公開日 2023/05/19 06:30
使い勝手や質感も手堅く仕上げた中級機
“3代目”はClass Aアンプの音質が目玉!HiByのミドルクラスDAP「R6 III」をレビュー
海上 忍
DAP(デジタルオーディオプレーヤー)の概念を因数分解すると、「スマートデバイス」と「ヘッドホンアンプ」という項目を導き出せる。逆にいえば、この2つはDAPに欠かせない要素だが、どちらに軸足を置くかで機能的な意味での個性は変わる。そこにメーカーのポリシーと製品戦略があるというわけだ。
HiBy(ハイヴィ)は、2つの要素のうち前者を得意とするDAPブランドだ。2011年の創業からしばらくは他のオーディオメーカーにODMソフトウェアを供給、2017年に自社ブランドのHiByを起ち上げたという経緯から伺えるとおり、ソフトウェア開発力に強みを持つ。現在も開発現場で陣頭指揮をとる創業CEOの孟凡貴氏は、少年時代は電子工作に熱中していたという根っからのエンジニア、その技術的こだわりがHiBy製品の真骨頂といっていい。
今回紹介する「R6 III」は、HiByの名を一躍高めた銘機「R6」の3代目となるモデル。ESS製DACチップを左右各1基デュアル搭載というスタイルを踏襲し、PCM 768kHz/32bitおよびDSD 512のネイティブ再生に対応するES9038Q2Mを採用した。SoCはSnapdragon 665を採用、マシンパワーを要求するストリーミングアプリも余裕でこなす処理性能を備えている。
ソフトウェア面での特徴としては、OSにAndroid 12を採用したことが挙げられる。HiByは長らくAndroid 8.1に独自拡張を施した「HiBy OS」を採用してきたが、2022年末登場のフラグシップ「RS8」からAndroid 12に切り替えており、R6 IIIもそれに倣った格好だ。
ただし、Android OSのオーディオ的難所といえる強制サンプルレート変換を、サードパーティ製アプリを含めバイパスする「DTA(Direct Transport Architecture)」など、HiBy OSのアドバンテージは継承されており、HiByらしさは健在だ。
そしてR6 IIIには、「Class A」と「Class AB」という2系統のアンプを切り替える機能が用意されている。Class Aアンプといえば、2022年春登場のモデル「R5 Gen 2」で話題を集めたフィーチャーであり、R6 IIIではそれを強化発展させた格好。2基のOPA1652オペアンプと4基のELNA製キャパシタ、ハンドマッチングされた16基のトランジスタで構成され、ここに注目する向きも多いことだろう。
そう、R6 IIIはHiBy十八番のソフトウェア技術と、Class Aアンプの採用に象徴されるハードウェアへのこだわりが程よくバランスしたモデルなのだ。とはいえ結局は出てくる音次第のオーディオ機器であるだけに、どのような音を聴かせてくれるのか、グレイカラーのモデルでじっくり試聴してみることにしよう。
HiBy(ハイヴィ)は、2つの要素のうち前者を得意とするDAPブランドだ。2011年の創業からしばらくは他のオーディオメーカーにODMソフトウェアを供給、2017年に自社ブランドのHiByを起ち上げたという経緯から伺えるとおり、ソフトウェア開発力に強みを持つ。現在も開発現場で陣頭指揮をとる創業CEOの孟凡貴氏は、少年時代は電子工作に熱中していたという根っからのエンジニア、その技術的こだわりがHiBy製品の真骨頂といっていい。
今回紹介する「R6 III」は、HiByの名を一躍高めた銘機「R6」の3代目となるモデル。ESS製DACチップを左右各1基デュアル搭載というスタイルを踏襲し、PCM 768kHz/32bitおよびDSD 512のネイティブ再生に対応するES9038Q2Mを採用した。SoCはSnapdragon 665を採用、マシンパワーを要求するストリーミングアプリも余裕でこなす処理性能を備えている。
■3代目「R6」は、ソフトもハードも着実に進化
ソフトウェア面での特徴としては、OSにAndroid 12を採用したことが挙げられる。HiByは長らくAndroid 8.1に独自拡張を施した「HiBy OS」を採用してきたが、2022年末登場のフラグシップ「RS8」からAndroid 12に切り替えており、R6 IIIもそれに倣った格好だ。
ただし、Android OSのオーディオ的難所といえる強制サンプルレート変換を、サードパーティ製アプリを含めバイパスする「DTA(Direct Transport Architecture)」など、HiBy OSのアドバンテージは継承されており、HiByらしさは健在だ。
そしてR6 IIIには、「Class A」と「Class AB」という2系統のアンプを切り替える機能が用意されている。Class Aアンプといえば、2022年春登場のモデル「R5 Gen 2」で話題を集めたフィーチャーであり、R6 IIIではそれを強化発展させた格好。2基のOPA1652オペアンプと4基のELNA製キャパシタ、ハンドマッチングされた16基のトランジスタで構成され、ここに注目する向きも多いことだろう。
そう、R6 IIIはHiBy十八番のソフトウェア技術と、Class Aアンプの採用に象徴されるハードウェアへのこだわりが程よくバランスしたモデルなのだ。とはいえ結局は出てくる音次第のオーディオ機器であるだけに、どのような音を聴かせてくれるのか、グレイカラーのモデルでじっくり試聴してみることにしよう。
デザインを含めた操作性、Class A/ABアンプの音質を順にチェック
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