公開日 2010/05/27 12:06
ケーブルに煩わされない!ワイヤレススタイルで自由な音楽試聴
BluetoothやAirmacExpressなどを活用
ケーブルに煩わされないワイヤレススタイルで音楽を楽しむ
音声信号のワイヤレス伝送を手軽に実現できるのも、パソコンや携帯プレーヤーを再生ソースにしたオーディオスタイルの特長だ。
iPodとオーディオをワイヤレス接続にすると、iPodに邪魔なケーブルをつないだりドックに設置したりしなくてよくなる。iPodを手に持ったまま、イヤホンのときと同じ感覚で操作できるのだ。これに慣れるとケーブルやドックを使った接続は少し使いにくいと感じてしまう。
パソコンとオーディオの接続をワイヤレスにすると、「パソコンとオーディオを別の部屋に設置しながらもパソコンの中の音楽ファイルをオーディオから再生する」なんてことも可能だ。部屋をまたいだケーブル接続は非現実的だが、ワイヤレスなら話は別である。
Bluetooth、Kleer、AirTunesなどさまざまな方法がある
さてオーディオのワイヤレス接続で最も一般的な方式はBluetoothだ。iPhoneとiPod touchに標準装備され、ノートパソコンでの搭載例も少なくない。
オーディオの側の採用例も増えている。パイオニアのiPod向けシステムXW-NAS5はオプションのアダプタでBluetoothにも対応。普段は使いやすいワイヤレス接続、音質を優先したいときは本体ドックでのiPodデジタル接続と使い分けられる。
パイオニアやマランツはAVアンプにもBluetoothアダプタを用意しているので、ホームシアターにiPhoneをうまく溶け込ませたいというような方は要チェックだ。
なおBluetoothでは「プロファイル」という仕様(通信の約束事)がいくつか策定されており、オーディオ伝送に一般的に用いられるのは「A2DP」プロファイル。
A2DPでの音声伝送の際にはデジタル圧縮が行われるので、音質的には多少の損失がある。しかしそれほど気にならず、ワイヤレスの手軽さとのプラスマイナスで考えれば十分にプラスだ。もちろん最終的な音質は各機器の総合的な性能で決まるが。
Bluetooth以外のアプローチも紹介しておこう。
ヤマハのAirWiredは、iPodのDock端子を利用してiPodと一体化するアダプタから音声を“非圧縮で”伝送する方式。iPod向け一体型システムCRX-140に採用されている。
Kleerもオーディオ専用に開発されたもので、CDと同等クオリティでの伝送が可能だ。主にワイヤレスヘッドホンに採用されている。
無線LANを利用するものとしてはiTunesとAirMac Expressを組み合わせたAirTunesがある。AirMac ExpressはApple製の小型の無線LAN機器で音声出力が装備されている。それをパソコンのiTunesの音声出力先に設定できるのだ。こちらも音質的にはCDクオリティだ。
さらにAppleが無料配布しているiPhoneアプリ「Remote」を組み合わせると「仕事部屋のパソコンから音声をリビングのオーディオに飛ばして、ソファに座ったまま手元のiPhoneで操作」なんてこともできる。
いま挙げた利点や利用例にピンとくるところがあっただろうか。もしもあったのなら、オーディオらしい音質を損ねずにもっと身軽に楽しめるワイヤレスの世界があなたを待っている。
高橋敦 プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。
音声信号のワイヤレス伝送を手軽に実現できるのも、パソコンや携帯プレーヤーを再生ソースにしたオーディオスタイルの特長だ。
iPodとオーディオをワイヤレス接続にすると、iPodに邪魔なケーブルをつないだりドックに設置したりしなくてよくなる。iPodを手に持ったまま、イヤホンのときと同じ感覚で操作できるのだ。これに慣れるとケーブルやドックを使った接続は少し使いにくいと感じてしまう。
パソコンとオーディオの接続をワイヤレスにすると、「パソコンとオーディオを別の部屋に設置しながらもパソコンの中の音楽ファイルをオーディオから再生する」なんてことも可能だ。部屋をまたいだケーブル接続は非現実的だが、ワイヤレスなら話は別である。
Bluetooth、Kleer、AirTunesなどさまざまな方法がある
オーディオの側の採用例も増えている。パイオニアのiPod向けシステムXW-NAS5はオプションのアダプタでBluetoothにも対応。普段は使いやすいワイヤレス接続、音質を優先したいときは本体ドックでのiPodデジタル接続と使い分けられる。
パイオニアやマランツはAVアンプにもBluetoothアダプタを用意しているので、ホームシアターにiPhoneをうまく溶け込ませたいというような方は要チェックだ。
なおBluetoothでは「プロファイル」という仕様(通信の約束事)がいくつか策定されており、オーディオ伝送に一般的に用いられるのは「A2DP」プロファイル。
A2DPでの音声伝送の際にはデジタル圧縮が行われるので、音質的には多少の損失がある。しかしそれほど気にならず、ワイヤレスの手軽さとのプラスマイナスで考えれば十分にプラスだ。もちろん最終的な音質は各機器の総合的な性能で決まるが。
【Bluetoothとは】 近くにある機器同士で簡単に情報をやりとりする通信規格のこと。2.4GHz帯の電波を使って、最大10m程度の距離で通信ができる。通信の約束事を定めた「プロファイル」というものがあり、そのプロファイルに対応しているもの同士で通信が可能となる。オーディオ関係でよく目にするプロファイルは下記のとおり。 ■HSP:Bluetoothヘッドセットと通信し、モノラル音声受信やマイクでのやりとりが可能 ■HFP:車内やヘッドセットでハンズフリー通話ができる。電話の発信/着信機能も持つ。 ■AVRCP:AV機器のリモコンとして使えるようにできる ■A2DP:高音質なステレオ音声をBluetoothレシーバー付きイヤホンに伝送できる |
Bluetooth以外のアプローチも紹介しておこう。
ヤマハのAirWiredは、iPodのDock端子を利用してiPodと一体化するアダプタから音声を“非圧縮で”伝送する方式。iPod向け一体型システムCRX-140に採用されている。
Kleerもオーディオ専用に開発されたもので、CDと同等クオリティでの伝送が可能だ。主にワイヤレスヘッドホンに採用されている。
無線LANを利用するものとしてはiTunesとAirMac Expressを組み合わせたAirTunesがある。AirMac ExpressはApple製の小型の無線LAN機器で音声出力が装備されている。それをパソコンのiTunesの音声出力先に設定できるのだ。こちらも音質的にはCDクオリティだ。
さらにAppleが無料配布しているiPhoneアプリ「Remote」を組み合わせると「仕事部屋のパソコンから音声をリビングのオーディオに飛ばして、ソファに座ったまま手元のiPhoneで操作」なんてこともできる。
いま挙げた利点や利用例にピンとくるところがあっただろうか。もしもあったのなら、オーディオらしい音質を損ねずにもっと身軽に楽しめるワイヤレスの世界があなたを待っている。
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。