A7チップで高速化。指紋認証機能も搭載
【レビュー】カメラ&処理性能強化、「iPhone 5s」実力検証
■同じ画素数とは思えないほどの解像感を実現
撮影のテストを行うまでは、どちらかといえば暗所撮影の画質差に興味を抱いていたのだが、屋外で撮影した写真を見ても、5と5sの画質差は歴然としていた。
花をクローズアップ撮影した写真では、画素数は同じ800万画素なのに、5sで撮った画像は葉の解像感、立体感が際立っている。5で撮った画像は全体がのっぺりとしているが、5sではダイナミックレンジの広さもあって細部までくっきりと見渡せ、一枚一枚の葉の奥行きまでわかりやすく映し出す。その結果、全体の印象がまったく異なるビビッドな画になる。さらに色域も広がっており、花弁の淡いピンクのグラデーションがしっかりと表現できている。
建物を撮ってみても、その違いは予想以上に大きかった。5では白くモヤッとした印象になってしまうシーンでも、5sではクッキリとシャープな画像が撮れる。会社近くの川を5sと5で比較撮影すると、5sの水面の細かな波までしっかり表現する解像感と色乗りの良さ、画像全体の鮮鋭感が非常に高く、その差は驚くほどだ。
室内での暗所撮影も実験してみた。フラッシュをオフにして人形を撮影すると、5のカメラでは拡大するとノイズが目立つが、5sではかなりノイズを抑え込んでおり、すっきりとした映像だ。肉眼では実際の写真よりかなり暗い場所で撮影しているのだが、それでも非常に綺麗な写真が撮影できる。数年前の高性能なコンデジに匹敵する暗所撮影性能だ。