公開日 2022/12/13 07:00
これぞ“ドブルベの現代版”だ
ラディウス「ドブルベ」が金属筐体・新型ユニットで新登場。“フェーズ2”と呼べる大進化の詳細を探る
野村ケンジ
1つのネットワーク回路で2枚の振動板を駆動する「ドブルベ」に、約5年ぶりの新製品が、しかも3種の金属筐体を纏って登場する。シンプルに見えてこだわり満載の開発背景と共にレビューをお届けしよう。
■1つのネットワーク回路で2枚の振動板を駆動する「ドブルベ」
有線イヤホンや完全ワイヤレスイヤホン、インラインDAC、スマートフォン用音楽アプリまで、幅広いオーディオ製品を手がける国産ブランド「ラディウス」。同ブランドを代表する有線イヤホン「ドブルベ」シリーズが、デザインの異なる「フェーズ2」と呼べる製品へと生まれ変わった。
しかも、グレードの異なる3モデル「HP-W300」「HP-W200」「HP-W100」が一挙にリリースされる。今回、そのドブルベシリーズ3モデルの開発サンプルを一堂に会して試聴できたうえ、同時にメーカーへのインタビューも叶ったので、開発背景と共に詳細なレビューをお届けしよう。
新シリーズの詳細に入る前に、ラディウスのドブルベシリーズについておさらいしておこう。そもそもドブルベとはフランス語の「W」をカタカナ表記したもので、1つのユニットに中低音域と高音域を担当する2つの振動板を配置した独自ドライバーが特徴。1つのネットワーク基板で2枚の振動板を駆動するので、クロスオーバー周波数の繋がりの違和感を緩和できることが大きなメリットとなる方式だ。
振動板はもちろん異なるが、それは初代モデル「HP-TWF11」から先代モデルまで受け継がれてきた。また、大口径ユニットをスマートに搭載すべく工夫に満ちた独創的な筐体デザインも好評を博していた。
■より自然な音を実現すべくセラミック素子を一新!
そんなドブルベが、シリーズ初となる金属筐体を採用してデザインを一新。さらにピエゾセラミックの開発で有名なオーツェイド株式会社の協力によって作り上げられた新型ユニットが搭載されることとなった。
「ドブルベシリーズはダイナミック型とピエゾセラミック型、2つの振動板を同軸に配置するドライバーユニットを搭載します。弊社が『DDM』と名付けたこのドライバー方式は、2015年発売の『HP-TWF31』『HP-TWF41』で初めて搭載しました。両製品のサウンドは大いに好評をいただきましたが、ピエゾにはさらなる可能性があると考え、試行錯誤していたときにセラミックのスペシャリストであるオーツェイドさんと出会い、ドライバー開発のアドバイスを受けることになりました。そして完成したのが2017年発売の『HP-TWF00』です」と、同社開発部長の中村 潤氏は、オーツェイド社と協業した背景を語ってくれた。
ドブルベシリーズは先代から約5年ぶりの新作ゆえに技術も大幅に進化。優れた変位特性をもつ新しいセラミック素子を採用した第3世代圧電セラミックトゥイーター「VST2」を搭載している。その狙いは「耳に刺さる高域」といわれる不協和音の発生源を抑制するためだったという。
またダイナミック型ドライバーも、筐体とのマッチングを考慮してHP-W300はチタンコート振動板を、HP-W200とHP-W100はグラフェンコート振動板を採用している。
HP-W300のドライバー構成
Wシリーズは共通して、ダイナミック型ドライバーの前方に音を透過するためにドーナツ状にしたセラミックトゥイーターをタンデム配置したDDM(Dual Diaphragm Matrix system)方式を採用する。この組み合わせは2015年に登場したHP-TWF31/HPTWF41の際に初採用されたもの。HP-W300ではドーム部をチタンコートしたダイナミック型を搭載するのが弟モデルとの差別化ポイントだ。
HP-W200のドライバー構成
