公開日 2009/03/31 13:51
ケーブル開発の名シェフ − 仏Real Cable社長のカトリーヌ氏が来社
ハイCPで人気のブランド 躍進の背景
福田雅光氏などがその性能や価格の手頃さを激賞し、日本でも次第にファンを増やしつつある仏Real Cable。10年ほど前に創業した比較的若い会社だが、瞬く間にフランスNo.1のケーブルメーカーに上り詰め、現在は世界各地に25のディストリビューターを抱えるまでに成長した。最近では、特にロシアや北欧などで高いシェアを占めているという。
ちなみに、Real Cable製品の日本での輸入販売はネットワークジャパンが行っている(公式サイト)。
そのReal Cable社の社長として同ブランドを率い、製品開発やマーケティングに辣腕を振るっているのがカトリーヌ・トルシン氏。今回、同氏が来社し、同社の成り立ちやメーカーとしてのポリシーなどについて語ってくれた。
Real Cable社が設立されたのは10年ほど前。カトリーヌ・トルシン氏と、彼女の父で、欧州のテレビ規格であるCECAMの開発チームに在籍していたエンジニアのマルセル・トルシン氏の2名で立ち上げた。現在に至るまで、規模をいたずらに拡大せずに、社員一人一人を尊重するファミリーカンパニーの利点を追求しながら経営を行っている。
Real Cable社創業以前から、父のマルセル・トルシン氏はオーディオ機器の開発を行っていた。「フランス・アコースティック」社を立ち上げ、ピラミッド型のスピーカーを製作するなど実績を残す過程で、クオリティの高いパッケージソフトやアクセサリーの重要性に気づき、JVCやチェスキー・レコードのタイトルなどの輸入販売も始めたのだという。
「そんな家庭環境もあったので、10歳くらいの頃から、良い音に囲まれて育ちました。オーディオ製品についても身近な存在で、フランスの著名なオーディオ評論家とも家族ぐるみの付き合いをしていました」。
トルシン家は子だくさんで、4女1男の5人兄弟だが、カトリーヌ氏が共同創立者となった理由については「私がナンバーワンだったから」とコメント。音を聴き分ける天性の能力、そしてマーケティングの才能に長けているという自信がストレートに伝わってきた。
現時点で、Real Cableの日本でのラインナップはそれほど多くないが、本国のカタログを見て驚いた。あらゆる種類のオーディオケーブル、映像ケーブルが用意され、特にHDMIケーブルの充実ぶりは圧巻の一言。ネジで直接本体と固定するSafeLockシステムを装備したものや引き回しに便利なフラットタイプ、さらには壁の塗り替えを頻繁に行う欧米の製品らしく、ケーブルのシース部分を直接ペンキで塗ることのできる商品も用意されている。フランスでは、その品質の高さに目を付けた某大手AVメーカーからの要請で、AVメーカーのプレーヤー購入者にReal CableのHDMIケーブルをプレゼントするキャンペーンも行われたのだという。
また、HDMI関連のアクセサリーも充実しており、様々なタイプのスイッチャーやスプリッター、HDMI-HDMImini変換コネクター、小型のHDMIブースターなども揃える。
「フルレンジ・フルラインナップを揃えるのが我々の方針。今後は、TDC技術で定評のあるスピーカーケーブルに加え、HDMIケーブルのラインナップをさらに拡充させる予定です」というから頼もしい。
同社のケーブルラインナップは、高級品から順に「MASTER」「INNOVATION」「EVOLUTION」「AVS」の4レンジに分けられている。それぞれの開発の過程で、すべての商品がカトリーヌ氏とマルセル氏のチェックを受ける。ちなみに製品のアッセンブルは、フランス国内のオルレアンで行っているのだという。
「製品開発にあたっては、まず企画書を作った後、試作品を製作します。この段階で、父と私が音を聴いたり、映像を見たりといったチェックを行います。このチェックに通ったものは、次にフランスの評論家の自宅に持って行き、さらにディスカッションを重ねます。最終的に残ったものだけが、実際に商品化されるというわけです」。トルシン父娘の耳や目というフィルターをくぐり抜けることが商品化の際の第一関門なのだ。
では、製品開発で同社が留意していることとは何なのだろう。カトリーヌ氏は「料理では素材の吟味が重要ですが、ケーブル開発もそれと同じで、部品や素材の選定には最も神経を使っています。また、料理では吟味した素材の魅力を活かすことが求められるように、ケーブル作りにおいても、様々なノイズから信号を守るブレードや内部構造などを工夫し、部品や素材の能力を引き出す必要があります。我々はケーブル作りの“シェフ”なのです」と説明。ケーブル開発を料理にたとえるのは、洗練された食文化を持つフランス人ならではの発想だ。
