DCD-SX11と共に新・音質担当が手がけたモデル
デノン、11年ぶり刷新の“11シリーズ”プリメイン「PMA-SX11」 - CR型フォノイコを旗艦機から継承
デノンは、11年振りに“11シリーズ”を刷新したAdvanced UHC-MOSシングルプッシュプル回路搭載のプリメインアンプ「PMA-SX11」を、10月中旬より発売する。価格は380,000円(税抜)。なお、同時に発表された11シリーズのUSB-DAC搭載SACDプレーヤー「DCD-SX11」の詳細はこちら。
デノンは、旗艦プリメインアンプ「PMA-SX1」(関連ニュース)を昨年発売した。PMA-SX11は、このPMA-SX1からAdvanced UHC-MOSによるシングルプッシュプル回路を継承。一方でPMA-SX1がBTL構成で出力50W+50W(8Ω)だったのに対し、本機はアンバランス回路構成とすることで出力を120W+120W(8Ω)、240W+240W(4Ω)としている。PMA-SX1と同様にMC/MM対応のCR型フォノイコライザーを搭載したことも大きな特徴だ。以下にその詳細を紹介していく。
製品発表に先立ち、ディーアンドエムホールディングスはプレス向け発表会を開催。冒頭では同社取締役の中川圭史氏が挨拶し、「デノンのHi-Fiコンポーネントは2013年登場のDCD-SX1、昨年2014年登場のPMA-SX1とフラグシップを更新してきましたが、2012年で販売を終了していた11シリーズについても待望の復活を果たすことになりました。PMA-SX11、DCD-SX11共に、100年にわたる歴史を持つオーディオブランドとして、コンテンツの魅力を余すことなく再現可能とする“進化するクオリティー”を実現できたと自負しています」とコメントした。
■11シリーズは新・音質担当の山内氏が本格的に手がけた初のモデル
今回の「11シリーズ」よりデノンの音質担当が交代したことも発表。これまで同職を努めた米田 晋氏が昨年定年退職となったのに伴い、新たに山内慎一氏が音質担当に就任した。発表会にて山内氏は11シリーズのサウンドコンセプトを紹介。11シリーズは、旗艦モデル「SX1」のコンセプトである「シンプル&ストレート」を継承しつつ、アッパーミドルクラス以上の価格帯における最強のパフォーマンスを目指して音質開発を行ったとのこと。
また、デノンのサウンドは繊細さと力強さ、正確さと安定感の実現を旨としていると改めて言及。11シリーズにおいてもそれは同様で、さらにはSX1のスケールダウンモデルを作ろうと意図はまったくなかったという。そして11シリーズでは特に「スケール感やダイナミズムを感じさせる音」を狙ったという。山内氏が目指した11シリーズのサウンドの詳細については後述する。
■旗艦モデルと同様に、Advanced UHC-MOSによるシングルプッシュプル回路を採用
発表会には福島県・新白河のデノンの開発拠点から各モデルの開発者が来場。プリメインアンプ「PMA-SX11」については、設計を担当した新井孝氏がその詳細を説明してくれた。なお、新井氏は旗艦モデル PMA-SX1の開発も手がけた人物だ。
本機最大の特徴は、Advanced UHC-MOSをシングルプッシュプル構成で用いるシンプルなアンプ回路の搭載だ。多数の素子を並列駆動して大電流を得る手法において問題となる素子の性能のばらつきを解決するため、旗艦モデルPNA-SX1と同様に、1ペアという最小単位の素子によって増幅を行うシングルプッシュプル回路とした。シングルプッシュプル構成は、デノンがこれまでの上位Hi-Fiアンプで一貫してこだわってきた手法でもある。
PMA-SX11で採用されたMOS-FETは、旗艦モデルDCD-SX1と同一のもの。瞬時供給電流は280Aで、PMA-SA10(PMA-SX11の前モデルにあたる)の120Aと比較して倍増されている。本機ではこのMOS-FETを、カスコードブートストラップ回路によってドレイン・ソース間電圧を一定として安定した状態で使用している。
カスコードストラップ回路とは一種の低電圧電源。MOS-FETはドレイン・ソース間の電圧によって特性が変わってしまうという性質を持つため、常に安定した状態でMOS-FETをドライブするためには、カスコードブートストラップ回路を用いてドレイン・ソース間電圧を一定に保つ必要があるのだという。
前述の通り、同様のUHC-MOSを採用してのシングルプッシュプル構成ではあるが、PMA-SX1は出力段がBTL構成だったのに対して、PMA-SX11はアンバランス構成としている。しかし、そのために定格出力はPMA-SX1が50W+50W(8Ω)だったのに対し、PMA-SX11は120W+120W(8Ω)となった。よって、ブックシェルフタイプなどより能率の低いスピーカーとの組み合わせについては、PMA-SX11のほうが好適な場合もあるとのことだ。
