DCD-SX11と共に新・音質担当が手がけたモデル
デノン、11年ぶり刷新の“11シリーズ”プリメイン「PMA-SX11」 - CR型フォノイコを旗艦機から継承
■新サウンドマネージャーが目指した11シリーズの音作りとは
新たな“11シリーズ”として登場したPMA-SX11およびDCD-SX11は、デノンの音質担当に新たに就任した山内氏が本格的に手がけた初のモデルとしても注目される。発表会で山内氏は、「デノンサウンド」を改めて定義しつつ、11シリーズで狙った音作りについて詳細に説明してくれた。
山内氏はデノンサウンドについて、前述のように「繊細さと力強さ、正確さと安定感の実現」を目指していると語る。それは当然、旗艦モデルであるPMA-SX1/DCD-SX1においても徹底された思想だ。しかし11シリーズにおいては、PMA-SX1/DCD-SX1のサウンドをスケールダウンしたものを作ろうという意図は当初からなかったという。「11シリーズで目指したのは、クラス最高のスケール感、そしてダイナミズムを感じさせる音です」と山内氏は説明する。
山内氏はこの「スケール感、ダイナミズム」について一歩踏み込んだ具体的な説明を行った。そこからは、新・音質担当として改めてデノンの目指す音について再定義して明らかにしたいという意図が感じられ、印象的だった。以下に山内氏の説明を記す。
「音質を語るためには様々な表現があります。例えば繊細さ、ニュアンス、立体感・・・いろいろな言葉がありますよね。こうした言葉が表す要素はお互い密接に関わり、表裏一体を為しています。この辺りのニュアンスを正確に伝えるのは非常に難しいですが、11シリーズにおいて、どのような点に着目してサウンドチューニングをしたのか、あえてそこに踏み込んで説明したいと思います」。
「まず繊細さ、ニュアンス、空気感といった言葉で表される要素を、バランスをとったり平坦化するのではなく、分解能にさらに一歩踏み込みこむことで再現したいと考えました。その点はフラグシップ機と同様です」。
「もうひとつは付帯音の少ないワイドレンジなサウンドです。それは『余計なものがないこと』であり、まさに『ピュア』という表現がそれを表しています。そして『余計なものがないこと』であり『ピュア』であることが、フラットかつワイドレンジな再現につながります」。
「そしてフラットかつワイドレンジであることが、音楽の起伏、コントラストをもたらします。それはある帯域が強調されることで表現されることではないのです。音楽的な時間軸のうねり、とも言えるでしょう。音楽のある瞬間を切り取ってみてたとき、様々な楽器が、様々な方向から鳴っていますが、余計なものがあるとそういった要素は見えなくなるります。ピアニッシモ、フォルテシモといった表現もこの起伏やコントラストに当てはまります」。
「そして、この起伏やコントラストから出てくるのが鮮明さです。別な言葉で言えば『フレッシュ』『鮮度感』です。11シリーズでは、こういったところを大切にしているのです。そして起伏、コントラストが表現できれば、ここをベースとした力強さを表現できます。これらがスケール感、ダイナミズムに繋がっていくのです」(以上、山内氏)。
■ファン待望となる11年振りの“11シリーズ”
発表会の冒頭では、デノンのマーケティング担当である宮原氏が、11シリーズの系譜について改めて説明した。デノンはSACDプレーヤーの旗艦モデル「DCD-SX1」を2013年に発売、プリメインアンプの旗艦モデル「PMA-SX1」を2014年に発売した。しかし、フラグシップモデルと、20万円前後の価格帯である2000/1650シリーズの間を埋める11シリーズは、2012年のDCD-SA11/PMA-SA11の発売終了から空白となっていた。
しかし、20〜30万円の価格帯のHi-Fi製品は、プリメインアンプについては1997年発売のPMA-S10IIから、ディスクプレーヤーとしては1994年発売のDCD-S10からの系譜として、DCD-SA11/PMA-SA11に至るまで高い人気を誇っていたシリーズであった。その価格帯に今回、デノンとして11年振りの11シリーズとなるPMA-SX11、DCD-SX11が投入されたのである。
