• ブランド
    特設サイト
公開日 2010/05/11 19:32

PCオーディオ/USB-DACから真空管アンプまで、独HIGH ENDの注目モデル一挙紹介

世界初の192kHz/32bit対応USB-DACも
山之内 正
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ミュンヘンのHIGH END 2010のレポートの最後に、筆者の目を引いたいくつかの新製品をランダムに紹介しておこう。

南西ドイツを代表するアンプメーカーのOCTAVEは、真空管プリメインアンプ「V70」をブラッシュアップした「V70SE」とフォノイコライザーアンプの「Phonomodul」を公開した。

Phonomodulは3系統の入力をフロントパネルで切り替えられる

プリメインアンプの人気機種V70にはやくもSEバージョン「V70SE」がデビューした

後者は最大で3系統の入力をそなえ、フロントパネルの切り替えスイッチでカートリッジを瞬時に切り替えて楽しむことができる。会場ではトーンアームとカートリッジを3系統取り付けたターンテーブルシステムでデモンストレーションを行い、Jubilee Preampと組み合わせ、非常に精度の高いサウンドを再現していた。

ドイツのAcoustic Planは、真空管プリアンプを内蔵したユニークなミュージックサーバー「Mudra」を発表。スケルトン仕様で確認すると、手前に500GBのHDDを2基搭載し、そこから一番離れた位置に真空管を用いたアナログアンプ回路が設けられていることがわかる。内蔵するディスクドライブはCDとDVDに対応したティアック製で、D/Aコンバーターは192kHz/24bitに対応している。最先端のデジタルオーディオエンジンと真空管アンプの組み合わせは奇抜に感じるかもしれないが、再生音はワイドレンジでスピード感もあり、きわめて高い水準を実現していた。なお、HDDはSSDに変更することも可能だという。操作は専用のタブレット型端末で行う。

Acoustic Planのミュージックサーバー「Mudra」

「Mudra」専用のタブレット型端末

英国のCambridge Audioは先日紹介したネットワークプレーヤーに加え、今夏発売予定のユニバーサルプレーヤー「Azur 650BD」を公開した。型名から分かる通りBDの再生に対応するほか、CD、SACD、DVD-Video、DVD-Audioをすべてサポートし、1080pへのアップサンプリング機能やアナログ7.1ch出力まで搭載する。これだけ多機能ながら現地価格で10万円を切るレンジに設定しており、価格面でもインパクトが大きい。本機は日本への導入も予定されている。

Cambridge AudioのユニバーサルプレーヤーAzur 650BDと7.1chAVアンプのAzur 650R。Azur 650BDはHDCDの再生にも対応する

イタリアのNorth Star Designからは世界で初めて192kHz/32bitのUSBオーディオに対応したD/Aコンバーター「USB dac32」が登場し、大きな注目を集めた。TIのPCM1795を搭載し、対応ドライバを使用することによって、Windows、Macの両方で192kHz/32bitを実現する(USB2.0が必須)。ジッターレスのリクロック機能、グラウンドの磁気的な遮断によるノイズ低減など、パソコンとの接続環境を改善する技術の搭載も注目に値する。

North Star DesignのUSB dac32は世界で初めて192kHz/32bitをサポートしたUSB-DACで、USBのほかに同軸、光、XLR、I2Sの各デジタル入力も搭載している

英国のCHORDはミニマムサイズのコンポーネント「Chordette」シリーズに複数の製品を投入し、ランナップを拡充する。既発売のGem(D/Aコンバーター)に加え、システムの核になるプリアンプ「Prime」、ヘッドホンアンプ「Toucan」(日本でも発表済み)、フォノアンプ「Dual」、ミニPC「Mogui」という5機種のラインナップが公開された。

Chordetteシリーズのヘッドホンアンプ、toucan。入力を2系統装備する

プリアンプのPrimeはChordetteシリーズのコントロールセンターとして機能する


ミニサイズのPC、Mogui。フロントパネルに2系統のUSB端子を搭載

フォノイコライザーアンプのDual。インピーダンス切り替えなどはフロント側から操作できる


Chordetteシリーズを重ねてセッティングするとこんなイメージになる。僅かなスペースでフルシステムが完成し、デスクトップでも邪魔にならない
5機種とはいっても本体が非常にコンパクトなので、すべて重ねても写真のように小さな空間に収めることができる。もちろん横幅と奥行きはすべて共通で、デザインも統一されている。PCも含めてこのサイズにまとめる発想が非常にユニークだが、ミニマルハイエンドというコンセプトはこれからのオーディオの流れを示唆するもので、興味深い。Gem、Toucan以外の製品の日本への導入はいまのところ未定だという。

(山之内 正)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ブラピとステイサム、賢いのはどっち?86カラットのダイヤを巡る予測不能のクライム・ムービー
2 JMGOの中核機が正統進化!4Kプロジェクター「N1S Pro 4K」は映画ファンの期待に応える完成度
3 ラックスマン「P-100 CENTENNIAL」レビュー!100周年記念“弩級”ヘッドホンアンプを各社ヘッドホンで聴く
4 Acoustune、日本刀のように “薄く、軽く、頑丈” なダイナミック型イヤホン「HS1900X SHINOGI -鎬-」
5 <ヘッドフォン祭>最上位DAPがポケットサイズに!「A&ultima SP3000M」/木と平面駆動にこだわる「SENDY AUDIO」登場
6 “駆けぬける歓び” を加速させる。B&Wのダイヤモンド・トゥイーター搭載、1200万超のBMW旗艦SUVの音質をチェック
7 多彩なコーデックと強力なANCで快適リスニング!「EarFun Air Pro 4」の充実機能と音質を体験
8 <ヘッドフォン祭>B&Wの新TWS「Pi8」「Pi6」“祭”初登場。ワイヤレスヘッドホンカラバリ一挙展示
9 「Nintendo Music」速攻レビュー。何が聴ける?使い勝手は?さっそく使ってみた
10 有機ELテレビはパナソニック「TV-55Z95A」、ソニー「K-55XR80」など今夏新製品が急上昇 <AV製品売れ筋ランキング9月>
11/5 11:25 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX