公開日 2024/12/28 07:00
角野隼斗、星街すいせい、Creepy Nuts……オーディオ評論家が試聴に使った2024年の曲はこれだ!【Part.1】
評論家は「曲のどんなポイント」を聴いている?
2024年もあとわずか。今年も多くのオーディオ機器が登場し、ファイルウェブではたくさんの新製品レビューを掲載させていただきました。
「オーディオ」というとジャズやクラシックの名盤を聴くイメージが強いかもしれませんが、近年ではJ-POPやロック、アニソン、EDMなど「今の楽曲」で試聴を行うケースも少なくありません。
そこで、ファイルウェブにて記事を執筆いただいているオーディオ評論家の方々に、この1年間に登場した楽曲の中から、「特にオーディオ機器の試聴で使ったリファレンス曲」をピックアップしていただきました。
また、それぞれの楽曲の聴きどころや、どの部分でオーディオ機器のどんな性能が測れるかなど、オーディオ評論家ならではのリファレンスポイントの解説や、個人的な思い入れについてのコメントもいただきました。
そしてApple Musicにて、皆さんがピックアップした楽曲をまとめたプレイリストをご用意。(一部未配信の曲を除く)。店頭でイヤホンの試聴をする際や、お持ちのオーディオ機器の性能チェックをする際の参考として、ぜひご活用ください!
編注:ご執筆いただいた先生方は製品評価の際、今回ご紹介する楽曲以外にも往年の名盤、評価の高い高音質盤など幅広く使われており、ご紹介する楽曲のみで試聴を行っているわけではない旨ご承知いただけますと幸いです。
選考基準 ・2023年12月頃-2024年11月頃にかけてリリースされた、またはタイアップに使用されるなどで日の目を見た楽曲であること
※基準から外れているが取り上げたい曲がある場合、1曲までなら可
・選曲数は1人あたり最大3曲
・あくまで「オーディオ機器の試聴に用いた曲」であり、「オーディオ的に高音質か」は必ずしも重視しない
・CDやサブスク、ハイレゾなどの媒体形式は不問。ただし媒体形式もポイントとなる場合、その旨を記載する
山本敦先生が選ぶリファレンス曲
山本先生が執筆したレビュー記事はこちら
角野隼斗/ボレロ M.81
2024年は年初にピアニストの角野隼斗さんにインタビューの機会をいただき、直後の春には全国ツアーの東京公演にお邪魔しました。クラシックの名曲に、オリジナルの楽曲も織り交ぜながらオーディエンスとの距離をぐぐっと詰めてくるような角野さんのステージは、澄み渡る熱気に包まれているようでした。
10月にソニークラシカルからリリースされた角野さんのワールドワイド・デビューアルバムである本作では、あのコンサートの感動を真空パックにしたような鮮度の高い演奏がすべての楽曲で楽しめます。
中でもラヴェルの『ボレロ』が角野さんの真骨頂。本来は大きな編成のオーケストラで演奏する楽曲をピアニストが一人で弾ききる豪快で壮大なトラックです。1曲全体が聴きどころ。オーディオ機器の実力を丸裸にします。
milet/Anytime Anywhere
私の「2024年の漢字」は「芙莉蓮」です。フリーレン、中国語表記だとこうなるみたいです。長い出張に備えて、いつかは“服の汚れをきれいさっぱり落とす魔法”を習得したいと思っています。
「Anytime Anywhere」は、あまりにも作品の世界観にぴったり過ぎてアニメシリーズの2クールぶち抜きでエンディングに採用された楽曲。miletさんのしっとりとしたボーカルも最高です。この曲全体の温かみを素直に引き出せるオーディオを今年は善としました。
以下余談になりますが、YouTubeにはこの曲やアニメをリスペクトした手練れの演奏家によるバラエティに富んだ楽器の演奏が数え切れないほど転がっていて、見はじめると楽しくて止まらなくなります。
Giga & TeddyLoid meets 松田里奈 & 森田ひかる(櫻坂46)/ピッカーン!
