公開日 2018/12/19 06:15
[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第220回】ダイナミック型イヤホンの限界を引き上げるサウンド! FAudio「Major」が凄い
高橋 敦
香港から新たに上陸を果たしたイヤホンブランド「FAudio」。ラインナップの主力はマルチBAのカスタムIEMのようだが、ダイナミック型ドライバー搭載ユニバーサルイヤホンの「Major」もすごい!ダイナミック型二桁万円ハイエンドで久々に感じるレベルの驚きを与えてくれた。
とにかくこのモデルを早く紹介したいので、ブランド概要的なところはすっ飛ばさせていただく。気になる方はこちらを参照(関連記事「日本初上陸「FAudio」イヤホンのポイントをブランドマネージャーに聞く。3機種一斉レビューも」)。
実売14万5000円程度。この価格、シンプルに「それに見合うサウンドだから」だけでも納得できる。しかしこのモデル、加えて「そのサウンドを生み出すために、こういう技術や構造を開発・採用して、そのコストが云々」という説明要素にも事欠かないから、その説得力はさらに強い。
まずダイナミック型ドライバーの技術面での花形、振動板。こちらはメディカルファイバー素材の振動板とチタニウム素材の振動板の2種類を張り合わせた「ダブルレイヤー構造ダイヤフラム」だ!
……「ダブルレイヤー構造だ!の前に、『メディカルファイバー』って何だよ?」という話になるだろう。「メディカルファイバー」とは、人間の肌に近い質感を備える人工繊維素材で、名前の通り本来は医療向けに使われているものとのこと。入力に対して鋭くそして素直なレスポンスを得られ、振動板素材としても優れることから採用したのだそう。医療向けではあるものの一般的に、しかも安価に入手できるのも魅力だ。
安価に入手できる素材なら「ハイエンド価格」の理由付けにはならないのでは?と感じるかもしれないが、あくまでも素材としては安価という話。それをイヤホンの振動板に利用するという発想、前例のない素材で振動板を開発して製造するという技術的挑戦には、素材自体以上の価値やコストがある。
しかもこのモデルは、「チタニウム素材の振動板と張り合わせた『ダブルレイヤー構造』ダイヤフラム」だ。狙いはメディカルファイバーの「素直さ」「しなやかさ」等とチタンの「シャープさ」「剛性」等の合体!ということだろうが、発想は単純でも実際に張り合わせるとなると難しいこともあるだろう。チタンは単体でも加工が難しい部類の金属でもあるし。振動板口径は10.5mm。振動板剛性や装着感の確保なども含めてバランスの良い口径だと思う。
構造面では「トリプル・アコースティックチャンバー構造」がポイントだ。
ハウジング全体そしてドライバー背面に用意された「ダブル」空気室は、主にハウジング容積の最適化、ドライバー背面圧の調整がその役割と思われる。ダイナミック型ドライバーの振動板は、動作に伴って空気圧を受け、動きがぶれ、振動板の剛性がそれに負けてしまえば変形して音の乱れを生む。その空気圧をうまく調整したり逃したりするためのスペースを二重で用意しているわけだ。
とにかくこのモデルを早く紹介したいので、ブランド概要的なところはすっ飛ばさせていただく。気になる方はこちらを参照(関連記事「日本初上陸「FAudio」イヤホンのポイントをブランドマネージャーに聞く。3機種一斉レビューも」)。
実売14万5000円程度。この価格、シンプルに「それに見合うサウンドだから」だけでも納得できる。しかしこのモデル、加えて「そのサウンドを生み出すために、こういう技術や構造を開発・採用して、そのコストが云々」という説明要素にも事欠かないから、その説得力はさらに強い。
まずダイナミック型ドライバーの技術面での花形、振動板。こちらはメディカルファイバー素材の振動板とチタニウム素材の振動板の2種類を張り合わせた「ダブルレイヤー構造ダイヤフラム」だ!
……「ダブルレイヤー構造だ!の前に、『メディカルファイバー』って何だよ?」という話になるだろう。「メディカルファイバー」とは、人間の肌に近い質感を備える人工繊維素材で、名前の通り本来は医療向けに使われているものとのこと。入力に対して鋭くそして素直なレスポンスを得られ、振動板素材としても優れることから採用したのだそう。医療向けではあるものの一般的に、しかも安価に入手できるのも魅力だ。
安価に入手できる素材なら「ハイエンド価格」の理由付けにはならないのでは?と感じるかもしれないが、あくまでも素材としては安価という話。それをイヤホンの振動板に利用するという発想、前例のない素材で振動板を開発して製造するという技術的挑戦には、素材自体以上の価値やコストがある。
しかもこのモデルは、「チタニウム素材の振動板と張り合わせた『ダブルレイヤー構造』ダイヤフラム」だ。狙いはメディカルファイバーの「素直さ」「しなやかさ」等とチタンの「シャープさ」「剛性」等の合体!ということだろうが、発想は単純でも実際に張り合わせるとなると難しいこともあるだろう。チタンは単体でも加工が難しい部類の金属でもあるし。振動板口径は10.5mm。振動板剛性や装着感の確保なども含めてバランスの良い口径だと思う。
構造面では「トリプル・アコースティックチャンバー構造」がポイントだ。
ハウジング全体そしてドライバー背面に用意された「ダブル」空気室は、主にハウジング容積の最適化、ドライバー背面圧の調整がその役割と思われる。ダイナミック型ドライバーの振動板は、動作に伴って空気圧を受け、動きがぶれ、振動板の剛性がそれに負けてしまえば変形して音の乱れを生む。その空気圧をうまく調整したり逃したりするためのスペースを二重で用意しているわけだ。
独自開発のシリコンイヤーチップなど特徴多数。そのサウンドとは
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