この1年で7機種にラインナップ拡大
【CES】進化するスマートウェア。ソニーの“ウェアラブル戦略”一問一答インタビュー
■2種類のメガネ型デバイス、SmartEyeGlassとSmartEyeGlass Attach!
続いては、メガネ型デバイスのSmartEyeGlassとSmartEyeGlass Attach!について。近藤氏は以下の通り紹介した。
「SmartEyeGlassは2種類を出展しました。スタンダードなSmartEyeGlassと、今回のCESで初公開したSmartEyeGlass Attach!です。SmartEyeGlassの方は昨年のIFAに展示していたのと同じ製品で、90%の透過率を確保する両目両眼タイプ、真ん中に文字が表示される単色のものです。ソニーではIFAの後にアプリ開発向けのSDKを公開しまして、それをもとに製作された様々なアプリが今回のCESで集まってきました。ゼンリンさんのナビゲーションだったり、セカイフォンさんの翻訳アプリケーションだったり、どちらかといえばBtoBのものですね。
2つめのSmartEyeGlass Attach!は、先ほど申し上げた通り今回のCES会場で世界初公開したものです。名前が“アタッチ”ということからも判るように、右と左のパーツを取り外すことが可能で、どのようなメガネにも装着していただけるように考えた製品です。構造的には左右で搭載ユニットを分けていまして、左側に電源ユニット、右側にモジュールと光学部分を搭載しています。
なおこのSmartEyeGlass Attach!については、私たちの中で用途を模索している段階です。今回のCESでは、軽量性を高めた本体と右側レンズにだけ情報を映し出せることなどから、スポーツシーンでの使い方を提案しました。例えばゴルフでは、次のカップまでの距離を表示したり、『次は7番アイアンがお薦めです』などのサジェストをしたりしてくれるというものです。
SmartEyeGlass Attach!については、以下の通り商品担当の太田氏による仕様の解説も行われた。
「本体には、ソニー製の超小型サイズ0.23型有機ELディスプレイを搭載します。640×400とほぼVGAに近い解像度を確保し、2m先に16インチディスプレイがある条件をシミュレートして光学プリズムを経由した情報表示を行います。光学プリズムはミラーになっており、非透過のフィルムでイメージをクリアに観れるようにしています。また、有機ELディスプレイのコントラスト比が10,000対1もありますので、実際にはVGA以上の解像度も体験できるのではないかと思います」。
なお、CESで展示されていたプロトタイプはカメラを装備していたが、発売にあたってはセキュリティなどの配慮の事情から「カメラ部分は取り外すことも考えている」とのことだった。
■Smart EyeGlass Attach!について一問一答
−− CESで展示されていたプロトタイプのバッテリー駆動時間は?
近藤氏: バッテリー容量は4,000mAで、常時点灯では2時間弱です。ただ、スマートフォンのように常時点灯するものではないので、製品化にあたってはソフトウェア開発でもっと駆動時間を延ばせると思います。
−− 組み合わせるカメラ・レンズ側の使用条件は?
近藤氏: 今回のCESではデモ用のサングラスに特化した形にしましたが、製品化の際にはアタッチ部分を2つに分けることを考えています。メガネのツルにアタッチする部分とフレームに装着する部分といった形になると思いますが、実際にいくつかのフレームメーカーさんとお話させていただいています。今後は、どんなメガネにもアタッチできるという形を売りにしていこうと思っています。
−− 自転車走行時の使用など、屋外での安全上の配慮はどう考えているのか。
近藤氏: 安全面に関しては、社内で横断的な組織が立ち上がっています。屋外でデバイスを使う場合の安全面に関するガイドラインについては、ウォークマンの方で長い歴史がありますので、それらの部署と相談しながら最適なユースケースを考え、内容を整理した上でお客様にお伝えしたいと思います。
−− Google Glassのような製品は既に登場しているが、価格面ではどうなる見込みか。
近藤氏: 現在では「リーズナブルなプライス」とお答えしています。
−− Smart EyeGlassはBtoBを考えているとのことだが、Smart EyeGlass Attach!はどうなるか。
近藤氏: Smart EyeGlass Attach!についてもBtoB展開は十分可能と思っています。
−− Smart EyeGlassとSmart EyeGlass Attach!でアプリケーションは共有できるようになるのか。
近藤氏: Smart EyeGlassはアプリケーション開発のSDKを公開していますが、Smar tEyeGlass Attach!についてはOS含めてどういったプラットフォームを採用するかは現時点で未定です。
−− 方向性としては、共通ソフトウェアを作れるようにするよいうことなのか?
近藤氏: 現時点では未定とさせてください。Androidであったり、組み込みのOSであったり、ウェアラブルの領域ではソニー製品でも様々なプラットフォームを使っています。デバイスに応じて色々なものが考えられますので、最終的にどういう形になるかは未定です。