デノンは、旗艦プリメインアンプ「PMA-SX1」(関連ニュース)を昨年発売した。PMA-SX11は、このPMA-SX1からAdvanced UHC-MOSによるシングルプッシュプル回路を継承。一方でPMA-SX1がBTL構成で出力50W+50W(8Ω)だったのに対し、本機はアンバランス回路構成とすることで出力を120W+120W(8Ω)、240W+240W(4Ω)としている。PMA-SX1と同様にMC/MM対応のCR型フォノイコライザーを搭載したことも大きな特徴だ。以下にその詳細を紹介していく。
製品発表に先立ち、ディーアンドエムホールディングスはプレス向け発表会を開催。冒頭では同社取締役の中川圭史氏が挨拶し、「デノンのHi-Fiコンポーネントは2013年登場のDCD-SX1、昨年2014年登場のPMA-SX1とフラグシップを更新してきましたが、2012年で販売を終了していた11シリーズについても待望の復活を果たすことになりました。PMA-SX11、DCD-SX11共に、100年にわたる歴史を持つオーディオブランドとして、コンテンツの魅力を余すことなく再現可能とする“進化するクオリティー”を実現できたと自負しています」とコメントした。
■11シリーズは新・音質担当の山内氏が本格的に手がけた初のモデル
今回の「11シリーズ」よりデノンの音質担当が交代したことも発表。これまで同職を努めた米田 晋氏が昨年定年退職となったのに伴い、新たに山内慎一氏が音質担当に就任した。発表会にて山内氏は11シリーズのサウンドコンセプトを紹介。11シリーズは、旗艦モデル「SX1」のコンセプトである「シンプル&ストレート」を継承しつつ、アッパーミドルクラス以上の価格帯における最強のパフォーマンスを目指して音質開発を行ったとのこと。
また、デノンのサウンドは繊細さと力強さ、正確さと安定感の実現を旨としていると改めて言及。11シリーズにおいてもそれは同様で、さらにはSX1のスケールダウンモデルを作ろうと意図はまったくなかったという。そして11シリーズでは特に「スケール感やダイナミズムを感じさせる音」を狙ったという。山内氏が目指した11シリーズのサウンドの詳細については後述する。
■旗艦モデルと同様に、Advanced UHC-MOSによるシングルプッシュプル回路を採用
発表会には福島県・新白河のデノンの開発拠点から各モデルの開発者が来場。プリメインアンプ「PMA-SX11」については、設計を担当した新井孝氏がその詳細を説明してくれた。なお、新井氏は旗艦モデル PMA-SX1の開発も手がけた人物だ。
本機最大の特徴は、Advanced UHC-MOSをシングルプッシュプル構成で用いるシンプルなアンプ回路の搭載だ。多数の素子を並列駆動して大電流を得る手法において問題となる素子の性能のばらつきを解決するため、旗艦モデルPNA-SX1と同様に、1ペアという最小単位の素子によって増幅を行うシングルプッシュプル回路とした。シングルプッシュプル構成は、デノンがこれまでの上位Hi-Fiアンプで一貫してこだわってきた手法でもある。
PMA-SX11で採用されたMOS-FETは、旗艦モデルDCD-SX1と同一のもの。瞬時供給電流は280Aで、PMA-SA10(PMA-SX11の前モデルにあたる)の120Aと比較して倍増されている。本機ではこのMOS-FETを、カスコードブートストラップ回路によってドレイン・ソース間電圧を一定として安定した状態で使用している。
カスコードストラップ回路とは一種の低電圧電源。MOS-FETはドレイン・ソース間の電圧によって特性が変わってしまうという性質を持つため、常に安定した状態でMOS-FETをドライブするためには、カスコードブートストラップ回路を用いてドレイン・ソース間電圧を一定に保つ必要があるのだという。
前述の通り、同様のUHC-MOSを採用してのシングルプッシュプル構成ではあるが、PMA-SX1は出力段がBTL構成だったのに対して、PMA-SX11はアンバランス構成としている。しかし、そのために定格出力はPMA-SX1が50W+50W(8Ω)だったのに対し、PMA-SX11は120W+120W(8Ω)となった。よって、ブックシェルフタイプなどより能率の低いスピーカーとの組み合わせについては、PMA-SX11のほうが好適な場合もあるとのことだ。
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