。技術的な話としては、JBLイヤホンとして初となるデュアルドライバー、10mm径ダイナミック型とバランスド・アーマチュア型(BA型)によるハイブリッド構成の採用が大きい。
ダイナミック型ドライバーの振動板はTPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)とカーボン紙の複合構造。TPUは昨今スマホケースに利用されていることからもわかるように、弾性と強度に共に優れる樹脂素材だ。それとカーボン紙を組み合わせることで特性をさらに向上。カーボンコーティングとはまた別の手法とのことで、そこにも独自性を見て取れる。
そのダイナミック型が中低域を担当し、8kHzより上をBAが担当する。高域側の伸びや明瞭度が高まるのはもちろん、ダイナミック型を中低域に専念させることで、中低域側の表現や力感に余裕を持たせるのも狙いだ。
■ローもハイも充実。迫力も空間再現性も高まったサウンド
サウンドの進化を図るべく、改めてTour Pro 2の音から確認した。オーディオファンも納得の端正なバランスを基礎としてそれを崩さない範囲で、近年の楽曲の低音表現に対応してボリューム感を絶妙に付与する音だ。普遍的なウェルバランスに固執せず、現代的なウェルバランスを新たに提示したサウンドにはこの時点でもう大満足だ。
しかしTour Pro 3はそのサウンドをさらに上のレベルに押し上げることに成功している。特に大きなポイントと感じたのは低音の分布の変化。中域側に近いローミッド帯域の適度なボリューム感も維持しつつ、超低域側のローエンドの鳴りがさらに充実している。これによってたとえばYOASOBI『アイドル』やビリー・アイリッシュ『CHIHIRO』など現代的なポップスで多用されるサブベースの響きが存在感を増し、それがあってこその迫力や空間性をさらに楽しめるようになった。
このチューニングは幅広い楽曲への対応力にも優れる。たとえば往年のロックやポップスなどそもそも超低域をあまり含まない楽曲を聴く際には、イヤホン側でのローエンドのプッシュの影響力は薄くなり、楽曲本来のバランスを崩すことがないのだ。その上でTour Pro 3はローミッド帯域においても音像の張りや力感のさらなる充実を得ており、そちらは新旧ジャンル問わずあらゆる楽曲において発揮されるのだから実においしい。
もちろん高域側の進化も体感できる。ホセ・ジェイムズ『Just The Two of Us』のシンバルの響きや抜けは、軽く一聴した時点では少し落ち着いた印象。しかし聴き込むとその印象は変化。超高域に向けての素直に音が伸びることによって、シンバルの鳴りや響きがさらにナチュラルになったのだと気付かされた。ヒットの強弱や打点の調整による音色の変化など、演奏表現の繊細さをより明瞭に届けてくれるようになった。
圧巻の空間表現が特長の音源、Hoff Ensemble『Dronning Fjellrose』では、空間オーディオ機能の進化にも驚かされた。Tour Pro 2ではステレオ空間を拡張する印象だが、Tour Pro 3ではサラウンドスピーカーシステムに囲まれて、その中心でのリスニング体験、あの感覚に近付いている。アルゴリズムの進化に加えて、超低域と超高域の再生能力の強化が空間オーディオにも貢献しているのかもしれない。
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