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公開日 2017/12/20 13:48
ギターアンプのディテールを継承

FenderのBluetoothスピーカー「MONTEREY」「NEWPORT」をギター好きライターがレビュー

高橋 敦

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Fenderから登場したBTスピーカー「MONTEREY」「NEWPORT」

パソコンやスマートフォンを発明したのはスティーブ・ジョブズ氏ではなく、彼よりも先に原型を生み出した発明者の功績を忘れてはならない。しかしそれらのフォーマットを完成させ、実用的な品質と現実的な価格の製品として提供し、その成功によって世界を変えたのは誰かとなれば、それはジョブズ氏だ。

突然に何の話かと困惑させてしまったかもしれない。エレクトリックギターとエレクトリックベース、そのためのギター/ベースアンプの歴史にさほど明るくないという方に向けてこう言いたかったのだ。ジョブズ氏の例と同じように、レオ・フェンダー氏なくしては、エレクトリックギターとエレクトリックベース、ギターアンプとベースアンプは、少なくとも現在のような形や規模では普及していなかった。そして「音楽の歴史を変えた」と言われる作品やライブパフォーマンスも、同じようには生まれていなかっただろう。

Fenderなくして、近代音楽の歴史や発展は語れない

レオ・フェンダーという人物、フェンダーというブランドは、ロック・ポップスをはじめとする近代の音楽全般にそれほどのレベルの影響を与えた存在だ。そして現在も、フェンダーの楽器を手にしたミュージシャンたちが新たな歴史を積み重ね続けている。

そのフェンダーは近年、「音楽を生み出す楽器」のみならず「音楽を届けるオーディオ」にも積極的な姿勢を見せてきている。順調にラインナップを増やしているイヤホンに続き、新たに登場したのがBluetoothスピーカーだ。

Fenderから登場したBluetoothスピーカー「MONTEREY」(写真後ろ/オンラインストア価格44,800円・税抜)、「NEWPORT」(写真手前/オンラインストア価格24,800円・税抜)

Fenderアンプのクラシカルなルックスを継承するビッグスピーカー「MONTEREY」、そしてFenderが1950年代から60年代に体現した先進的な未来感を想起させるルックスのミニタイプ「NEWPORT」。今回はこの2モデルの魅力を紹介していこう。

デザインから使い勝手まで、全てにFenderらしさが詰まったBluetoothスピーカー

まずはMONTEREYから。ただ、NEWPORTと機能や使い勝手の面で共通するポイントは多く、主にそちらに興味があるという方も通して読んでいただきたい。

先ほど「ビッグスピーカー」と表現したが、Bluetoothスピーカーとしては大型ということであり、ギターアンプと比べれば十分にコンパクトだ。Fenderの伝統的なギターアンプで言えば小型モデルの「Champ」と比べてもひと回りは小さい。ギターを趣味とする方の基準からすれば「置き場所はどうにかなる」程度だろう。

一番奥に置いてあるのがブラックフェイス期のビンテージギターアンプ「Champ」、手前下が「MONTEREY」

スピーカー単体でギターと並べると、ほとんどアンプのよう

Fenderアンプは年代ごとの外装の特徴によって分類があり、MONTEREYのルックスはブラックフェイス、シルバーフェイス、ツイードと呼ばれる、代表的なFenderアンプのデザインから、それぞれのエッセンスを“良いとこ取り”した印象だ。ブラックトーレックス張りで精悍に仕上げられたキャビネットや帽子型のハットノブはブラック&シルバーフェイスから、正面ではなく上面に配されたコントロールパネルや、パチンと倒すと宝石を模したジュエルランプが点灯するピン型電源スイッチはツイードから継承した要素だろう。

ノブやスイッチ類などはFenderアンプの代表的なデザインから踏襲されている

楽器の配置が見えるような、立体感あるサウンド

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