この曲を聴いた瞬間、また自分の視野が広がったように思います。江戸時代に生きる緒方洪庵先生が、未来からタイムスリップしてきた南方仁の医術と出会った時の興奮のようでした。Gigaさん、TeddyLoidさんによる音楽の作り方は、私が知っている時代のそれとはだいぶ異なるように思います。
リズムに気を取られていたら濃厚なメロディがオーバーラップしてくる……。この曲の重厚な演奏がごちゃ混ぜになることなく、シャキッと立体的に描けるオーディオは数少ないと思っていました。ところが、先日ある未発表のワイヤレスイヤホンが驚くほどこの曲を悠々と鳴らし切ってくれました。2025年はとてもいい年を迎えられそうです。
「オーディオ」というとジャズやクラシックの名盤を聴くイメージが強いかもしれませんが、近年ではJ-POPやロック、アニソン、EDMなど「今の楽曲」で試聴を行うケースも少なくありません。
そこで、ファイルウェブにて記事を執筆いただいているオーディオ評論家の方々に、この1年間に登場した楽曲の中から、「特にオーディオ機器の試聴で使ったリファレンス曲」をピックアップしていただきました。
また、それぞれの楽曲の聴きどころや、どの部分でオーディオ機器のどんな性能が測れるかなど、オーディオ評論家ならではのリファレンスポイントの解説や、個人的な思い入れについてのコメントもいただきました。
そしてApple Musicにて、皆さんがピックアップした楽曲をまとめたプレイリストをご用意。(一部未配信の曲を除く)。店頭でイヤホンの試聴をする際や、お持ちのオーディオ機器の性能チェックをする際の参考として、ぜひご活用ください!
編注:ご執筆いただいた先生方は製品評価の際、今回ご紹介する楽曲以外にも往年の名盤、評価の高い高音質盤など幅広く使われており、ご紹介する楽曲のみで試聴を行っているわけではない旨ご承知いただけますと幸いです。
※基準から外れているが取り上げたい曲がある場合、1曲までなら可
・選曲数は1人あたり最大3曲
・あくまで「オーディオ機器の試聴に用いた曲」であり、「オーディオ的に高音質か」は必ずしも重視しない
・CDやサブスク、ハイレゾなどの媒体形式は不問。ただし媒体形式もポイントとなる場合、その旨を記載する
山本先生が執筆したレビュー記事はこちら
2024年は年初にピアニストの角野隼斗さんにインタビューの機会をいただき、直後の春には全国ツアーの東京公演にお邪魔しました。クラシックの名曲に、オリジナルの楽曲も織り交ぜながらオーディエンスとの距離をぐぐっと詰めてくるような角野さんのステージは、澄み渡る熱気に包まれているようでした。
10月にソニークラシカルからリリースされた角野さんのワールドワイド・デビューアルバムである本作では、あのコンサートの感動を真空パックにしたような鮮度の高い演奏がすべての楽曲で楽しめます。
中でもラヴェルの『ボレロ』が角野さんの真骨頂。本来は大きな編成のオーケストラで演奏する楽曲をピアニストが一人で弾ききる豪快で壮大なトラックです。1曲全体が聴きどころ。オーディオ機器の実力を丸裸にします。
私の「2024年の漢字」は「芙莉蓮」です。フリーレン、中国語表記だとこうなるみたいです。長い出張に備えて、いつかは“服の汚れをきれいさっぱり落とす魔法”を習得したいと思っています。
「Anytime Anywhere」は、あまりにも作品の世界観にぴったり過ぎてアニメシリーズの2クールぶち抜きでエンディングに採用された楽曲。miletさんのしっとりとしたボーカルも最高です。この曲全体の温かみを素直に引き出せるオーディオを今年は善としました。
以下余談になりますが、YouTubeにはこの曲やアニメをリスペクトした手練れの演奏家によるバラエティに富んだ楽器の演奏が数え切れないほど転がっていて、見はじめると楽しくて止まらなくなります。
この曲を聴いた瞬間、また自分の視野が広がったように思います。江戸時代に生きる緒方洪庵先生が、未来からタイムスリップしてきた南方仁の医術と出会った時の興奮のようでした。Gigaさん、TeddyLoidさんによる音楽の作り方は、私が知っている時代のそれとはだいぶ異なるように思います。
リズムに気を取られていたら濃厚なメロディがオーバーラップしてくる……。この曲の重厚な演奏がごちゃ混ぜになることなく、シャキッと立体的に描けるオーディオは数少ないと思っていました。ところが、先日ある未発表のワイヤレスイヤホンが驚くほどこの曲を悠々と鳴らし切ってくれました。2025年はとてもいい年を迎えられそうです。