この1年で7機種にラインナップ拡大
【CES】進化するスマートウェア。ソニーの“ウェアラブル戦略”一問一答インタビュー
■ランニングデバイスと音楽再生を一体化させた「Smart B-Trainer」
最後に、今回のCESではプロトタイプが参考出展されていたSmart B-Trainerについても、話を伺うことができた。本機は耳に装着するタイプの心拍センサー搭載スマートウェアで、音楽再生機能を備えている。ランニングシーンをサポートするデバイスで、ランナーの心拍をもとに再生音楽を自動で切り替えることで、ランナーの走るスピードをコントロールすることが特徴だ。近藤氏は以下のように紹介した。
「Smart B-Trainerは、右耳に装着する機体のなかに心拍センサーが入っており、計測した心拍を再生音楽にフィードバックさせてランニングを指導します。ランナーが選択したトレーニングプランにあわせて、心拍を上げ過ぎず・下げ過ぎず走ることができるようにするものです。例えば、選択したトレーニングプランに対して心拍数が低かったら、もっとペースを上げて走るようテンポの早い曲に切り替えます。人間の自然な習性として、テンポの早い楽曲を聴くと自然に走るスピードが上がり、結果として心拍が追い付いていくのです。反対に、心拍が上がり過ぎた時はスローな音楽に切り替えます。心拍にあわせて音を再生するのではなく、再生する音にあわせて心拍を変えていく、というこれまでのランニングデバイスとは逆の効果を狙っていることが特徴です」。
本製品については、商品企画担当の小池氏からも以下の通り大きく2つのメリットが語られた。
「Smart B-Trainerの特徴は大きく2つあります。1つは、ミュージックプレーヤーのなかにGPSセンサーと心拍センサーを内蔵しているところです。通常、ランニングする場合はGPSウォッチとミュージックプレーヤーを別々につけますが、Smart B-Trainerはこの1台だけでランニング中に音楽を聴きながらログを残すことができます。トレーニングに必要なものがスマートフォンで見られるオールインワンのソリューションになっています。
2つめは、音楽を利用した心拍数の指導をデバイス単体で行うことです。トレーニングプランの選択はスマートフォンから行うのですが、その後はデバイス単体で動作しますので、ランニング中はスマホを持ち歩きたくないという人にも向いています」。
■Smart B-Trainerについて一問一答
−− 自分の持っている楽曲をSmart B-Trainerに転送できるようになるのか?
近藤氏: そういうことは考えています。内蔵メモリーを備えており、デバイスで12音解析をしてBPMも認識しますので、転送した曲も利用できます。
−− 今回のCESに出展されていたプロトタイプはウォークマンブランドではなかったが。
近藤氏: あくまでも今回のものは参考出展でスポーツデバイスとしてよりスポーツに特化したプロダクトとしてアピールしているにとどめた形です。
(折原一也)