HP-W200とHP-W100は、共通のDDM方式のドライバーを採用する。HP-W300にも搭載した9mm口径の新世代のセラミックトゥイーター「VST2」のほか、10mm口径のダイナミック型振動板にはグラフェンをコーティングしているのが特徴だ。HP-W200とHP-W100とでは、筐体が異なる以外にケーブル着脱の可否が差別化ポイント。ただその言葉以上に音の傾向が異なるので非常に面白い。
■1つのネットワーク回路で2枚の振動板を駆動する「ドブルベ」
有線イヤホンや完全ワイヤレスイヤホン、インラインDAC、スマートフォン用音楽アプリまで、幅広いオーディオ製品を手がける国産ブランド「ラディウス」。同ブランドを代表する有線イヤホン「ドブルベ」シリーズが、デザインの異なる「フェーズ2」と呼べる製品へと生まれ変わった。
しかも、グレードの異なる3モデル「HP-W300」「HP-W200」「HP-W100」が一挙にリリースされる。今回、そのドブルベシリーズ3モデルの開発サンプルを一堂に会して試聴できたうえ、同時にメーカーへのインタビューも叶ったので、開発背景と共に詳細なレビューをお届けしよう。
新シリーズの詳細に入る前に、ラディウスのドブルベシリーズについておさらいしておこう。そもそもドブルベとはフランス語の「W」をカタカナ表記したもので、1つのユニットに中低音域と高音域を担当する2つの振動板を配置した独自ドライバーが特徴。1つのネットワーク基板で2枚の振動板を駆動するので、クロスオーバー周波数の繋がりの違和感を緩和できることが大きなメリットとなる方式だ。
振動板はもちろん異なるが、それは初代モデル「HP-TWF11」から先代モデルまで受け継がれてきた。また、大口径ユニットをスマートに搭載すべく工夫に満ちた独創的な筐体デザインも好評を博していた。
■より自然な音を実現すべくセラミック素子を一新!
そんなドブルベが、シリーズ初となる金属筐体を採用してデザインを一新。さらにピエゾセラミックの開発で有名なオーツェイド株式会社の協力によって作り上げられた新型ユニットが搭載されることとなった。
「ドブルベシリーズはダイナミック型とピエゾセラミック型、2つの振動板を同軸に配置するドライバーユニットを搭載します。弊社が『DDM』と名付けたこのドライバー方式は、2015年発売の『HP-TWF31』『HP-TWF41』で初めて搭載しました。両製品のサウンドは大いに好評をいただきましたが、ピエゾにはさらなる可能性があると考え、試行錯誤していたときにセラミックのスペシャリストであるオーツェイドさんと出会い、ドライバー開発のアドバイスを受けることになりました。そして完成したのが2017年発売の『HP-TWF00』です」と、同社開発部長の中村 潤氏は、オーツェイド社と協業した背景を語ってくれた。
ドブルベシリーズは先代から約5年ぶりの新作ゆえに技術も大幅に進化。優れた変位特性をもつ新しいセラミック素子を採用した第3世代圧電セラミックトゥイーター「VST2」を搭載している。その狙いは「耳に刺さる高域」といわれる不協和音の発生源を抑制するためだったという。
またダイナミック型ドライバーも、筐体とのマッチングを考慮してHP-W300はチタンコート振動板を、HP-W200とHP-W100はグラフェンコート振動板を採用している。
Wシリーズは共通して、ダイナミック型ドライバーの前方に音を透過するためにドーナツ状にしたセラミックトゥイーターをタンデム配置したDDM(Dual Diaphragm Matrix system)方式を採用する。この組み合わせは2015年に登場したHP-TWF31/HPTWF41の際に初採用されたもの。HP-W300ではドーム部をチタンコートしたダイナミック型を搭載するのが弟モデルとの差別化ポイントだ。
HP-W200とHP-W100は、共通のDDM方式のドライバーを採用する。HP-W300にも搭載した9mm口径の新世代のセラミックトゥイーター「VST2」のほか、10mm口径のダイナミック型振動板にはグラフェンをコーティングしているのが特徴だ。HP-W200とHP-W100とでは、筐体が異なる以外にケーブル着脱の可否が差別化ポイント。ただその言葉以上に音の傾向が異なるので非常に面白い。