公開日 2023/04/20 10:00
ソニー「REON POCKET 4」で春バテ予防も期待!“着るクーラー”がオールシーズン仕様になったワケ
外気温に合わせた自動冷温切り替えが便利
春には明るく朗らかな印象があるが、実はもっとも天気に注意したい季節。一年を通して特に寒暖差が激しいため、体調を崩しやすくなり、夏バテならぬ「春バテ」が起きやすいとされている。
そんな春真っ只中の4月下旬に発表されたのが、ソニーのウェアラブルデバイス「REON POCKET 4」だ。
REON POCKETは首元の体表面を冷やしたり温めたりできる端末で、その冷却性能から “着るクーラー” と呼ばれ、年々人気を高めている。その最新モデルでは、同時に発表された「REON POCKET TAG」を組み合わせることで、今時期から早速活躍する機能が追加されたという。どう進化したのか、実際に試してみた。
REON POCKET 4は、REON POCKET TAGと組み合わせることで真価を発揮する。ここではまず、新登場したREON POCKET TAGについて紹介しよう。
REON POCKET TAGは、身に着けるセンシングデバイス。センシング=検知機能により、端末周辺の外気の温度と湿度を正確に測定し、REON POCKET 4の動きを最適化できるというもので、今回重要な役割を担っている。
表面に設けられたスリット部分でユーザーの周囲の外気を検知して、より正確に温度と湿度を測定。その情報をフィードバックすることで、暑ければ冷却(COOL)モード、寒ければ温熱(WARM)モードへと、REON POCKET 4を自動で切り替えることができる。
この自動冷温切り替え機能「SMART COOL⇔WARM MODE」は、今回より搭載された新機能。REON POCKET本体のみでは利用できず、REON POCKET TAGと連携することで初めて、専用スマートフォンアプリで選択できるようになる。
アプリでは、REON POCKET TAGで検知した周辺温度が何度になったらCOOL/WARMモードを起動するか、事前に切り替え温度を設定できる。設定した切り替え温度の間だった場合は、本体は一時停止する仕組みだ。
アプリを最新状態にアップデートすれば、昨年発売のREON POCKET 3でも同機能が使えるとのこと。それより以前のモデルでは、SMART COOL⇔WARM MODEは使用できない。
なお従来モデルのREON POCKET 3でも、内蔵した温度センサーによって、本体の接触部と実際に触れている体側の温度を検知することはできていた。ただ、実際に体感する「暑い」「寒い」の感覚は、屋内と屋外での気温差など、身を置いている環境に左右されるもの。
REON POCKET TAGによって、その周辺温度が正確に検知でき、さらにREON POCKET 4が自動でシームレスに機能することで、一度装着したらあとは着けっぱなしでOK。アプリを立ち上げなくても快適状態を保つことができる。これが最新モデルの大きな特徴である。
その本体サイズは、タブレットケースよりも小さく、平たい形状になっていて、背面部のクリップによってさまざまな場所に装着できる。なお、クリップといっても上部を押したら開くという仕様ではないので、ある程度の厚み以上になると挟めない可能性もあるので留意したい。
設置場所は、たとえばジャケットやシャツの胸ポケット、リュックやショルダーバッグなどが推奨される。肌に触れてしまう位置で使用すると、体温を拾ってしまう場合もあるので注意。またスリット部を塞いでしまうとセンシング機能を発揮できないため、外気に触れさせられる場所を選びたい。
REON POCKET 4本体も、もちろん進化している。手にとってすぐわかるのが、その外観の違い。REON POCKET 3までの従来機種では、本体表面がつやっとした仕上がりだったのだが、REON POCKET 4ではサラサラとして少しマットな質感で、細い溝が刻まれたストライプ模様に。装着すると自分では見えないが、光の反射を防いで目立ちにくくなったようだ。