(編集部:小澤貴信)
新たな“11シリーズ”として登場したPMA-SX11およびDCD-SX11は、デノンの音質担当に新たに就任した山内氏が本格的に手がけた初のモデルとしても注目される。発表会で山内氏は、「デノンサウンド」を改めて定義しつつ、11シリーズで狙った音作りについて詳細に説明してくれた。
山内氏はデノンサウンドについて、前述のように「繊細さと力強さ、正確さと安定感の実現」を目指していると語る。それは当然、旗艦モデルであるPMA-SX1/DCD-SX1においても徹底された思想だ。しかし11シリーズにおいては、PMA-SX1/DCD-SX1のサウンドをスケールダウンしたものを作ろうという意図は当初からなかったという。「11シリーズで目指したのは、クラス最高のスケール感、そしてダイナミズムを感じさせる音です」と山内氏は説明する。
山内氏はこの「スケール感、ダイナミズム」について一歩踏み込んだ具体的な説明を行った。そこからは、新・音質担当として改めてデノンの目指す音について再定義して明らかにしたいという意図が感じられ、印象的だった。以下に山内氏の説明を記す。
「音質を語るためには様々な表現があります。例えば繊細さ、ニュアンス、立体感・・・いろいろな言葉がありますよね。こうした言葉が表す要素はお互い密接に関わり、表裏一体を為しています。この辺りのニュアンスを正確に伝えるのは非常に難しいですが、11シリーズにおいて、どのような点に着目してサウンドチューニングをしたのか、あえてそこに踏み込んで説明したいと思います」。
「まず繊細さ、ニュアンス、空気感といった言葉で表される要素を、バランスをとったり平坦化するのではなく、分解能にさらに一歩踏み込みこむことで再現したいと考えました。その点はフラグシップ機と同様です」。
「もうひとつは付帯音の少ないワイドレンジなサウンドです。それは『余計なものがないこと』であり、まさに『ピュア』という表現がそれを表しています。そして『余計なものがないこと』であり『ピュア』であることが、フラットかつワイドレンジな再現につながります」。
「そしてフラットかつワイドレンジであることが、音楽の起伏、コントラストをもたらします。それはある帯域が強調されることで表現されることではないのです。音楽的な時間軸のうねり、とも言えるでしょう。音楽のある瞬間を切り取ってみてたとき、様々な楽器が、様々な方向から鳴っていますが、余計なものがあるとそういった要素は見えなくなるります。ピアニッシモ、フォルテシモといった表現もこの起伏やコントラストに当てはまります」。
「そして、この起伏やコントラストから出てくるのが鮮明さです。別な言葉で言えば『フレッシュ』『鮮度感』です。11シリーズでは、こういったところを大切にしているのです。そして起伏、コントラストが表現できれば、ここをベースとした力強さを表現できます。これらがスケール感、ダイナミズムに繋がっていくのです」(以上、山内氏)。
■ファン待望となる11年振りの“11シリーズ”
発表会の冒頭では、デノンのマーケティング担当である宮原氏が、11シリーズの系譜について改めて説明した。デノンはSACDプレーヤーの旗艦モデル「DCD-SX1」を2013年に発売、プリメインアンプの旗艦モデル「PMA-SX1」を2014年に発売した。しかし、フラグシップモデルと、20万円前後の価格帯である2000/1650シリーズの間を埋める11シリーズは、2012年のDCD-SA11/PMA-SA11の発売終了から空白となっていた。
しかし、20〜30万円の価格帯のHi-Fi製品は、プリメインアンプについては1997年発売のPMA-S10IIから、ディスクプレーヤーとしては1994年発売のDCD-S10からの系譜として、DCD-SA11/PMA-SA11に至るまで高い人気を誇っていたシリーズであった。その価格帯に今回、デノンとして11年振りの11シリーズとなるPMA-SX11、DCD-SX11が投入されたのである。
(編集部:小澤貴信)
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