【特別企画】一斉試聴で実力をチェック
“お値段以上”の音質に驚いた! Polk Audioの注目スピーカー3種、“推しポイント”はココ!
“安価に良い音 ”の「Monitor XT」
まずはエントリーラインのMonitor XTシリーズから試そう。ラインナップとしては、ブックシェルフ、フロアスタンディング、センター、ハイト・モジュール、サブウーファーの合計9モデルが用意。ちなみに日本で購入できるPolk Audioのハイファイ用スピーカーは、全て日本オーディオ協会のHi-Res Audio認証を取得している。
上位シリーズで培った技術を活用しているのが大きな特徴で、前モデルから設計を一新。上位のSignature Eliteシリーズが採用する「テリレン・ドーム・トゥイーター」を備え、40kHzまでの超高域をカバーすることも目玉だ。
中低域ユニットは「バイ・ラミネート・コンポジット・ウーファー」と命名された、ペーパーコーンとハイテク素材を組み合わせたものを採用。エンクロージャーはMDF材で、効率的な補強を施し内部定在波も抑制するなど、エントリーモデルとは思えない工夫が施されている。
そして驚くべきは、本シリーズの価格設定だ。日本で購入できるハイファイスピーカーの中でもかなり安価で、最も低価格の小型ブックシェルフスピーカー「MXT15」であれば、なんとペア27,500円(税込)だ。
「おいおい、儲けは大丈夫か?」と勝手に心配してしまうほどだが、澤田氏によると、本体色をブラックのみに抑え、ウーファーのマグネットには汎用品を組み合わせて強力な磁気パワーを得るなど、アコースティックな設計を工夫することで大きなコストダウンを実現しているのだという。
今回聴いたのは、フロア型の「MXT70」だ。外形寸法は273W×1,027H×338Dmm、質量は15.9kgと大型。25mmのトゥイーター、16.5cmのウーファー2基に加え、20cmのパッシブラジエーター2基を搭載している。
歪を低減させるデュアルパッシブラジエーターシステムや、振動板にウェイトを追加することで共振周波数をコントロールしているなど興味深い。
MXT70は大型のエンクロージャーと5つのユニットを生かしたスピード感にあふれ、低域のレスポンスの良い音が印象的だ。エド・シーランは音が出た瞬間に「お!」と声が出たほど。エレクトリックバスドラムの音がキレキレで相性が良く、高域は適度に透き通っていて、全帯域にスピード感もある。
宇多田ヒカルは、クリアでヌケのよいサウンドでありながら、しっかりとした厚みがあり、ベースラインも量感たっぷりに表現してくれる。ボーカルの絶対的な明瞭度は上位シリーズに譲るものの、タイム・フォア・スリーでは左右の音場も広く、弦楽器も適度にまろやかだ。
音楽的にも楽しく聴ける音で、特にEDMやポップス系など現代の音楽と相性が良さそうだ。先述のようにカラーはブラック1色に限られるものの、実物を見ると質感も高い。
本格的なハイファイ再生からビジュアル用途のフロントスピーカーまで、使用範囲は広そうだ。とにかく安価に良い音を楽しみたい方におすすめしたい。
次ページよりインテリアとも融合する「Signature Elite」