ニュース
HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2017/04/25 15:00
セルロースナノファイバー振動板を採用
パイオニア、密閉型ヘッドホンのハイエンド機「SE-MONITOR5」。10万円前後
編集部:小澤貴信
オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、PIONEERブランドより、ハイクラスの密閉型ヘッドホン「SE-MONITOR5」を5月下旬より発売する。価格はオープンだが、10万円前後での実売が予想される。
昨年12月に開催された「ポタフェス」にて、“PIONEERブランドの密閉型ヘッドホンの高級モデル”として試作機が初公開(関連ニュース)。今回、本機が正式に発表されたかたちだ。
ドライバーには、独自開発の50mm径セルロースナノファイバー振動板を採用。ドライバーを保持するベースやハウジングには、剛性の高いマグネシウム合金が用いられた。低域の再現性向上のために、メイン/サブチャンバーの間に音響孔を設置したことも特徴だ。ハウジング内部にはディフューザーを設置して、より自然な響き狙っている。
ちなみに旗艦モデル「SE-MASTER1」ではアルミニウム振動板が用いられ、ハウジングなどにはアルミニウム合金が用いられていた。
また、ドライバーを背面から抱え込んでベースに強固に固定するフルバスケット方式や、ベースとハンガーの接合部をゴム部材で浮かせるフローティング方式を、SE-MASTER1から継承している。
イヤーパッドはベロアタイプとレザータイプの2種類を同梱。ケーブルは着脱式で、ヘッドホン側には3.5mm端子を採用。ケーブルは3種類を同梱しており、3.5mmステレオミニ端子ケーブル(3.0m/1.6m)と2.5mm4極バランス端子ケーブル(1.6m)が同梱される。再生周波数帯域は5Hz〜85kHz、インピーダンスは99dB、出力音圧レベルは99dB、質量は480g。
発表に先立ち、SE-MONITOR5のプレス向け説明会が開催。以下に、ここで紹介された本機の詳細を紹介していく。
■密閉型ハイエンド機としてパイオニア「MONITOR」が復活
SE-MONITOR5は、パイオニアのヘッドホンにおける密閉型モデルのトップエンドとなる。発表会では、本機の企画を担当した同社の佐藤美由起氏が製品の詳細について説明した。
これまでのパイオニアの“アッパークラス”ヘッドホンは、旗艦モデルとなる開放型SE-MASTER1(実売25万円前後)と、ハイレゾ対応の密閉型「SE-MHR5」(実売19,800円前後)の2機種。この状況に対して「密閉型のハイクラス機」「MASTER1とMHR5の中間を埋めるモデル」が欲しいという要望が多々あり、今回のSE-MONITOR5の開発に至ったという。
“MONITOR”という名前は、「MONITOR 10」をはじめとするパイオニアのかつてのヘッドホン銘機からとられたもの。かつてパイオニアは開放型モデルを「MASTERシリーズ」、密閉型モデルを「MONITORシリーズ」としてラインナップ。“MASTER”の名前は先行して「SE-MASTER1」として復活。続いて、密閉型の本機で「MONITOR」の名前が復活したかたちだ。
なお、今後パイオニアでは、「MASTER:ハイレゾ対応ハイクラス 開放型ヘッドホン」「MONITOR:ハイレゾ対応ハイクラス 密閉型ヘッドホン」と再定義してラインナップを展開していく予定だという。
■独自開発によるセルロースナノファイバー振動板を採用
ドライバーユニットは、セルロースナノファイバー振動板を使用した独自開発の50mmドライバーを搭載した。また、一般的なダイナミック型スピーカーと同様に振動板とエッジを分割したフリーエッジ構造を採用。エッジ部にはリニアリティが高く不要振動が少ないエストラマーを採用した。
オンキヨー&パイオニアは2015年にセルロースナノファイバーを使った振動板の開発に成功(関連ニュース)。先行してスピーカーシステム「SC-3」などで採用されてきたが、これがヘッドホンにも用いられたかたちだ。
セルロースナノファイバーは、植物由来のセルロースを加工した繊維素材。植物細胞壁の骨格成分を抽出したもので、ナノサイズまで細かくほぐすことで得られる。高剛性かつ軽量のため高域が伸びやすいことが特徴。また、繊維であるために一般的なフィルム振動板に加えて内部損失が大きいため、音の色付き(付帯音)が少ない傾向にある。
■ハウジングやベースには剛性が高いマグネシウム合金を採用
