PHILE WEB

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2018/12/14 23:50
最先端カートリッジが生み出される現場に潜入

オルトフォン・ファクトリーツアー、デンマークの工場から届けられる「クオリティ」と想いを探る

季刊・アナログ編集部

前のページ 1 2 3 4 5 次のページ

■現在のアナログブームの裏にオルトフォンの姿あり

ナクスコウ駅から車で走ること数分。人里離れた場所にオルトフォンのオフィス兼工場がある。この建物のなかで、オーディオファンが手にするカートリッジが日々生産されている

1986年を境としてレコードはデジタルにとって変わられ、音楽再生のメインはCDへと完全に移り変わった。その当時を知る方に話を聞くと、多くのオーディオファンは「まさかアナログがもう一度盛り上がるなんて」と口を揃える。「これからはデジタル」と多くの企業が舵を切った時代だからこそ、当たり前といえば当たり前である。

しかしいま、世の中はアナログに注目し始めた。デジタルにはないモノとしての魅力、そしてアナログだからこその音の魅力。その理由はたくさんあるが、いまになってアナログに回帰できた理由そのものを考えてみると、いくつかのオーディオブランドに辿りつく。本項の主役、デンマークのオルトフォンは、そのなかでも最有力のブランドのひとつだ。

オルトフォンは、例え時代がデジタルとなっても「アナログこそ、音楽を再生するための最も最良の手段」という考えを曲げなかった。その後のDJブームでもオルトフォンは、音にこだわるDJ達から圧倒的な支持を獲得し、オーディオファンとDJの双方から憧れられる稀有な存在となったのである。

オルトフォンの製品ラインナップは驚異的なまでに広い。例えばこれからレコードを始めるという人であればエントリーの2Mシリーズ、オーディオマニアにとってはSPUやMC、そしてDJであればConcordeといったように、どんな人でも、レコードにさえ興味があればオルトフォンを手にすることができる。レコードにとって最も身近なブランドであり、最も憧れの対象となるブランド。それがオルトフォンの現在だ。

そんなオルトフォンが、まもなく100周年を迎える。設立された1918年当時の社名は「エレクトリカル・フォノフィルム・カンパニー」。当時は業務用の音響機器を開発していたそうだ。当時、音響機器は最先端技術の塊とも言うべき時代。1946年には初となるアナログレコード用機器を開発するなど、常に時代をリードする企業だった。この最先端に関わるマインドこそ、現在のオルトフォンを語る際には極めて重要なキーワードとなる。そんな「アナログの最先端」はどんな人々に支えられているか。幸運にも、そんな環境に触れる機会を得ることができた。

デンマークから送り出されるオルトフォンのカートリッジ

前のページ 1 2 3 4 5 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 ヨドバシcom、アップル製品など安い数量限定セール中。なくなり次第終了の在庫一掃コーナーも!
2 知ってた? iOS 18で登場した「操作ミスせず電源を切る」便利な方法
3 満場一致でVGP2025金賞! “トゥルーサウンド” に磨きをかけたBowers & Wilkins「Pi8」「Pi6」の魅力に迫る
4 <CES>新生オンキヨーの幹部を直撃!「伝統を継承しつつ無限の音の進化に挑む」。最新アンプ&アクティブSPの音も体験
5 Prime Video、日本の責任者に“入社以来エンタメ一筋”の大石圭介氏が就任
6 【ミニレビュー】高周波ノイズ対策のロングセラーアイテム。audioquest「JITTER BUG FMJ」
7 コルグ、Nutube真空管フォノアンプ搭載のポータブルレコードプレーヤー「handytraxx tube」
8 オンキヨー、HDMI搭載/ネットワーク対応ステレオプリメイン「TX-8470」。ティアックのオンラインストア限定発売
9 Shokz、オープンイヤー型TWS「OpenFit 2」が本日1/16発売。最新テクノロジー「DualBoost」を採用
10 すべてのレコード愛好家に送る。アース清浄化で音質改善、コード・カンパニー「フォノアレイ」クロスレビュー
1/21 10:40 更新

WEB