トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2017/09/06 13:40
ソニーにもメールインタビュー

次期Android“Oreo”が対応「LDAC」「aptX HD」はどのスマホで使えるようになるのか?

海上 忍

前のページ 1 2 3 次のページ

8月22日、Android Oがついに正式リリースされた。愛称は大方の予想どおり「Oreo」、すでに至るところで黒いクッキーを身にまとったドロイド君を見かける。しかし、オーディオファンの気になるところは"ハイレゾ相当"コーデックの扱いにあるはず。Android Oレポート2回目となる今回は、Android OにおけるLDACとaptX HDの位置付けについて解説する。


Android Oに見るLDACとaptX HDのこれから

Android OではLDACとaptX HDが使えるようになる、なぜならBeta版ではどちらも出力先の候に表示されたから……現状、これが多くのエンドユーザの認識ではないだろうか。確かに事実認識としては正しいが、やや本質を外している。

この2つのコーデックに関しては、エンコーダがAOSP(Android Open Source Project)へ寄贈された、すなわちエンコーダ部分のみオープンソース化された、と考えるのが正しい。AOSPのWEBサイトでソースコードを確認したところ、どちらのコーデックも2017年1月頃にApache License 2.0でオープンソース化されており、いまや誰でも(ライセンスの範囲内で)自由に改変および再配布が可能ということがわかる。

つまり、今後LDACとaptX HD ーー 実はaptXもあわせてオープンソース化されているのだが、ややこしくなるためaptX HDに集約して話を進める ーー に関しては、どのAndroidベンダーもコーデックとして利用できるということになる。

ここでひとつ確認しておきたいのが、LDACにせよaptX HDにせよ、エンコーダーのみがオープンソース化されたということだ。再生機器側に必要なソフトウェア(デコーダ)は引き続きプロプライエタリな技術であり、しかも多くの場合プログラマブルなチップ(SoC)に実装されているため、どのBluetooth機器でも再生できるというわけではない。ライセンス料という観点でいえば、エンコーダはオープンソース化もあり無料、デコーダーは引き続きライセンスが必要であり(契約内容は非開示なので推測だが)有料となる。

エンコーダーはオープンソース化されたが、端末側でサポートするかどうかはベンダーが決定するという点も理解しておきたい。確かにロイヤリティーは発生しないが、ベンダーがその端末をサポートするかぎりシステム(カスタマイズ版Android OS)をメンテナンスし続けなければならないため、管理コストは増える。対応するメリットがあると判断されないかぎり、ベンダーはLDAC/aptX HD対応を見送ることだろう。

実際、Android Oベータ版対象機「Nexus Player」はLDAC/aptX HDに対応していない。オーディオテクニカATH-DSR9BT(SBC/AAC/aptX/aptX HD対応機)で試したところ、SBCとAACで再生できるがaptX/aptX HDでは再生されず、開発者オプションにコーデックを手動で指定するためのオプションは存在しなかった。推測だが、Nexus Playerのベンダーは(この端末では)SBCとAACに対応していれば充分と判断したということだろう。

Nexus PlayerはLDAC/aptX HDに対応しないためか、開発者向けオプションにコーデックを選択する項目がない

端末ベンダーの判断となるが、Android OではLDAC/aptX/aptX HDで音声を出力できる(画面はNexus 7の開発者向けオプション)

ソニーにも聞いた。LDACはどのような場合に使えるのか

前のページ 1 2 3 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新

WEB