ハウジングおよびユニットを支えるベース部の素材には、剛性が高く共振が少ないマグネシウム合金を採用。これによりクリアでタイトな低域や見晴らしのよい空間再現力を可能にしたという。ハウジングの中央にはアルミ製のリングをあしらっているが、これがハウジング部の共振をさらに低減して中高域再生の高い分解能に貢献する。
ハウジング内のメインチャンバーとサブチャンバーの間にはアコースティックポート(音響孔)を設置して低域の再現性と遮音性を同時に向上させた。さらにメインチャンバーの内部にディフューザーを設置することで、ドライバー背面からの音を拡散。ハウジングの剛性も高め、より自然な響きを実現する。
ドライバーを背面から抱え込みベースに強固に固定するフルバスケット方式を採用。固定部品にマグネシウム合金を使用することで、不要共振のさらなる排除を目指した。
また、ドライバーを支えるベースとハンガーの連結部にゴム部材を用いてハウジングを“浮かせる”フローティング構造を用いて、左右の音の干渉を排除してセパレーションを高めた。いずれの技術もSE-MASTER1から継承したものだ。
■2種類のイヤーパッド、バランス対応を含む3種類のケーブルを同梱
イヤーパッドは頭の形状にフィットする立体形状を採用し、ベロアタイプとレザータイプの2種類を同梱する。ベロアタイプは「フラットでニュートラルな音場表現が可能で空間がより広い」傾向、レザータイプは「遮音性が向上して低域の表現が豊かになる」傾向とのこと。装着性や音の好みで使い分けることができる。
ケーブルは着脱式で、ヘッドホン側は3.5mm端子を採用(ちなみにSE-MASTER1はMMCX端子を採用)。ケーブルは全部で3種類を同梱。いずれもOFCによるリッツ線・ツイストタイプを用いたケーブルで、2.5mm 4極バランス端子/1.6m、3.5mステレオミニ端子/1.6m、3.5mステレオミニ端子/3.0mの3種類となる。
SE-MASTER5の設計やサウンドチューニングについては、SE-MASTER1も手がけた同社の瑤寺(たまでら) 晃氏が担当。サウンドチューニングは、発表会の直前まで行われていたという。結果として、会場に用意された外観最終サンプルはハウジング部の通気孔が3つだったが、これが製品版では5つへ変更。ベース部のホールの数も写真のサンプルでは2つだが、これが1つへと変更されている。
昨年12月に開催された「ポタフェス」にて、“PIONEERブランドの密閉型ヘッドホンの高級モデル”として試作機が初公開(関連ニュース)。今回、本機が正式に発表されたかたちだ。
ドライバーには、独自開発の50mm径セルロースナノファイバー振動板を採用。ドライバーを保持するベースやハウジングには、剛性の高いマグネシウム合金が用いられた。低域の再現性向上のために、メイン/サブチャンバーの間に音響孔を設置したことも特徴だ。ハウジング内部にはディフューザーを設置して、より自然な響き狙っている。
ちなみに旗艦モデル「SE-MASTER1」ではアルミニウム振動板が用いられ、ハウジングなどにはアルミニウム合金が用いられていた。
また、ドライバーを背面から抱え込んでベースに強固に固定するフルバスケット方式や、ベースとハンガーの接合部をゴム部材で浮かせるフローティング方式を、SE-MASTER1から継承している。
イヤーパッドはベロアタイプとレザータイプの2種類を同梱。ケーブルは着脱式で、ヘッドホン側には3.5mm端子を採用。ケーブルは3種類を同梱しており、3.5mmステレオミニ端子ケーブル(3.0m/1.6m)と2.5mm4極バランス端子ケーブル(1.6m)が同梱される。再生周波数帯域は5Hz〜85kHz、インピーダンスは99dB、出力音圧レベルは99dB、質量は480g。
発表に先立ち、SE-MONITOR5のプレス向け説明会が開催。以下に、ここで紹介された本機の詳細を紹介していく。
■密閉型ハイエンド機としてパイオニア「MONITOR」が復活
SE-MONITOR5は、パイオニアのヘッドホンにおける密閉型モデルのトップエンドとなる。発表会では、本機の企画を担当した同社の佐藤美由起氏が製品の詳細について説明した。
これまでのパイオニアの“アッパークラス”ヘッドホンは、旗艦モデルとなる開放型SE-MASTER1(実売25万円前後)と、ハイレゾ対応の密閉型「SE-MHR5」(実売19,800円前後)の2機種。この状況に対して「密閉型のハイクラス機」「MASTER1とMHR5の中間を埋めるモデル」が欲しいという要望が多々あり、今回のSE-MONITOR5の開発に至ったという。