また、もう一つ見た目で違いがわかるのが本体下部の機構だ。これまで表面全体の1/4ほどの面積に複数の穴が設けられており、ここから吸気して上部の排気口に空気を流していたが、この穴の部分にインナーが上に被さった際に、吸気性能に影響が出ることもあったという。
そこで今回から、下向きの緩いU字型のようなスリット構造を採用。これにより左右の横の隙間からも吸気できるため、服にかぶさって塞がれてしまうといったことが起きにくくなり、効率良く性能を維持できる。
サイズ感はほぼ変わらないが、もっと長く使えるようにしてほしいというユーザーニーズを受け、内蔵バッテリーをひと回り大きなものに変更したことで、1mmほど厚みが増したとのこと。ただ、手に持ったり、首にかけた際に重たくなったようには感じなかった。ほか、内部の放熱機構も改良され、大型化することで冷却効率が向上している。
REON POCKET 4からは専用ネックバンドも同梱されている。というのも、昨年までは別売アクセサリーとしてのみ展開していたが、REON POCKETを購入する際に一緒に買うユーザーがほとんどだったことから、同梱することにしたのだという。ちなみに本体価格が値上がりして見えるが、実際にはこれまでネックバンドと本体をそれぞれ購入した場合の金額よりも少し安くなっている。
専用ネックバンドも進化し、女性向けサービスとして今年スタートした「REON WIZ」で初採用された3層構造をここでも採用。軸はワイヤーフレーム、そこに自由な形状を保持できるメカニカルフレキシブルチューブを組み合わせて、表面はシリコンラバーで覆った。おかげで肌触りよく、また個人の首周りに合わせて調整し、フィット感を高めやすくなっている。
REON POCKET TAGも、単品とREON POCKET 4とのセット商品の2パターンで展開している。「REON POCKET 4+ネックバンド」と「REON POCKET TAG」を個別に購入するより、セットの方がお得なので、検討される方はぜひセット品をおすすめしたい。
使うにはまず専用アプリを立ち上げ、REON POCKET 4とREON POCKET TAGを接続する必要がある。どちらもボタンを押して、青く光れば自動的にアプリ側で認識される。本体の着脱を検知して本体の動作を自動化するAUTO START/STOP機能も引き続き搭載するので、操作や使い勝手は非常に簡単だ。
セットアップが済むと、早速画面に新機能の「SMART COOL⇔WARM MODE」が表示される。「OPTION」をタップすると、「温度の好み」と「切替温度」の設定が行える。温度の好みは5段階から選択できる。
切替温度は、デフォルト状態では27.5度以上となればCOOLモードが、20.0度以下となればWARMモードが起動するように設定されている。この切替温度設定はもちろん自由に変更可能なので、それぞれ何度くらいで暑く/寒く感じるかによって設定しよう。
周辺温度がここで設定した切替温度の間に位置する場合、REON POCKET 4は稼働しない。そのため、不要な稼働を抑えることができるようになったのもポイント。本体のバッテリー強化とも相まって、従来よりも長く使い続けられる。
そして、今回からWARMモードにもスマート機能「SMART WARM」が追加された。REON POCKET TAGとの連携時にのみ利用可能で、「OPTION」からは温度の好みが5段階から選択できる。WARMモードの自動化には特に外気温の検知が重要で、例えば冬場にダウンなどを上に着込んでしまうと、本体側のセンサーだけではどうにも効果を発揮できなかったという。
ちなみに、REON POCKET TAGでは独自の温度補正のアルゴリズムも活用される。基本的には約5秒周期で外気温情報を連携しているとのことだが、内部の温度計だけで正しい温度を測るには、多少時間がかかる。特に利用数が多いと想定される都市圏は、温度差が激しいこともあり、アルゴリズムによる温度補正も加味することで、冷温機能をすぐに反応させられるよう工夫が凝らされている。