フルレンジ・フルラインナップを揃え、製品クオリティにも厳重なチェックを行うReal Cable。同社製品は価格帯性能比が高いことも人気を集めている理由だが、今後は1本数十万円クラスの超高級品の開発も視野に入れているという。フランスのエスプリが息づく同ブランドの今後の展開がますます楽しみだ。
ちなみに、Real Cable製品の日本での輸入販売はネットワークジャパンが行っている(公式サイト)。
そのReal Cable社の社長として同ブランドを率い、製品開発やマーケティングに辣腕を振るっているのがカトリーヌ・トルシン氏。今回、同氏が来社し、同社の成り立ちやメーカーとしてのポリシーなどについて語ってくれた。
Real Cable社が設立されたのは10年ほど前。カトリーヌ・トルシン氏と、彼女の父で、欧州のテレビ規格であるCECAMの開発チームに在籍していたエンジニアのマルセル・トルシン氏の2名で立ち上げた。現在に至るまで、規模をいたずらに拡大せずに、社員一人一人を尊重するファミリーカンパニーの利点を追求しながら経営を行っている。
Real Cable社創業以前から、父のマルセル・トルシン氏はオーディオ機器の開発を行っていた。「フランス・アコースティック」社を立ち上げ、ピラミッド型のスピーカーを製作するなど実績を残す過程で、クオリティの高いパッケージソフトやアクセサリーの重要性に気づき、JVCやチェスキー・レコードのタイトルなどの輸入販売も始めたのだという。
「そんな家庭環境もあったので、10歳くらいの頃から、良い音に囲まれて育ちました。オーディオ製品についても身近な存在で、フランスの著名なオーディオ評論家とも家族ぐるみの付き合いをしていました」。
トルシン家は子だくさんで、4女1男の5人兄弟だが、カトリーヌ氏が共同創立者となった理由については「私がナンバーワンだったから」とコメント。音を聴き分ける天性の能力、そしてマーケティングの才能に長けているという自信がストレートに伝わってきた。
現時点で、Real Cableの日本でのラインナップはそれほど多くないが、本国のカタログを見て驚いた。あらゆる種類のオーディオケーブル、映像ケーブルが用意され、特にHDMIケーブルの充実ぶりは圧巻の一言。ネジで直接本体と固定するSafeLockシステムを装備したものや引き回しに便利なフラットタイプ、さらには壁の塗り替えを頻繁に行う欧米の製品らしく、ケーブルのシース部分を直接ペンキで塗ることのできる商品も用意されている。フランスでは、その品質の高さに目を付けた某大手AVメーカーからの要請で、AVメーカーのプレーヤー購入者にReal CableのHDMIケーブルをプレゼントするキャンペーンも行われたのだという。
また、HDMI関連のアクセサリーも充実しており、様々なタイプのスイッチャーやスプリッター、HDMI-HDMImini変換コネクター、小型のHDMIブースターなども揃える。
「フルレンジ・フルラインナップを揃えるのが我々の方針。今後は、TDC技術で定評のあるスピーカーケーブルに加え、HDMIケーブルのラインナップをさらに拡充させる予定です」というから頼もしい。
同社のケーブルラインナップは、高級品から順に「MASTER」「INNOVATION」「EVOLUTION」「AVS」の4レンジに分けられている。それぞれの開発の過程で、すべての商品がカトリーヌ氏とマルセル氏のチェックを受ける。ちなみに製品のアッセンブルは、フランス国内のオルレアンで行っているのだという。
「製品開発にあたっては、まず企画書を作った後、試作品を製作します。この段階で、父と私が音を聴いたり、映像を見たりといったチェックを行います。このチェックに通ったものは、次にフランスの評論家の自宅に持って行き、さらにディスカッションを重ねます。最終的に残ったものだけが、実際に商品化されるというわけです」。トルシン父娘の耳や目というフィルターをくぐり抜けることが商品化の際の第一関門なのだ。
では、製品開発で同社が留意していることとは何なのだろう。カトリーヌ氏は「料理では素材の吟味が重要ですが、ケーブル開発もそれと同じで、部品や素材の選定には最も神経を使っています。また、料理では吟味した素材の魅力を活かすことが求められるように、ケーブル作りにおいても、様々なノイズから信号を守るブレードや内部構造などを工夫し、部品や素材の能力を引き出す必要があります。我々はケーブル作りの“シェフ”なのです」と説明。ケーブル開発を料理にたとえるのは、洗練された食文化を持つフランス人ならではの発想だ。
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