この1年で7機種にラインナップ拡大
【CES】進化するスマートウェア。ソニーの“ウェアラブル戦略”一問一答インタビュー
■「SmartBand Talk」「SmartWatch 3」について
まずはSmartBand TalkとSmartWatch 3について、近藤氏は以下のように詳細を紹介した。
「今回のCESで展示しているSmartBand Talkは、センサー部分とバンド部分を分けられるようにしたものです。ウェアラブル製品というのはファッションアイテム的な面も持ち合わせていますので、様々な人の嗜好にあわせられる製品をラインナップするように工夫するべく、バンド部について様々なファッションメーカーとコラボレーションしていきます。具体的には、ジャックバルタニアン、アルトゥウェイサム、ROXYなどの著名なファッションブランドによるデザインのバンドを採用し、ソニーのコアとセットにして販売します。
SmartWatch 3については、今回のCESでは、バンド部分にステンレススチールを採用したモデルを発表しました。来月にもグローバル展開予定です。本製品に関しても、コンセプトとしてはSmartWatch 3のバンド部のバリエーションを追加した形です。それに加えて、SmartWatch 3ホルダーという関連アクセサリーも出展しました。SmartWatch3のコアをこのホルダーで包むことによって、一般的な腕時計の24ミリのピンのバンドに付けられるようになります。これも、色々なバンドをつけて、好みにあわせてカスタマイズできるというコンセプトによるものです。
ソニーのSmartWatch 3は、現時点で唯一のGPS搭載のAndroid採用ウェアです。日々の活動を記録できる『ライフログ』アプリは、ウェブブラウザから専用のライフログページにログインすることで、ブラウザ経由でユーザーのライフログの内容を確認することができます。ライフログはスマートフォン経由でデバイスの行動をトラッキングし、その情報をいったんクラウド側で処理して、結果をスマートフォンやウェブ側に反映させてユーザーが確認できるようにしています」。
■SmartBand Talk/SmartWatch 3について一問一答
−− 7製品にラインナップ拡充したスマートウェア製品それぞれの販売チャネルを教えてほしい。
近藤氏: 製品によって異なりますが、基本的にはグローバル展開を考えています。SmartBandとSmartWatch 3については、既にグローバルで販売を開始していますね。チャネルに関してはソニーモバイルのXperiaと基本的に同じで、量販、ダイレクト、キャリア経由で展開していきます。また、Smart Tennis Sensorはスポーツ向けのチャネル展開をしており、現在のところYONEXさんのショップで扱っている店舗があります。
−− “コア”を昨年4月から展開しているが、ウェアラブル市場での手ごたえはどうか?
近藤氏: 販売数は非公表ですが、アプリ数から考えますとソニーの他のアプリケーションよりは多く使われていますね。特にライフログのアプローチは「ランニング」「テニス」など領域に特化した方がアプローチしやすいと思っています。ウェアラブル領域は、ユーゼージでは黎明期だと思いますので、ジェネラル型なものと用途特化型のもの、どちらへの取り組みも必要だと思っています。
−− スマートウェアは時計に置き換わるものなのか、それとも存在感を消すことで自然に身につけられるウェアラブルなのか。そのあたりの方向性をどう感じているか。
近藤氏: 両方ですね。腕にあるデバイスというのは手を塞ぎません。ウォッチ形状のスマートウェアの場合、“ハンズフリー”の観点で手首が一等地であるという考え方は大前提にあります。一方で、仰るように、存在感を消すウェアラブルという観点でも製品開発に取り組んでいます。ですので、物量がある製品を普通の時計と変わらない着け心地に近づけていく形、または時計プラスアルファでつけていても存在感を感じさせない形、この2通りの製品にそれぞれ取り組んでいる状態です。
−− ライフログというアプリケーションを考えたときに、Xperiaと繋がるものしかない印象がある。UXの戦略はソニーの製品なのか、ソニーモバイルのコンセプトなのか教えてほしい。
近藤氏: UXはソニーの戦略です。確かに、まずXperiaのユーザーエクスペリエンスをより向上させるスマートウォッチから始まっているので、Xperiaの周辺機器のように見えると思います。しかし、対応機器としてはAndroid 4.4以降のデバイスをサポートしており、特にXperiaに絞っているわけではありません。また、Smart Tennis SensorとSmart B-TrainerはiOSにも対応します。
−− 「ライフログ」は発表当初から未来予測を掲げているが、これから具体的にどういったことを実現していくのか。
近藤氏: 今後の具体的なサービスについては、2015年のどこかのタイミングでご紹介する予定ですのでお待ち下さい。
−− APIの公開について。ユーザーのセンシティブな情報が入っていることもあり当初は限定パートナーのみに絞っていたが、デベロッパー、一般公開と段階的に踏み切るきっかけは?
近藤氏: 機器情報を扱わないことや、ユーザー同意の下で取得されたデータを扱うようにするなど、そういった条件をクリアにした上で今回の公開に踏み切りました。