公開日 2012/11/20 19:37
話題の「DSDネイティブ再生」を実現する2つの方法
いま話題の高音質フォーマット
ネットオーディオファンの間で、いま大きな話題となっているのが、DSDフォーマットをDSD信号として認識させて再生する「DSDネイティブ再生」である。
しかしこのDSDフォーマットは、とくに新しいフォーマットではない。SACDがこのDSDフォーマットを記録形式として採用していたことは、オーディオファンの多くが知るところだろう。
時代は大きく移り変わり、ディスクメディアという枠組みを超えてPC/ネットワークベースで再生したいという要求が高まっている。そこで話題となっているのがDSDネイティブ再生だ。
ここでは、現時点でこのDSDネイティブ再生が、一般ユーザーにとってどこまで現実的になったのか、簡単に解説したい。
DSDネイティブ再生を実現する二つのアプローチ
DSDフォーマットは長らく、PCベースでの再生は難しいものとされていた。
その要因として、そもそもUSBのAudio Classの伝送そのものがDSDに対応していないということが挙げられる。ただし、これはドライバーが対応していないということで、DSDに対応したドライバーの導入、あるいはUSB Audio Classに対応した状態でDSD信号を送り込むことができればDSDフォーマットをネイティブで出力することが可能となる。これを実現するのが「ASIO 2.1」や「DoP」という方式である。
ASIO 2.1は、その名の通りASIOドライバーのこと。ASIOドライバーの開発元であるスタインバーグ社は、2005年にASIO 2.1でのDSDサポートをアナウンスした。しかしこの段階では、コンシューマーオーディオにおいてネットオーディオの概念が確立されていなかったことから、一般のオーディオファンにDSDネイティブ再生の手段として紹介されることはなかった。
またASIOそのものがMacには非対応なため、Macユーザーが比較的多いネットオーディオ市場で日が当たりづらかったことも、なかなか火が付かなかった理由かもしれない。
一方のDoP。これこそが、今日のDSDネイティブ再生の盛り上がりの火付け役だったといえるだろう。元々はDSDレコーディングアプリケーション「Sonoma」の開発にも関わった経歴を持つプレイバック・デザイン社のアンドレアス・コッチ氏を中心としたメンバーで規格化されたもので、WAVなどと同じPCMフォーマットの格納容器にDSDの信号を当てはめて、受け取ったDAC側でDSDフォーマットとして読み込むというものだ。
このDoPによる伝送はWindowsであればfoobar2000+コンポネートやHQ Player、MacであればAudirvana Plusなどの対応ソフトウェアがあるため、OSを問わずDSDネイティブ再生が可能となる。このOSを選ばないということが、DoPの普及に大きく貢献している。
増える対応機器、聴くだけならば十分現実的な環境に
DSDネイティブ再生に対応した機器は、この1年で徐々に増えている。ASIO2.1とDoPの双方に対応したTEAC「UD-501」やMYTEK DIGITAL「STEREO 192 DSD DAC M」、ASIO2.1に対応したKORG「DS-DAC-10」、DoPに対応したRATOC「RAL-DSDHA1」、FOSTEX「HP-A8(ファームウェアバージョン2.0ベータのみ)」などが代表的だが、その数は今後も順調に増えていくことが予想される。
ただし、現時点でDSDネイティブ再生はまだ発展途上の側面も大きい。例えばDSDフォーマットとPCMフォーマットを混在させると切り換え時にノイズが発生してしまったり、再生中にノイズが発生してしまうこともある。
これらの問題はメーカーのファームウェアのアップデートやソフトウェアの指定などにより改善傾向にあるようだ。これもDSDネイティブ再生に期待が集まる大きな要因となっている。
いずれにしても「DSDフォーマットの魅力を単純に再生して味わう」ということに限れば、オーディオファンにとって十分に現実的なものとなっているといえるだろう。
DSDネイティブ再生を楽しむための各ソフトウェアの設定方法や聴きごとのレポートは、全国の書店にて発売中の『Net Audio』にて詳細記事が掲載されているので、そちらも参考にしていただきたい。
しかしこのDSDフォーマットは、とくに新しいフォーマットではない。SACDがこのDSDフォーマットを記録形式として採用していたことは、オーディオファンの多くが知るところだろう。
時代は大きく移り変わり、ディスクメディアという枠組みを超えてPC/ネットワークベースで再生したいという要求が高まっている。そこで話題となっているのがDSDネイティブ再生だ。
ここでは、現時点でこのDSDネイティブ再生が、一般ユーザーにとってどこまで現実的になったのか、簡単に解説したい。
DSDネイティブ再生を実現する二つのアプローチ
DSDフォーマットは長らく、PCベースでの再生は難しいものとされていた。
その要因として、そもそもUSBのAudio Classの伝送そのものがDSDに対応していないということが挙げられる。ただし、これはドライバーが対応していないということで、DSDに対応したドライバーの導入、あるいはUSB Audio Classに対応した状態でDSD信号を送り込むことができればDSDフォーマットをネイティブで出力することが可能となる。これを実現するのが「ASIO 2.1」や「DoP」という方式である。
ASIO 2.1は、その名の通りASIOドライバーのこと。ASIOドライバーの開発元であるスタインバーグ社は、2005年にASIO 2.1でのDSDサポートをアナウンスした。しかしこの段階では、コンシューマーオーディオにおいてネットオーディオの概念が確立されていなかったことから、一般のオーディオファンにDSDネイティブ再生の手段として紹介されることはなかった。
またASIOそのものがMacには非対応なため、Macユーザーが比較的多いネットオーディオ市場で日が当たりづらかったことも、なかなか火が付かなかった理由かもしれない。
一方のDoP。これこそが、今日のDSDネイティブ再生の盛り上がりの火付け役だったといえるだろう。元々はDSDレコーディングアプリケーション「Sonoma」の開発にも関わった経歴を持つプレイバック・デザイン社のアンドレアス・コッチ氏を中心としたメンバーで規格化されたもので、WAVなどと同じPCMフォーマットの格納容器にDSDの信号を当てはめて、受け取ったDAC側でDSDフォーマットとして読み込むというものだ。
このDoPによる伝送はWindowsであればfoobar2000+コンポネートやHQ Player、MacであればAudirvana Plusなどの対応ソフトウェアがあるため、OSを問わずDSDネイティブ再生が可能となる。このOSを選ばないということが、DoPの普及に大きく貢献している。
増える対応機器、聴くだけならば十分現実的な環境に
DSDネイティブ再生に対応した機器は、この1年で徐々に増えている。ASIO2.1とDoPの双方に対応したTEAC「UD-501」やMYTEK DIGITAL「STEREO 192 DSD DAC M」、ASIO2.1に対応したKORG「DS-DAC-10」、DoPに対応したRATOC「RAL-DSDHA1」、FOSTEX「HP-A8(ファームウェアバージョン2.0ベータのみ)」などが代表的だが、その数は今後も順調に増えていくことが予想される。
ただし、現時点でDSDネイティブ再生はまだ発展途上の側面も大きい。例えばDSDフォーマットとPCMフォーマットを混在させると切り換え時にノイズが発生してしまったり、再生中にノイズが発生してしまうこともある。
これらの問題はメーカーのファームウェアのアップデートやソフトウェアの指定などにより改善傾向にあるようだ。これもDSDネイティブ再生に期待が集まる大きな要因となっている。
いずれにしても「DSDフォーマットの魅力を単純に再生して味わう」ということに限れば、オーディオファンにとって十分に現実的なものとなっているといえるだろう。
DSDネイティブ再生を楽しむための各ソフトウェアの設定方法や聴きごとのレポートは、全国の書店にて発売中の『Net Audio』にて詳細記事が掲載されているので、そちらも参考にしていただきたい。