注目製品に秘められた可能性を探る
音楽評論家、高橋健太郎氏が「xDSD」をレポート ― ストリーミングからハイレゾ、ワイヤレスまで徹底検証
イギリスのオーディオブランド、iFi audioからこの春に登場し、大きな注目を集め続けているポータブルDAC/ヘッドフォンアンプのxDSD。本稿は、音楽配信サイト「OTOTOY」にも掲載された、高橋健太郎氏のレビューだ。音楽シーンの第一線を見続けている高橋氏は、本機を『いろんな可能性を秘めた製品」と評価する。その詳細をご確認いただきたい。
現代の音楽視聴環境に寄り添うポータブル・デバイス
音楽の世界では近年、ストリーミング・サービスの成長がめざましい。2017年にはストリーミングは全世界で40%の売り上げ増を記録。日本でも売り上げは20%増となっている。Apple MusicやSpotifyなどで曲を検索して、すぐに聴くというライフ・スタイルが日常的になっている読者も少なくないことだろう。OTOTOYは音楽のダウンロード販売のサイトだが、実はサービスの中にストリーミングに近いものを含んでいる。iOSやアンドロイド用のOTOTOYアプリを利用してもらうと、OTOTOYで過去に購入した楽曲やフリーダウンロードの曲をすぐに聴くことができる。スマートフォンの中にファイルを持ち歩かなくても、いつでも思い出したときに聴けるのだ。
さらに、今年始めにスタートした「Collections」のサービスではPC上にOTOTOYで過去にダウンロードした曲が並んでいて、それらを自在に聴くことできる。曲を選んで、プレイリストを作り、それを再生することも可能だ。こうしたサービスによって、音源ファイルを保存して持ち歩いていない環境でも、OTOTOYでダウンロードした曲を聴けるようにしているのだ。
僕自身も昨今は、外出時にストリーミングで音楽を聴くことが多くなった。が、そこで問題になるのは音質だ。愛用しているポータブルプレーヤーにはハイレゾの音源を詰め込んでいる。しかし、ストリーミングを聴くにはiPhoneを使わなければならない。データ転送レートが200〜300kbps程度のストリーミングサービスならば、iPhone本体で再生して、そこそこの音質で楽しめば良いのかもしれない。だが、日本でも先頃、Deezerがサービスを開始した。Deezerは16bit/44.1kHzのCD音質でのストリーミングを謳っている。OTOTOYアプリの場合は年間360円のハイレゾ・プレイバックを購入すると、24bit/48kHzまでのハイレゾ・ファイルをローカルにキャッシュして楽しむこともできる。
となると、iPhoneを使った再生環境でも、よりハイフィディリティーを求めたくなる。何か良い方法はないだろうか、と思っていたところに知ったのが、iFi audioから新しいポータブル・デバイスが登場したことだった。
iFi製品はmicro iDSDをシルヴァー、ブラックの二世代で愛用している。時おり、micro iDSDをポータブルのヘッドフォン・アンプとして持ち出すこともあった。ただし、サイズ的にはちょっと大き過ぎる感が否めない。新製品はiFiのこれまでの主力だったnanoやmicroシリーズではなく、xシリーズと呼ばれる新しいラインナップの第一弾で、サイズ的にはnanoシリーズのnano iDSDよりも小さいらしい。だが価格的には5万円台と、nanoの約二倍の価格になっている。機能的にはUSB接続だけでなく、Bluetooth接続も可能。データ圧縮のコーデックは一般的なSBCだけでなく、AACとaptXにも対応している。
個人的にはBluetooth接続は音質劣化が避けられないため、これまでオーディオ機器には使用することがなかった。iPhoneも3.5mmオーディオ・アウトを持つiPhone SEを使用し続けているので、Bluetoothのヘッドフォンを使うには至っていない。だが、iPhone SEの使用も限界に近づいているので、Bluetooth接続できるポータブル機器を試しておきたい時期でもあった。そういう意味で、iFiから登場したxDSDはぜひ、テストしてみたくなった。
現代の音楽視聴環境に寄り添うポータブル・デバイス
音楽の世界では近年、ストリーミング・サービスの成長がめざましい。2017年にはストリーミングは全世界で40%の売り上げ増を記録。日本でも売り上げは20%増となっている。Apple MusicやSpotifyなどで曲を検索して、すぐに聴くというライフ・スタイルが日常的になっている読者も少なくないことだろう。OTOTOYは音楽のダウンロード販売のサイトだが、実はサービスの中にストリーミングに近いものを含んでいる。iOSやアンドロイド用のOTOTOYアプリを利用してもらうと、OTOTOYで過去に購入した楽曲やフリーダウンロードの曲をすぐに聴くことができる。スマートフォンの中にファイルを持ち歩かなくても、いつでも思い出したときに聴けるのだ。
さらに、今年始めにスタートした「Collections」のサービスではPC上にOTOTOYで過去にダウンロードした曲が並んでいて、それらを自在に聴くことできる。曲を選んで、プレイリストを作り、それを再生することも可能だ。こうしたサービスによって、音源ファイルを保存して持ち歩いていない環境でも、OTOTOYでダウンロードした曲を聴けるようにしているのだ。
僕自身も昨今は、外出時にストリーミングで音楽を聴くことが多くなった。が、そこで問題になるのは音質だ。愛用しているポータブルプレーヤーにはハイレゾの音源を詰め込んでいる。しかし、ストリーミングを聴くにはiPhoneを使わなければならない。データ転送レートが200〜300kbps程度のストリーミングサービスならば、iPhone本体で再生して、そこそこの音質で楽しめば良いのかもしれない。だが、日本でも先頃、Deezerがサービスを開始した。Deezerは16bit/44.1kHzのCD音質でのストリーミングを謳っている。OTOTOYアプリの場合は年間360円のハイレゾ・プレイバックを購入すると、24bit/48kHzまでのハイレゾ・ファイルをローカルにキャッシュして楽しむこともできる。
となると、iPhoneを使った再生環境でも、よりハイフィディリティーを求めたくなる。何か良い方法はないだろうか、と思っていたところに知ったのが、iFi audioから新しいポータブル・デバイスが登場したことだった。
iFi製品はmicro iDSDをシルヴァー、ブラックの二世代で愛用している。時おり、micro iDSDをポータブルのヘッドフォン・アンプとして持ち出すこともあった。ただし、サイズ的にはちょっと大き過ぎる感が否めない。新製品はiFiのこれまでの主力だったnanoやmicroシリーズではなく、xシリーズと呼ばれる新しいラインナップの第一弾で、サイズ的にはnanoシリーズのnano iDSDよりも小さいらしい。だが価格的には5万円台と、nanoの約二倍の価格になっている。機能的にはUSB接続だけでなく、Bluetooth接続も可能。データ圧縮のコーデックは一般的なSBCだけでなく、AACとaptXにも対応している。
個人的にはBluetooth接続は音質劣化が避けられないため、これまでオーディオ機器には使用することがなかった。iPhoneも3.5mmオーディオ・アウトを持つiPhone SEを使用し続けているので、Bluetoothのヘッドフォンを使うには至っていない。だが、iPhone SEの使用も限界に近づいているので、Bluetooth接続できるポータブル機器を試しておきたい時期でもあった。そういう意味で、iFiから登場したxDSDはぜひ、テストしてみたくなった。