[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第130回】エントリーポータブルの夏! 6万円台で買えるハイレゾDAP 注目モデル一斉テスト
■各モデルの操作インターフェース
▼AK Jrの操作インターフェース
AK Jrの操作系は再生停止とスキップ、あと電源と音量の他の操作は全てタッチパネル。ソフトウェア面はAK240以降のAndroidベースの現世代シリーズではなく初代シリーズ(AK100、AK120)を主に踏襲している印象だ。
いずれにしてもタッチパネル世代のインターフェースで、操作性が特に良いということも悪いということもなく、スマートフォン慣れしていれば「だいたい勘で操作できる」タイプと言えるだろう。
タッチパネルであることも含めて、多くの人が大きな違和感や不満を感じずに使えそうな癖のない操作体系だ。惜しいのは画面解像度の低さと、あと動作のいわゆるさくさく感はもう少しほしいところ。しかし解像度を上げればそれをさくさく動作させるには処理能力も必要になり〜という感じでコスト的に難しいことも推察できる。CPUやバッテリーなど含めた全体のバランスを考慮して現在のスペックになったのだろう。
さくさく感はあとほんの半歩だけの改善でも印象が大きく変わると思うので、今後のファームウェアアップデートには期待しておきたい。
▼PAW5000の操作インターフェース
スクロールホイールを中心に物理ボタンを多数配置した「マニュアル操作!」という感じの操作系を採用。いまどきのスマホのタッチパネル、ボタンをとにかく削減した「簡単リモコン」的な機器を見慣れているとこれは難しそうに思えるかもしれない。しかもアートワーク表示どころかタグ(曲情報)も読まない表示しないという割り切った仕様だ。
しかしボタンが多いということは、ボタン一発でアクセスできる機能やメニューが多いということ。タッチパネルや簡単リモコンで「まずはこのメニューを選んでそれからこれを選んでその中にあるこれを〜」となりがちなところを、「このボタンを押してこれを選択」のように短い操作ステップで済ませられたりする。
またテキストベースのインターフェースと待ち時間を極限まで短くすることを重視したリアルタイムOSの組み合わせで、ボタン操作への反応速度は「"短い"などではなくほぼ"無い"」というレベル。電源のオンオフも3秒とか、他ではちょっと考えられない速度だ。ホイールによる快速スクロールと合わせて、このタイプの操作系と相性がよい方にとっては実に快適なことだろう。
逆に言えば、このタイプの操作系が好みでない方にはおすすめしづらい。万人向けではないが、はまる人にははまるタイプの操作感だ。
なお各ボタンの長押しに機能が割り当てられていたりするので、そこまで含めて使いこなさないと不便に感じる場合も。例えばスクリーンロック中は筐体正面のボタンが片っ端からロックされるのでほぼ操作不能かと思いきや、側面ボリュームボタンの長押しで曲のスキップが可能だったりする。
▼X5 2ndの操作インターフェース
X5 2ndも非タッチパネルのフィジカルなボタン操作でスクロールホイール搭載。しかしPAW5000ほどスパルタンな印象ではない。アートワークやタグ情報も普通に読み込んで表示してくれることが大きい。PAW5000はボイスレコーダーのインターフェースを発展させたタイプを想像してもらえばわかりやすく、こちらは初期のiPodを想像してもらえればわかりやすいだろう。
Xシリーズは新モデルごとに改善策を実戦投入でテストして次のモデルに活かすという力技で操作性を改善してきている。特にひとつ前の「X3 2nd」やその前の「X1」での進歩が大きいので、それを継承した本機もその前の世代からの大きな改善を実現。初期のXシリーズを使いにくいと感じていた方も、いまのXシリーズには改めて試してみる価値があるはずだ。