アルゴリズムによる補正がない場合、正確な温度検知には5分程度かかるとのこと。これではスマート機能を謳う速度感とは言えないだろう。その効果のほどはというと、感覚値では10秒から20秒ほどだろうか、特に暑くも寒くもなかった室内から屋外に出てみると、すぐに稼働し始め、アプリ画面の温度表示にも変化が現れた。
この温度表示、ただ可視化されただけといえばそうなのだが、つい見てしまう。Apple Watchからもアプリを開くと表示されるため、今何度くらいなんだろう? と思った時にぱっと確認できるのは、地味に嬉しい。
試した時は、SMART COOL⇔WARM MODEをオンにした状態で、REON POCKET TAGはカバンに取り付けた。屋外に出てすぐ「暑いな……」と感じた。温度表示を見てみると29度前後で、REON POCKET 4がすぐにCOOLモードとなり起動。冷んやりと首元から体をクールダウンさせてくれる。
しばらく歩いてみて、気づいたことが一つ。筆者はあまり時間に余裕を持って行動できない、ギリギリで生きているタイプなのだが、そうすると移動は必然的に急ぎ気味になってしまう。そのため、外気温はそこまで高くなくても体が熱くなってくる。
そんなこともあって、便利なスマート機能があるのに、結局アプリを開いてマニュアル操作してしまった(歩きスマホ注意)。こんなとき、Apple WatchのアプリでREON POCKET TAGで検知した温度・湿度表示だけでなく、モード切り替えなどの操作ができたら……と思った。
まあその前に、筆者のようにバタバタと動くことが多ければ外出時には「温度の好み」を普段より一つ強めにするか、心を入れ替えて5分前、いや10分前行動くらいの余裕をもちたい。
ちなみに今回、同時発表された専用ネックバンドのSMALLサイズを使用している。REON WIZで初登場したベージュカラーのネックバンドで、好評のため単体販売が決定したという。
着け比べてみると結構違いがあった。筆者としては、明らかにSMALLサイズの方が、REON POCKET 4の接触面を体にフィットさせやすく、首周りのバンド部も幅がちょうど良いことで、安定感を感じられた。女性ユーザーはぜひ、試してみてほしい。
駆動音については、SMART COOL⇔WARM MODEの使用で大きく気に掛かることはなかった。ただ、SMART COOLモードにしてターゲット温度を目指す際や、マニュアルのCOOLモードを使う場合には、自宅の静かな室内ならファンの音が聞こえているし、たとえば会社など空調ほかさまざまな音がしている環境であれば、耳を傾ければ聞こえてくる。
つまり、冷却の動作が始まれば少なくともファンの音はしている。人によって違いそうだが、移動中などはそのまま、室内に入って気になりだしたら、ノイズキャンセリングイヤホンなどで対応するのが今回も良さそうだ。
◇◇◇
進化を続ける「REON POCKET」シリーズ。今回は別体のセンシングデバイスを組み合わせるという新たな発想により、より正確な周辺温度の検知を実現し、REON POCKETの性能を最適な状態で発揮させられるようになった。
何より、「正確に検知」というのがとても重要。普段、スマホやスマートウォッチの天気情報で見る気温を見て、自分の感覚とギャップを感じることはないだろうか? 特に都市部は、アスファルトやコンクリートに囲まれていることから、体感温度との差が生まれやすいだろう。また、地面からの照り返しも、小さな子供と大人とでは、熱の感じ方は大きく異なる。
そうしたなか、体感温度に近い正確な情報を取得できることで、REON POCKETの性能を最適状態で発揮させることができ、冷暖房にありがちな冷えすぎ、暖めすぎなども防げるし、初代から掲げているコンセプトの一つでもある、省エネにもつながるはずだ。
COOLとWARMを自動的に切り替えられることで、夏場の屋外と室内はもちろん、寒暖差の激しい春、そして秋、冬と、活躍機会がさらに増えたのではないだろうか。
夏場に強い “着るクーラー” としての機能はもちろんありがたいが、夏だけのアイテムとせず、手に入れたからにはオールシーズンしっかりとフル活用したい。
そんな春真っ只中の4月下旬に発表されたのが、ソニーのウェアラブルデバイス「REON POCKET 4」だ。
REON POCKETは首元の体表面を冷やしたり温めたりできる端末で、その冷却性能から “着るクーラー” と呼ばれ、年々人気を高めている。その最新モデルでは、同時に発表された「REON POCKET TAG」を組み合わせることで、今時期から早速活躍する機能が追加されたという。どう進化したのか、実際に試してみた。
REON POCKETの性能をフルで発揮させる相棒、「REON POCKET TAG」が誕生
REON POCKET 4は、REON POCKET TAGと組み合わせることで真価を発揮する。ここではまず、新登場したREON POCKET TAGについて紹介しよう。
REON POCKET TAGは、身に着けるセンシングデバイス。センシング=検知機能により、端末周辺の外気の温度と湿度を正確に測定し、REON POCKET 4の動きを最適化できるというもので、今回重要な役割を担っている。
表面に設けられたスリット部分でユーザーの周囲の外気を検知して、より正確に温度と湿度を測定。その情報をフィードバックすることで、暑ければ冷却(COOL)モード、寒ければ温熱(WARM)モードへと、REON POCKET 4を自動で切り替えることができる。
この自動冷温切り替え機能「SMART COOL⇔WARM MODE」は、今回より搭載された新機能。REON POCKET本体のみでは利用できず、REON POCKET TAGと連携することで初めて、専用スマートフォンアプリで選択できるようになる。
アプリでは、REON POCKET TAGで検知した周辺温度が何度になったらCOOL/WARMモードを起動するか、事前に切り替え温度を設定できる。設定した切り替え温度の間だった場合は、本体は一時停止する仕組みだ。
アプリを最新状態にアップデートすれば、昨年発売のREON POCKET 3でも同機能が使えるとのこと。それより以前のモデルでは、SMART COOL⇔WARM MODEは使用できない。
なお従来モデルのREON POCKET 3でも、内蔵した温度センサーによって、本体の接触部と実際に触れている体側の温度を検知することはできていた。ただ、実際に体感する「暑い」「寒い」の感覚は、屋内と屋外での気温差など、身を置いている環境に左右されるもの。
REON POCKET TAGによって、その周辺温度が正確に検知でき、さらにREON POCKET 4が自動でシームレスに機能することで、一度装着したらあとは着けっぱなしでOK。アプリを立ち上げなくても快適状態を保つことができる。これが最新モデルの大きな特徴である。
その本体サイズは、タブレットケースよりも小さく、平たい形状になっていて、背面部のクリップによってさまざまな場所に装着できる。なお、クリップといっても上部を押したら開くという仕様ではないので、ある程度の厚み以上になると挟めない可能性もあるので留意したい。
設置場所は、たとえばジャケットやシャツの胸ポケット、リュックやショルダーバッグなどが推奨される。肌に触れてしまう位置で使用すると、体温を拾ってしまう場合もあるので注意。またスリット部を塞いでしまうとセンシング機能を発揮できないため、外気に触れさせられる場所を選びたい。
REON POCKET 4はバッテリー強化、吸気効率もアップ
REON POCKET 4本体も、もちろん進化している。手にとってすぐわかるのが、その外観の違い。REON POCKET 3までの従来機種では、本体表面がつやっとした仕上がりだったのだが、REON POCKET 4ではサラサラとして少しマットな質感で、細い溝が刻まれたストライプ模様に。装着すると自分では見えないが、光の反射を防いで目立ちにくくなったようだ。
また、もう一つ見た目で違いがわかるのが本体下部の機構だ。これまで表面全体の1/4ほどの面積に複数の穴が設けられており、ここから吸気して上部の排気口に空気を流していたが、この穴の部分にインナーが上に被さった際に、吸気性能に影響が出ることもあったという。
そこで今回から、下向きの緩いU字型のようなスリット構造を採用。これにより左右の横の隙間からも吸気できるため、服にかぶさって塞がれてしまうといったことが起きにくくなり、効率良く性能を維持できる。
サイズ感はほぼ変わらないが、もっと長く使えるようにしてほしいというユーザーニーズを受け、内蔵バッテリーをひと回り大きなものに変更したことで、1mmほど厚みが増したとのこと。ただ、手に持ったり、首にかけた際に重たくなったようには感じなかった。ほか、内部の放熱機構も改良され、大型化することで冷却効率が向上している。
REON POCKET 4からは専用ネックバンドも同梱されている。というのも、昨年までは別売アクセサリーとしてのみ展開していたが、REON POCKETを購入する際に一緒に買うユーザーがほとんどだったことから、同梱することにしたのだという。ちなみに本体価格が値上がりして見えるが、実際にはこれまでネックバンドと本体をそれぞれ購入した場合の金額よりも少し安くなっている。
専用ネックバンドも進化し、女性向けサービスとして今年スタートした「REON WIZ」で初採用された3層構造をここでも採用。軸はワイヤーフレーム、そこに自由な形状を保持できるメカニカルフレキシブルチューブを組み合わせて、表面はシリコンラバーで覆った。おかげで肌触りよく、また個人の首周りに合わせて調整し、フィット感を高めやすくなっている。
REON POCKET TAGも、単品とREON POCKET 4とのセット商品の2パターンで展開している。「REON POCKET 4+ネックバンド」と「REON POCKET TAG」を個別に購入するより、セットの方がお得なので、検討される方はぜひセット品をおすすめしたい。
実際に屋内外で試してみた
使うにはまず専用アプリを立ち上げ、REON POCKET 4とREON POCKET TAGを接続する必要がある。どちらもボタンを押して、青く光れば自動的にアプリ側で認識される。本体の着脱を検知して本体の動作を自動化するAUTO START/STOP機能も引き続き搭載するので、操作や使い勝手は非常に簡単だ。
セットアップが済むと、早速画面に新機能の「SMART COOL⇔WARM MODE」が表示される。「OPTION」をタップすると、「温度の好み」と「切替温度」の設定が行える。温度の好みは5段階から選択できる。
切替温度は、デフォルト状態では27.5度以上となればCOOLモードが、20.0度以下となればWARMモードが起動するように設定されている。この切替温度設定はもちろん自由に変更可能なので、それぞれ何度くらいで暑く/寒く感じるかによって設定しよう。
周辺温度がここで設定した切替温度の間に位置する場合、REON POCKET 4は稼働しない。そのため、不要な稼働を抑えることができるようになったのもポイント。本体のバッテリー強化とも相まって、従来よりも長く使い続けられる。
そして、今回からWARMモードにもスマート機能「SMART WARM」が追加された。REON POCKET TAGとの連携時にのみ利用可能で、「OPTION」からは温度の好みが5段階から選択できる。WARMモードの自動化には特に外気温の検知が重要で、例えば冬場にダウンなどを上に着込んでしまうと、本体側のセンサーだけではどうにも効果を発揮できなかったという。
ちなみに、REON POCKET TAGでは独自の温度補正のアルゴリズムも活用される。基本的には約5秒周期で外気温情報を連携しているとのことだが、内部の温度計だけで正しい温度を測るには、多少時間がかかる。特に利用数が多いと想定される都市圏は、温度差が激しいこともあり、アルゴリズムによる温度補正も加味することで、冷温機能をすぐに反応させられるよう工夫が凝らされている。
