【特別企画】実録:ネットオーディオガチ鼎談
高級オーディオNAS “fidata”「HFAS1」開発の裏側に迫る!アイ・オー&土方久明が本音でNAS談義
■fidataの今後の展開をこっそり聞く。「USB-DAC対応」と「RAIDモード変更」
土方: では最後に、HFAS1シリーズの今後のビジョンについて、今言えるところまで教えて下さい。
開口: どこまで言いましょうか(笑)
土方: あ!やっぱり色々考えてるんですね!
北村: 最近のアップデートでは、RAIDモードを変更できるようになりました。HDDモデルではミラーリング設定で、2分の1の容量に固定されているため「ストレージ容量をフルで使えるようにしたい」という声が多かったので、それに応えることにしました。さらにストライピングもセッティングできるようにして、最初にどのRAIDでフォーマットするかを選択できるようにしています。これは12月2日にアップデートを提供開始しました。さらに、アルバムアートの自動高解像度表示も実装されました(→詳細はこちら)。
開口: それと、USB-DAC対応の開発を進めています。販売店では今でもCDプレーヤーの売れ行きがある中で、USB-DAC付きCDプレーヤーとオーディオNASを組み合わせた販売ニーズがあるようです。実際に販売店さんからHFAS1でそういったお話を頂くことも多いので、積極的に進めていきたいなと。
土方: それは嬉しいですね。ちなみにずっと思ってたんですが、SSDとHDDを組み合わせて、それを各々1ドライブとして使用するという仕様は可能なんですか?
北村: つまり、1台のHFAS1の中にSSDとHDDを1台ずつ入れるということですよね? 実は簡単に試作してみたことはありますよ(笑)
開口: 製品化というよりは、デモ用で。両方入れたHFAS1で比較デモをできないかと思って試してみたんです。「40周年記念モデルで」なんて冗談も社内ではありましたが、製品化は…今のところありません(笑)
土方: あ! そうか! アイ・オー・データも創立40周年ですもんね。40周年記念、面白いですって(笑)。
お決まりの文句ではあるが、ネットワークオーディオの構成をセパレートCDプレーヤーに置き換えると、NASがトランスポート、プレーヤーがUSB-DACの役割を持っていると言える。それにユーザーが気づいていき、NASに対して音質を求める意識は今後さらに高まっていくだろう。実際にここ1年余りで発売されたハイエンドオーディオNASは、実にクオリティが上がっている。
そして今回話を伺ったfidata HFAS1は音質のレベルが高く、かつ機能的な部分にも配慮されており、そのようなユーザーニーズに応える素晴らしいNASだ。今回のインタビュー終盤で明かされたUSB-DAC対応や、ストレージのカスタマイズなども含め、今後どんな展開をしていくのか期待したい。
●土方 久明
ハイレゾを始めとするデジタルファイル再生に精通する次世代の評論家。10月に行われたオーディオショー「オーディオ・ホームシアター展2015(音展)」では、評論家として最多講演数を誇る。実は大のアナログファンでもある。