DCD-SX11と共に新・音質担当が手がけたモデル

デノン、11年ぶり刷新の“11シリーズ”プリメイン「PMA-SX11」 - CR型フォノイコを旗艦機から継承

公開日 2015/09/01 11:00 編集部:小澤貴信
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PMA-SX1と同じくMM/MC対応のCR型フォノイコライザーを採用

PMA-SX11がフラグシップPMA-SX1から引き継いだ数々の技術要素の中で、特に注目すべきもののひとつが、3個並列接続されたデュアルFET差動入力回路のヘッドアンプを備えたCR型フォノイコライザーだ。

CR型フォノイコライザーを含むアナログオーディオ入力部

PMA-SX1で開発されたCR型フォノイコライザーを搭載

CR型フォノイコライザーは、一般的なNF型フォノイコライザー(NFBループの中にRIAA素子を入れてF特を補正する方式)と比較して、回路規模が大きくなり、S/Nを確保するのが難しい。しかしCR型は「言ってみれば低域と高域で帰還量の違うアンプを使う」(新井氏)構成となるため、各アンプで適正な帰還がかけやすく素直な音になるとのこと。さらにNF型の欠点とされる低域と高域での差が出ないフラットな再生が可能で、エネルギーバランスも均一。音質的なメリットは大きい。

CR型フォノイコライザーについては(PMA-SX1のニュース)にて詳しく紹介しているのでこちらも参照してほしい。

またMC/MMそれぞれに専用入力端子を備えており、MC入力端子には入力インピーダンス切替も装備。同社「DL-103」をはじめとする中〜高インピーダンスのカートリッジに加え、海外ハイエンドブランドのカートリッジに多い2〜10Ω程度の低インピーダンスカートリッジにも対応可能だ。CR素子には厳選された高音質部品を採用する。また繊細な信号を扱うフォノイコライザー回路を安定して動作させるために、専用の安定化電源を搭載。これは独立電源であるため、他の入力ソースを再生する際にはフォノイコライザー回路への電源供給を停止するため、再生信号への干渉を排除できる。

ボリュームは、PMA-SX1に採用された機械式の多接点ワイヤブラシを使用したオーディオグレードのモーター式ボリュームを採用。デノンがアナログ式ボリュームにこだわっている点については、デジタル・ボリュームに比べて入力バッファー回路が不要で、よりシンプルな回路構成にできるメリットが理由だという。構造においても、外部振動や外来ノイズの混入を排除するため最大6mm厚の堅牢なフロントパネル、アルミ無垢材の削り出しノブを採用するなど、音質対策に注力している。

ダイレクト・メカニカル・グランド・コンストラクションを貫徹し振動対策を徹底

PMA-SX11のシャーシは、フォノイコライザーおよび入力部、ボリュームコントロール部、電圧増幅部、電力増幅部、電源部、コントロール部を独立配置した6ブロック構成シャーシを採用。1.6mm厚の鋼板によるシャーシは、外部振動から信号回路を守り、また各回路間の干渉の影響を排除している。

PMA-SX11の筐体内部

ダイレクト・メカニカル・グランド・コンストラクションを採用

さらにデノンのHi-Fiオーディオの根幹思想のひとつである“ダイレクト・メカニカル・グランド・コンストラクション”を本機でも貫徹。前述の1.6mm厚・鋼板シャーシは重心を下げたハイブリッドレイヤー構成とし、重量のあるパワーアンプやトランスなどの電源部をフットに的確に支えられるように配置。さらにトランスなど振動発生源をフット近くに配置することでグラウンドに振動を逃がす構造とした。トランス、大型ブロック電解コンデンサー、整流ダイオードの設置には異種素材を用いたフローティング処理を施したサブシャーシに設置。増幅回路への振動の影響を排除すると共に、外部から流入する振動から電源を保護している。

さらにPMA-SX1で採用された鋳鉄製フットや、風穴寸法を微妙に調整して共振周波数を分散したトップパネルなど、細部にわたっても防振・整振構造を徹底している。

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