【特別企画】一斉試聴で実力をチェック
“お値段以上”の音質に驚いた! Polk Audioの注目スピーカー3種、“推しポイント”はココ!
デザインも音も高コスパな最上位「Reserve」
最後は、日本展開されている中で最上位モデルとなるReserveシリーズ。ラインナップは合計9モデルで、ブックシェルフ、フロアスタンディング、センター、ハイト・モジュールがある。
このシリーズの推しポイントは大きく3点ある。1つめは独自形状の振動板「タービンコーン」だ。ポリプロピレンを射出成型して作り出され、軽量かつ高剛性を両立。また素材に発泡剤を含ませる工夫により、厚く柔らかい中間層を含む3層構造的な特徴を実現している。
2つめは新開発されたトゥイーターだ。独自の「ピナクル・リングラジエーター」は、高精度の解析で調整されたウェーブガイドを備えている。そして3つめは、バスレフポートから漏れる中音域を抑える独自技術「X-Port」の最新バージョン「Power Port 2.0」を備えることだ。
さらにキャビネットはレーザードップラー振動計を使い設計され、精密な補強を実施。筐体内部は定在波を最小限に抑えたデザインを採用するなど、地に足のついた設計が施されている。
ここで試したのはフロア型の「R700」。外形寸法は330Wx1144Hx429Dmm、質量は35.9kgで威風堂々とした大きさだ。25mmのトゥイーター、16.5cmのミッドレンジ、20cmのウーファー2基を搭載し、バスレフポートは低面に設置されている。
カラーは2色用意されているが、今回試聴したモデルの中でもキャビネットの造形に品位があり、特徴的なタービンコーン形状の振動板を含め、所有欲を高めるデザインに仕上げられている。
R700は現代的な描写力を持つハイファイな音作りと、音楽的な表現力の高さが大きな魅力だ。高域から低域までワイドレンジだが、音楽に一番大事な中域のエネルギーが高く、音楽が生き生きと鳴る。エド・シーランは、キックドラムとベースの力強さが際立ち、全帯域の分解能も秀逸といえる。
宇多田ヒカルは、バックミュージックのエッジ感や刺激感はないのに音像がリアルで音楽的なノリの良さもある。音像は前に出るタイプだが音場に不足はなく、タイム・フォア・スリーでは、左右のヴァイオリンのアコースティック楽器の質感を秀逸に出しつつ、適度な色艶もあり聞き応えが良かった。
音像表現やステージングはある程度しっかり出してくれる高品位なスピーカーの一面を感じるが、神経質すぎない音だからとにかく音楽が楽しく聞こえる。
また、試聴していて気がついたのだが、キャビネットの美しさもアドバンテージだろう。カラーはブラックとブラウンが用意されているが、特に後者は最近流行のチーク材やウォールナット材を使用した家具と視覚的な相性が良い。
まさに多くの部屋でインテリアを強化してくれるような、品位の高いデザインだ。デザインと音の両方で、より高いコストパフォーマンスのスピーカーを求める方におすすめしたい。