<山本敦のAV進化論 第58回>スマート機能の全貌を紹介
Googleとソニーがともに開発、「Android TV」で“BRAVIA”はどう進化した?
当然ながらAndroid搭載BRAVIAは、インターネットにつないだ方がエンタテインメントのバラエティは一気に広がる。ソニーの独自調査ではBRAVIAのインターネット接続率が年々高まっているというデータもあるようで、Android TVの話題性をフックに、テレビのインターネット接続率をもっとアップさせたいという思惑もあったようだ。
「これまでにもインターネットに関連する機能やサービスの開発に、積極的に取り組んでおり、より簡単に使えるようにするための機能改善は意識して行ってきました。Andorid TVを採用したことが、インターネット接続をより身近にするきっかけになれば嬉しく思います」(伏見氏)
「テレビは本来、ソファでゆったりと楽しむものです。テレビらしい使い勝手を意識しながら、情報端末としてではなく、エンターテインメント機器としてインターネットまわりの機能を簡単に使ってもらえるよう磨きをかけてきました。プラットフォームをスマートOSに変えることで楽しめるサービスや機能を、難しくしなく使えるようにするというゴールに向けて、グーグルとソニーで目線の高さを合わせながら開発が進められました」(長尾氏)。
■新しいホーム画面の構成要素
Android TV搭載のBRAVIAには、直感的な操作ができるタッチパッドリモコンと、従来のスタイルに近いバータイプの赤外線リモコンの2つが同梱される。それぞれのリモコンには「ホーム」ボタンが設けられており、これを押すことでAndroid TVベースのホーム画面が立ち上がる。新ホーム画面の構成要素をひとつずつ確認していこう。
トップの位置には「おすすめ動画」カードが並ぶ。本体にインストールされたアプリからの通知が並ぶ場所で、最新のカードが一番左側に来る仕様になっている。ちなみに初期状態では「BRAVIAからのお知らせ」として、タッチパッドリモコンの使い方をはじめとする操作ガイドがここに並ぶ。
「テレビを見る」というカードを選択すると放送のチューナーに移動する。ちなみにホーム画面上のメニューからテレビ視聴に移動する際には、画面を下にスクロールすると表示される「入力切り換え」から「地デジ」「BS」などを選べばそれぞれの放送の画面に飛べる。もちろん従来通りリモコンからチャンネルを選局するだけでもOKだ。
その下に並ぶ「おすすめアプリ」については、ユーザーがまだインストールしていないアプリの中から、ソニーがレコメンド中のアプリのアイコンがマッシュアップ表示される。更新頻度は未定だが、ランダムに切り替わる仕様になる。アイコンを選択すればGoogle Playストアのアプリ詳細ページに遷移する。
テレビ本体には全16GBのメモリーが内蔵されているが、アプリをインストールできる領域はそのうちファームウェアが占める領域を除く8〜9GB前後。内蔵メモリーに音楽や動画ファイルを保存しておくことはできないが、テレビで動画や音楽を再生する方法はまたあとで説明する。
アプリの中には「PlayStation Video」や「niconico」「GYAO!」などAndroidネイティブのものもあれば、一部「ベルリン・フィル デジタル・コンサートホール」や「アクトビラ」「TSUTAYA TV」「DMM.com」などHTML5ベースで開発されるWebアプリもある。Webアプリの場合はアイコンを選択するとそのままサービスサイトに遷移する。
なお今回の取材時点では、まだアクトビラやTSUTAYA TVのメニューが完成していなかったが、「テレビの発売後に準備が整い次第追加されますので、これまで該当するVODチャンネルを活用されていた方も安心して欲しい」と伏見氏は説明する。コンテンツの準備状況についてはBRAVIAの公式サイトでも案内される。
■動画や音楽、写真は「アプリで再生」
続く「入力切り替え」の段からは地デジやBSなど放送波の視聴、ならびにテレビにHDMIやアナログ映像端子経由で接続されている外部機器のソースの切り換えがコントロールできる。もっとも、赤外線リモコンで操作した方が手っ取り早いかもしれない。