[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第130回】エントリーポータブルの夏! 6万円台で買えるハイレゾDAP 注目モデル一斉テスト
■各モデルのデザインや持ち心地
では各モデルについて、まずはデザインや持ち心地といったフィジカルな面からチェックしていこう。
▼AK Jrのデザインや持ち心地
「AK Jr」は薄型軽量スタイリッシュで「(AK120II+AK240)÷4」みたいな印象だ。つまり「AK120IIのスクウェア感とAK240の多面体感を組み合わせつつ、薄さはそれらの半分程度」といった感じ。
そしてシリーズの中ではエントリークラスなのだが、細かな仕上げまで手抜きが見られない。特に注目してほしいのは各所のエッジ部分だ。実に丁寧に面取りされている。シリーズの入口だからこそこういった部分で雑な印象を与えないようにしたい。そういった意図やこだわりを感じられる。
一方、シリーズにおいて新たな部分と言えるのはボリュームダイヤル。これが竜頭型ではなくフラットなものになっている。筐体が極度に薄型化されたので竜頭型の搭載は無理というか、無理に付けると操作性もデザインも微妙なことになるからだろう。AKらしさと薄さを両立させる、よい落とし所だと思う。
持ち心地は、何しろ軽いので重さの負担がないことをまず評価したい。ただし綺麗に面取りされてはいるが基本エッジを立てた形状であるので、手のひらに角が当たるのは少し気になる。ここはAKシリーズに共通する弱点だ。だが、AKシリーズ共通でその解決策も用意されている。付属または別売オプションの純正ケースだ。このモデルの場合はオプションでカラバリも豊かなPUレザー製ケースが用意されている。
装着すると持ち心地がかなり優しく柔らかくなってくれる。またボリュームダイヤルを周囲から自然に一段下げてくれるのでその誤動作の低減も期待できる。ケースによるサイズの増大についても「元がすごく薄くて軽いので、少しくらい厚みと重さを増してもやっぱり薄いし軽い」ということでさほど気にならない。
▼PAW5000のデザインや持ち心地
このデザインに好き嫌いが分かれているような雰囲気は感じるが、個人的にはボタンが多くてよい感じにメカメカしいルックスで好み。今回の中ではいちばん黒い色合いなので、そういった色合いが好みの方にもおすすめだ。
アルミとプラスチックを組み合わせてあるという筐体は強度感十分だし、僕には安っぽいとも感じられない。ただ実物を見てプラスチッキーと感じている方もいるようではある。これを逆に、ケースなしでラフに扱ってもよさそうな気軽さがあるとポジティブに考えてもよいかもしれない。黒が濃い金属筐体は、その黒の剥げ方で味わいが出てきたりするし。
横幅はAK Jrと同程度で厚みは2倍といった感じだが、縦が短く、ころりとしたサイズ感と丸みのおかげで、手の中への収まり具合はとてもよい。重量もAK Jrと同様、全く気にならない軽さ。
なお今回のサンプル機は身一つでやってきていたので試せていないのだが、製品には二の腕に装着する専用アームケースが付属。ランニングなどを想定しているそうだ。ランニングは僕には縁のない話だが、二の腕ではなく他への固定にも使えれば普段使いにも流用できるかもしれない。
▼X5 2nd gen.のデザインや持ち心地
Xシリーズ独特のボタン配置が印象的だ。ホイールを中心に「X」型に配置してあるというのがシリーズの名前の由来…なのだろうか?とにかく一目でわかるデザイン。
Fiioは、新しい製品になるほど筐体の仕上げがよくなっている印象だ。製造現場や品質管理が安定して、細部にまで気を回す余裕が生まれてきているのかもしれない。
なお本体には透明ケースが付属する他、別売オプションでレザーケース、ポタアンとの合体用のアンプスタッキングKITも用意されている。特に後者はポタアンも自社で展開するFiioらしいアイテムだ。