“MONITOR”という名前は、「MONITOR 10」をはじめとするパイオニアのかつてのヘッドホン銘機からとられたもの。かつてパイオニアは開放型モデルを「MASTERシリーズ」、密閉型モデルを「MONITORシリーズ」としてラインナップ。“MASTER”の名前は先行して「SE-MASTER1」として復活。続いて、密閉型の本機で「MONITOR」の名前が復活したかたちだ。
なお、今後パイオニアでは、「MASTER:ハイレゾ対応ハイクラス 開放型ヘッドホン」「MONITOR:ハイレゾ対応ハイクラス 密閉型ヘッドホン」と再定義してラインナップを展開していく予定だという。
■独自開発によるセルロースナノファイバー振動板を採用
ドライバーユニットは、セルロースナノファイバー振動板を使用した独自開発の50mmドライバーを搭載した。また、一般的なダイナミック型スピーカーと同様に振動板とエッジを分割したフリーエッジ構造を採用。エッジ部にはリニアリティが高く不要振動が少ないエストラマーを採用した。
オンキヨー&パイオニアは2015年にセルロースナノファイバーを使った振動板の開発に成功(関連ニュース)。先行してスピーカーシステム「SC-3」などで採用されてきたが、これがヘッドホンにも用いられたかたちだ。
セルロースナノファイバーは、植物由来のセルロースを加工した繊維素材。植物細胞壁の骨格成分を抽出したもので、ナノサイズまで細かくほぐすことで得られる。高剛性かつ軽量のため高域が伸びやすいことが特徴。また、繊維であるために一般的なフィルム振動板に加えて内部損失が大きいため、音の色付き(付帯音)が少ない傾向にある。
■ハウジングやベースには剛性が高いマグネシウム合金を採用
ハウジングおよびユニットを支えるベース部の素材には、剛性が高く共振が少ないマグネシウム合金を採用。これによりクリアでタイトな低域や見晴らしのよい空間再現力を可能にしたという。ハウジングの中央にはアルミ製のリングをあしらっているが、これがハウジング部の共振をさらに低減して中高域再生の高い分解能に貢献する。
ハウジング内のメインチャンバーとサブチャンバーの間にはアコースティックポート(音響孔)を設置して低域の再現性と遮音性を同時に向上させた。さらにメインチャンバーの内部にディフューザーを設置することで、ドライバー背面からの音を拡散。ハウジングの剛性も高め、より自然な響きを実現する。
ドライバーを背面から抱え込みベースに強固に固定するフルバスケット方式を採用。固定部品にマグネシウム合金を使用することで、不要共振のさらなる排除を目指した。
また、ドライバーを支えるベースとハンガーの連結部にゴム部材を用いてハウジングを“浮かせる”フローティング構造を用いて、左右の音の干渉を排除してセパレーションを高めた。いずれの技術もSE-MASTER1から継承したものだ。
■2種類のイヤーパッド、バランス対応を含む3種類のケーブルを同梱
イヤーパッドは頭の形状にフィットする立体形状を採用し、ベロアタイプとレザータイプの2種類を同梱する。ベロアタイプは「フラットでニュートラルな音場表現が可能で空間がより広い」傾向、レザータイプは「遮音性が向上して低域の表現が豊かになる」傾向とのこと。装着性や音の好みで使い分けることができる。
ケーブルは着脱式で、ヘッドホン側は3.5mm端子を採用(ちなみにSE-MASTER1はMMCX端子を採用)。ケーブルは全部で3種類を同梱。いずれもOFCによるリッツ線・ツイストタイプを用いたケーブルで、2.5mm 4極バランス端子/1.6m、3.5mステレオミニ端子/1.6m、3.5mステレオミニ端子/3.0mの3種類となる。
SE-MASTER5の設計やサウンドチューニングについては、SE-MASTER1も手がけた同社の瑤寺(たまでら) 晃氏が担当。サウンドチューニングは、発表会の直前まで行われていたという。結果として、会場に用意された外観最終サンプルはハウジング部の通気孔が3つだったが、これが製品版では5つへ変更。ベース部のホールの数も写真のサンプルでは2つだが、これが1つへと変更されている。
関連リンク
- ジャンルヘッドホン(単体)
- ブランドPIONEER
- 型番SE-MONITOR5
- 発売日2017年5月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格10万円前後)
【SPEC】●型式:密閉型ダイナミック ●使用ドライバー:φ50mm(フリーエッジ構造採用) ●再生周波数帯域:5Hz〜85kHz ●最大入力:1000mW ●出力音圧レベル:99dB ●インピーダンス:40Ω ●質量:480g(コード含まず)