DCD-SX11と共に新・音質担当が手がけたモデル
デノン、11年ぶり刷新の“11シリーズ”プリメイン「PMA-SX11」 - CR型フォノイコを旗艦機から継承
■UHC-MOSのポテンシャルを引き出すために電源を徹底強化
Advanced UHC-MOSによるシングル・プッシュプル回路の瞬発力を最大限に引き出すには強力な電源が重要となる。「オーディオアンプは入力された音楽信号を電源から供給される電力で拡大コピーする機械です」と新井氏。「電源が追従できなければ正確に増幅できずに歪が発生し、電源から供給される電力にノイズなどの不純物が混じっていれば、しわだらけの紙や汚れた紙にコピーするがごとく音楽信号が歪められてしまいます」。
新井氏はまた別の例えとして「いくら大量の電流が流せるUHC-MOSシングルプッシュプル回路を用いたとしても、元になるのは電源です。電源回路から十分な電流が供給されなければ、いくらMOS-FETが電流を流そうとしても、枯れたダムから水を絞り出すようなことになってしまいます」と説明。「PMA-SX11ではトロイダルトランスとカスタムブロックコンデンサー、ショットキーバリアダイオードからなる電源回路からピュアで十分な量の電力を供給できるようになっています」とその強力な電源に自信を見せていた。
またPMA-SX1の電源部は、大電流を要求される出力段と、安定性を要求される電圧増幅段を、トランスの巻線段階から分離。整流用のコンデンサーには、低インピーダンス電極箔を採用した大容量電解コンデンサーと、周波数特性の異なる高音質コンデンサーを組み合わせて高音質化を図っている。また整流素子には低損失、低ノイズ、ハイスピードのショットキーバリアダイオードを採用。十分かつクリーンな電流供給を実現したという。
電源トランスには、砂型アルミ鋳物ケース封入電源トランスを採用。電源トランスは不要振動やノイズの発生源にもなるが、本機ではPMA-SX1と同様に砂型アルミ鋳物のケースに特殊樹脂を充填することで、電源トランスから発生する振動を排除。さらに入念な磁気シールドによって漏洩磁束に起因する筐体内のノイズを抑制することで、クリーンな電源供給を行っている。トランスには極太の巻き線を採用し、さらに均一かつ余裕をもって巻くことで、クリアで力強いサウンドを生み出すことが可能になったとのこと。振動の影響を受けやすいコンデンサーの固定にも砂型鋳物ホルダーを採用している。
■シンプル&ストレートのコンセプトをフラグシップから継承
シンプル&ストレートのコンセプトを実現するためにハイゲイン・アンプ構成を採用。トーン回路やラウドネス、各種フィルターなどを省略したシンプルな回路構成により、より鮮度の高い再生音を目指している。また重要な音楽信号経路のワイヤーにはOFC(無酸素銅線)を採用している。
こうしたシンプルな回路構成は、DCD-SX1の構成を引き継いだものだ。しかし新井氏によれば、開発当初はPMA-SA11の後継としてそのコンセプトを踏襲するべく、トーンコントロールや多数の入出力端子を備えた“総合型アンプ”を計画していたとのこと。しかし、PMA-SX1に対するユーザーからの反応なども考慮され、企画途中で“シンプル&ストレート”を体現するモデルへと方向性を転換したのだという。
ちなみにPMA-SX1はトーンコントロールはおろか、ヘッドホン出力やバランスコントロールまで省略され、フロントパネルにはボリュームとセレクターだけという構成。一方で今回のPMA-SX11は、価格帯的にもより広範なユーザーを想定した結果、ヘッドホン出力端子とバランスコントロール端子を備えている。新井氏によればバランスコントロールにはメインボリュームコントロールと同等クオリティの部品を採用。接点の増加による音質劣化を避けたという。
Advanced UHC-MOSによるシングル・プッシュプル回路の瞬発力を最大限に引き出すには強力な電源が重要となる。「オーディオアンプは入力された音楽信号を電源から供給される電力で拡大コピーする機械です」と新井氏。「電源が追従できなければ正確に増幅できずに歪が発生し、電源から供給される電力にノイズなどの不純物が混じっていれば、しわだらけの紙や汚れた紙にコピーするがごとく音楽信号が歪められてしまいます」。
新井氏はまた別の例えとして「いくら大量の電流が流せるUHC-MOSシングルプッシュプル回路を用いたとしても、元になるのは電源です。電源回路から十分な電流が供給されなければ、いくらMOS-FETが電流を流そうとしても、枯れたダムから水を絞り出すようなことになってしまいます」と説明。「PMA-SX11ではトロイダルトランスとカスタムブロックコンデンサー、ショットキーバリアダイオードからなる電源回路からピュアで十分な量の電力を供給できるようになっています」とその強力な電源に自信を見せていた。
またPMA-SX1の電源部は、大電流を要求される出力段と、安定性を要求される電圧増幅段を、トランスの巻線段階から分離。整流用のコンデンサーには、低インピーダンス電極箔を採用した大容量電解コンデンサーと、周波数特性の異なる高音質コンデンサーを組み合わせて高音質化を図っている。また整流素子には低損失、低ノイズ、ハイスピードのショットキーバリアダイオードを採用。十分かつクリーンな電流供給を実現したという。
電源トランスには、砂型アルミ鋳物ケース封入電源トランスを採用。電源トランスは不要振動やノイズの発生源にもなるが、本機ではPMA-SX1と同様に砂型アルミ鋳物のケースに特殊樹脂を充填することで、電源トランスから発生する振動を排除。さらに入念な磁気シールドによって漏洩磁束に起因する筐体内のノイズを抑制することで、クリーンな電源供給を行っている。トランスには極太の巻き線を採用し、さらに均一かつ余裕をもって巻くことで、クリアで力強いサウンドを生み出すことが可能になったとのこと。振動の影響を受けやすいコンデンサーの固定にも砂型鋳物ホルダーを採用している。
■シンプル&ストレートのコンセプトをフラグシップから継承
シンプル&ストレートのコンセプトを実現するためにハイゲイン・アンプ構成を採用。トーン回路やラウドネス、各種フィルターなどを省略したシンプルな回路構成により、より鮮度の高い再生音を目指している。また重要な音楽信号経路のワイヤーにはOFC(無酸素銅線)を採用している。
こうしたシンプルな回路構成は、DCD-SX1の構成を引き継いだものだ。しかし新井氏によれば、開発当初はPMA-SA11の後継としてそのコンセプトを踏襲するべく、トーンコントロールや多数の入出力端子を備えた“総合型アンプ”を計画していたとのこと。しかし、PMA-SX1に対するユーザーからの反応なども考慮され、企画途中で“シンプル&ストレート”を体現するモデルへと方向性を転換したのだという。
ちなみにPMA-SX1はトーンコントロールはおろか、ヘッドホン出力やバランスコントロールまで省略され、フロントパネルにはボリュームとセレクターだけという構成。一方で今回のPMA-SX11は、価格帯的にもより広範なユーザーを想定した結果、ヘッドホン出力端子とバランスコントロール端子を備えている。新井氏によればバランスコントロールにはメインボリュームコントロールと同等クオリティの部品を採用。接点の増加による音質劣化を避けたという。
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