• ブランド
    特設サイト
公開日 2018/06/26 11:00

マランツ、オリジナルDAC搭載で30万円のSACDプレーヤー「SA-12」

クロックなどSA-10から進化も
編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
マランツは、“12シリーズ”のSACDプレーヤー/USB-DAC「SA-12」を7月13日より発売する。価格は300,000円。

「SA-12」


12シリーズは、マランツのフラグシップとなる“10シリーズ”の技術を多数継承しつつ、さらなる進化を果たしたという新シリーズ。従来の14シリーズ「SA-14S1」(関連ニュース)が生産完了になることもありその後継という位置付けだが、その内容は10シリーズから多くの要素を継承、価格帯も従来より上のクラスとなり、実質的に新たなラインナップが追加されたかたちだ。

同時発表された12シリーズのプリメインアンプ「PM-12」については、こちらの記事で紹介する。

SA-12は、2016年10月発売の旗艦SACDプレーヤー「SA-10」(60万円/税抜、関連ニュース)において開発されたオリジナルDACを継承。ほぼそのままの形で搭載しているとのこと。一方、SA-10のプリアンプ部がフルバランス構成だったのに対して、SA-10はアンバランス構成となる。デジタル回路も構成はほぼ同一だが、採用するパーツなどにおいて差異があるという。

「SA-12」(上)と「PM-12」(下)

ドライブメカも、SA-10で開発されたマランツ独自の「SACDM-3」を継承。メカ本体およびデコーダーがSA-10と同じだが、メカを支えるベース部は異なっている(各部のSA-10との差異は後述する)。

多くを旗艦機から継承する一方で、最新モデルとしてより進化したというのがクロック回路だ。SA-12には、SA-10に搭載されたものから15dBの位相雑音の改善を実現したという最新世代の超低位相雑音クロックが採用された。

SA-12の筐体内部

SA-12の背面端子部

光ディスクディスクは、SACD、CD、ハイレゾファイルを保存したデータディスクの再生をサポート。USB-DACは最大11.2MHz DSDおよび384kHz/32bit PCMの再生に対応する。USB-A端子からは、USBストレージに保存した最大5.6MHz DSDおよび192kHz/24bitのWAV・AIFF・FLACなどの再生が行える。その他、同軸/光デジタル入力・出力も備える。

マランツは発表に先立ち、プレス向けの製品発表会を開催した。発表会の冒頭では、ディーアンドエムホールディングス 国内営業本部 営業企画室 室長の玉木 賢氏が挨拶。12シリーズのコンセプトが、10シリーズからの「継承と進化」であり、10シリーズの資産を継承しつつ最新モデルとしてさらなる進化も遂げたと述べた。また、14シリーズの単純な後継機ではなく、12シリーズとして作り込まれた“リ・ラインナップ”であることも強調した。

玉木 賢氏

発表会では、マランツのサウンドマネージャーである尾形好宣氏、マーケティング担当の高山健一氏がその詳細について説明した。以下に本製品の詳細を説明する。


オリジナルDACをSA-10から継承

SA-12の最大の特徴は、マランツがSA-10において3年以上の歳月をかけて開発したオリジナルDAC「Marantz Musical Mastering」(MMM)を、回路構成など“ほぼそのまま”に搭載している点だ。

多くのオーディオメーカーはESS Technologyや旭化成エレクトロニクスといったチップセット・メーカーが手がける汎用DACチップを用いている。しかし、年々DACチップの選択肢が減っていること、オリジナルDACは実現が困難ながらも汎用DACチップではブラックボックスとなるレベルまでに踏みこんだ音質チューニングが行えることなどから、マランツは新旗艦プレーヤーのSA-10においてオリジナルDACの開発に踏み切り、これをMarantz Musical Masteringとして実現させた。

サウンドマネージャーの尾形好宣氏

今回登場するSA-12は、SA-10の約半分の価格ながら、このオリジナルDACをほぼそのまま継承するに至った。なお、従来モデルのSA-14S1は、バー・ブラウンのDACチップ「DSD1792A」を採用していた。


「Marantz Musical Mastering」の詳細

オリジナルDAC「Marantz Musical Mastering」の詳細については、SA-10のニュース記事で詳しく説明しているが、改めてその概要も紹介しておく。

「Marantz Musical Mastering」のブロック図

Marantz Musical Masteringは、オーバーサンプリング/デジタルフィルターとΔΣ変換により入力されたPCM信号をDSD化する「MMM-Stream」と、DSD信号をアナログ変換する「MMM-Conversion」の2パートから構成される。

「MMM-Stream」を含むSA-12のデジタル回路基板

MMM-Streamは独自アルゴリズムによりPCM信号を11.2MHz/1bitのDSD信号に変換(44.1kHz系の場合。48kHz系は12.3MHz DSDに変換)、後段のMMM-Conversionに送り出す役目を果たす。この過程におけるオーバーサンプリング、デジタルフィルター、ΔΣ変換、ノイズシェーパー、ディザー、レゾネーターなどの処理を全て自社開発のアルゴリズムとパラメーターで行うことで、マランツが理想とするサウンドを狙っている。

MMM-Conversionでは、MMM-Streamから入力される1bit DSD信号をアナログFIRフィルターによってダイレクトにD/A変換する。

次ページコンプリート・アイソレーションシステムをはじめ徹底されたノイズ対策

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX