「50周年モデルだからこそ、妥協は一切存在しなかった」

KEFの最高技術責任者、マーク・ドット氏が語る「LS50」開発秘話

公開日 2013/01/23 15:13 ファイル・ウェブ編集部
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“音”に何よりこだわったDAC内蔵パワードスピーカー「X300A」

ドット氏は、KEF初となるUSB-DAC搭載パワードスピーカーX300Aについても語ってくれた。本機は96kHz/24bitまでのハイレゾ音源に対応し、アシンクロナス接続対応のUSB-DACを搭載しつつ、6万円台という価格を実現した戦略的なモデルだ。

「X300A」

「ハイレゾ音源の配信やUSBオーディオの普及などある程度、いわゆるネットオーディオの環境が整ってきた中で、KEFとしてもコンピューターを基準としたシステムを提供したいと考えました。X300Aにおけるキーワードは<Hi-Fi for Your Computer>です。文字通り、パソコンでHi-Fiを”手軽に”楽しむことを目的としています」(ドット氏)

なおKEFは、BBCモニター用にパワードスピーカーを作っている。その代表的なモデルが1982年に登場した「KM1」で、アンプ内蔵型を開発するノウハウは十分に持っていたのだという。

「X300Aは、まず何より音にこだわっています。USB-DACは96kHz/24bitに加え、アシンクロナス転送に対応し、ジッターを抑制しての高音質再生が可能です。スピーカー自体も、左右をまったく同一にするということを最優先しています。結果、電源やアンプなどが左右にそれぞれ、まったく同一の仕様で搭載されています。片チャンネルのみアンプの搭載されたパワードスピーカーというのがよくありますが、スピーカー開発者の立場からすると、左右のチャンネルで空気の容積が異なるスピーカーなど論外です。そんなものは絶対に許せません(笑)」。

搭載するアンプをアナログ方式にすることにもこだわった。確かに、デジタルアンプを使えばコストは抑えられ、ヒートシンクが不要になるなどスペース面でも融通は利く。しかし、現時点で、デジタルアンプではKEFが理想とする音からすると面白みのない音になってしまったのだという。本機には、歪の少ないクラスAB型のアンプがバイアンプ用に各チャンネル2基ずつ搭載されている。

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