アルゴリズムによる補正がない場合、正確な温度検知には5分程度かかるとのこと。これではスマート機能を謳う速度感とは言えないだろう。その効果のほどはというと、感覚値では10秒から20秒ほどだろうか、特に暑くも寒くもなかった室内から屋外に出てみると、すぐに稼働し始め、アプリ画面の温度表示にも変化が現れた。
この温度表示、ただ可視化されただけといえばそうなのだが、つい見てしまう。Apple Watchからもアプリを開くと表示されるため、今何度くらいなんだろう? と思った時にぱっと確認できるのは、地味に嬉しい。
試した時は、SMART COOL⇔WARM MODEをオンにした状態で、REON POCKET TAGはカバンに取り付けた。屋外に出てすぐ「暑いな……」と感じた。温度表示を見てみると29度前後で、REON POCKET 4がすぐにCOOLモードとなり起動。冷んやりと首元から体をクールダウンさせてくれる。
しばらく歩いてみて、気づいたことが一つ。筆者はあまり時間に余裕を持って行動できない、ギリギリで生きているタイプなのだが、そうすると移動は必然的に急ぎ気味になってしまう。そのため、外気温はそこまで高くなくても体が熱くなってくる。
そんなこともあって、便利なスマート機能があるのに、結局アプリを開いてマニュアル操作してしまった(歩きスマホ注意)。こんなとき、Apple WatchのアプリでREON POCKET TAGで検知した温度・湿度表示だけでなく、モード切り替えなどの操作ができたら……と思った。
まあその前に、筆者のようにバタバタと動くことが多ければ外出時には「温度の好み」を普段より一つ強めにするか、心を入れ替えて5分前、いや10分前行動くらいの余裕をもちたい。
ちなみに今回、同時発表された専用ネックバンドのSMALLサイズを使用している。REON WIZで初登場したベージュカラーのネックバンドで、好評のため単体販売が決定したという。
着け比べてみると結構違いがあった。筆者としては、明らかにSMALLサイズの方が、REON POCKET 4の接触面を体にフィットさせやすく、首周りのバンド部も幅がちょうど良いことで、安定感を感じられた。女性ユーザーはぜひ、試してみてほしい。
駆動音については、SMART COOL⇔WARM MODEの使用で大きく気に掛かることはなかった。ただ、SMART COOLモードにしてターゲット温度を目指す際や、マニュアルのCOOLモードを使う場合には、自宅の静かな室内ならファンの音が聞こえているし、たとえば会社など空調ほかさまざまな音がしている環境であれば、耳を傾ければ聞こえてくる。
つまり、冷却の動作が始まれば少なくともファンの音はしている。人によって違いそうだが、移動中などはそのまま、室内に入って気になりだしたら、ノイズキャンセリングイヤホンなどで対応するのが今回も良さそうだ。
◇◇◇
進化を続ける「REON POCKET」シリーズ。今回は別体のセンシングデバイスを組み合わせるという新たな発想により、より正確な周辺温度の検知を実現し、REON POCKETの性能を最適な状態で発揮させられるようになった。
何より、「正確に検知」というのがとても重要。普段、スマホやスマートウォッチの天気情報で見る気温を見て、自分の感覚とギャップを感じることはないだろうか? 特に都市部は、アスファルトやコンクリートに囲まれていることから、体感温度との差が生まれやすいだろう。また、地面からの照り返しも、小さな子供と大人とでは、熱の感じ方は大きく異なる。
そうしたなか、体感温度に近い正確な情報を取得できることで、REON POCKETの性能を最適状態で発揮させることができ、冷暖房にありがちな冷えすぎ、暖めすぎなども防げるし、初代から掲げているコンセプトの一つでもある、省エネにもつながるはずだ。
COOLとWARMを自動的に切り替えられることで、夏場の屋外と室内はもちろん、寒暖差の激しい春、そして秋、冬と、活躍機会がさらに増えたのではないだろうか。
夏場に強い “着るクーラー” としての機能はもちろんありがたいが、夏だけのアイテムとせず、手に入れたからにはオールシーズンしっかりとフル活用したい。