• ブランド
    特設サイト
公開日 2019/03/07 06:15

完全ワイヤレスイヤホンにブレイクスルーを起こす新DAC。AKM「AK4332」は音質と省電力を追求した

開発陣がその詳細を明かした
海上 忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
旭化成エレクトロニクス(AKM)から新たに登場したヘッドホンアンプ内蔵DAC「AK4332」は、完全ワイヤレスイヤホンへの搭載を想定したモバイル向けモデルだ。本機のコンセプトや技術詳細、Bluetoothイヤホンにおける可能性について、海上忍氏が開発陣に詳細を聞いた。

お話を伺った開発陣。旭化成エレクトロニクス株式会社 製品開発センター 製品開発第一部 主管技師 石井貴大氏(中央)、マーケティング&セールスセンター ソリューション開発第一部 Audio Quality Expert 小瀧 敬氏(右から2番目)、同 Audio Quality Expert 成山 航氏(右)、同グループ長 徳永 潤氏(左)、マーケティング&セールスセンター マーケティング第四部 グループ長 鈴木 岳氏(左から2番目)。

SoCだけでは出せない個性を出せるDAC

デジタル/アナログ変換回路を意味する「DAC」は、デジタルオーディオ機器のコア・コンポーネントであり、音質を大きく左右する存在であることは改めて言うまでもない。一般的にICといえばプロセスルールの縮小が進化の決め手となるものだが、DACでは抵抗値の抑制による残留ノイズ低減、電流量の増加など設計の妙が「音」という成果につながる。

一方、DACには「SoC化」と「省電力」というニーズがある。昨今人気のBluetoothイヤホンなど実装スペースと電力消費量に厳しい制約がある機器の場合、キーデバイスであるDACにその鉾先が向けられるからだ。そしてDACを通信チップやアプリケーションプロセッサとひとまとめにしたSoCを採用すれば、その制約を一度に解決できてしまう。

とはいえ、音質を追求するという点においては、独立したチップとして存在するDACに分がありそうだ。SoCに内蔵されたDACの場合、そのSoCベンダーが設計したDAC回路が使われるため、当然その“色”に染められる。中央演算装置(CPU)や通信装置(Bluetooth/Wi-Fiなど)などノイズ源と分離されることも、音に関しては有利に働くことだろう。

そこに姿を現した、旭化成エレクトロニクス(AKM)のDACチップ「AK4332」。昨秋発表されたBluetoothイヤホンでの利用を念頭に置く「AK4331」のモノラル版であり、左右ユニット間を無線でつなぐTrue Wireless(完全ワイヤレス)イヤホンを主要ターゲットとして見据えたものだ。そのコンセプトとBluetoothイヤホンにおけるDACチップの可能性を、AKM開発陣に聞くことができた。

インタビューの模様


ハイエンドの技術を完全ワイヤレスイヤホン向けDACで実現

AK4332は、ヘッドホンアンプ内蔵の32ビットDACチップ(関連ニュース)。AKMのサウンドフィロソフィーとそれを実現するためのDACアーキテクチャー「VELVET SOUND」をポータブル機器向けに最適化、2.8mWという圧倒的な低消費電力によりBluetoothイヤホンでも使える単体DACとしたものだ。

「AK4332」は完全ワイヤレスイヤホンなどモバイルデバイス向けのチップながら、同社の上位DACと同様にVELVED SOUNDテクノロジーを採用して高音質を実現する

このAK4332は、2018年秋に発表された「AK4331」の別バージョンという位置付けのチップだ。AK4331は2ch/ステレオ出力のDACで、ネックバンド/オーバーイヤー型のBluetoothイヤホン向け。完全ワイヤレスイヤホンは片側1chで足りるため、AK4332では出力をモノラルにしてさらに消費電力低減を進めた形だ。

つまり、AK4331とAK4332は前述した“SoC化”の流れに物申す兄弟関係のDACチップであり、ハイエンドオーディオで確固たる存在感を示すAKMのポータブルオーディオに対する新提案である。

AKMのポータブル機器への取り組みは、2014年発表のDACチップ「AK4375」を嚆矢とする。以降、およそ1年に1モデルのペースで製品がリリースされ現在に至るが、これまでその狙いは主としてスマートフォンの高音質化にあったという。「低消費電力というキーファクターに我々ができる高音質の要素をくわえ製品化を図った」(小瀧氏)ものが、AK4375に連なるVELVET SOUNDポータブル向けDACチップの姿というわけだ。

AKMのポータブル向けDACチップは、多くのスマートフォン/タブレットに採用実績を持つ(AKMホームページより)

次ページ採用製品は年内登場予定

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「Amazon プライムデー」本セールが7月16日0時からついにスタート!安くなるものを事前チェック!
2 ヨドバシやビック、Amazonプライムデーより安い超特価セール実施中!見比べないと損をする
3 【レビューあり】Amazonプライムセール、JBLの人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!
4 Amazonプライムデー先行セールで「半額」「半額以下」で買えちゃうイヤホン・ヘッドホン
5 Amazonプライムデー、FireTV Stick 4K/4K Maxが過去セール超えの大幅割引中
6 Amazonプライムデー、オーディオテクニカのTWS、ヘッドホン、マイクが多数お買い得に!
7 Amazonプライムデー、読み放題・聴き放題などサブスクも無料に! 登録すべきキャンペーンまとめ
8 Prime Videoの有料チャンネル「アニメタイムズ」が60日間無料。7/17まで
9 ノジマとオーディオスクエアのシナジーで“テレビの音の最適解”を案内。存在感を増すネットワーク&HDMI対応アンプ
10 <ポタフェス>FIIOやiFi audioに「本邦初公開」多数/Noble Audio「FoKus TRIUMPH」は今夏発売
7/16 10:43 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.193
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX