公開日 2022/11/15 15:16
2022年カーオーディオコンテストの“総仕上げ”。「まいど大阪・秋の車音祭」をレポート
地方イベントとして最大規模の120台が参戦
全国各地で盛り上がるカーオーディオコンテスト。その中でも、地方イベントとしては最大規模を誇るのが、AV KANSAI/イースト/オートステーションK2/カーオーディオクラブが主催する「まいど大阪 車音祭」である。毎年春と秋の2回開催されているが、ここでは11月6日(日)に大阪・南港で開催された「秋の車音祭2022」をレポートしよう。
今年の「秋の車音祭」には、東北から四国まで全国から120台の車が集結。会場は大阪・南港ATCのピロティ広場。大阪湾を臨む絶好のロケーションで、海風も心地よく、日中は半袖で過ごせそうなほどの暖かな陽気。カーオーディオ以外にも、新車のお披露目会や試乗会など車関係のイベントがよく開催される場所だという。
今回のコンテストでは全部で11コースが用意された。価格帯別クラスの「A」「B」「C」と、初参加の車限定の価格帯別クラス「ファーストA」「ファーストB」「ファーストC」、4名の評論家がそれぞれ審査する「評論家クラス」、そして評論家2名による審査を受ける「エキスパートクラス」がある。価格帯別クラスについては、Aクラスは200万円以上、Bクラスは100〜200万円まで、Cクラスは100万円以下または純正システムでの参加という区分けがされている。
「秋の車音祭」は、年内に開催される最後の大型イベントでもあり、この1年間の取り組みがどう評価されるか、あるいは来年に向けての課題を発見するという意味でも重要な位置付けのイベントとなる。
その特徴のひとつが、価格帯別クラス以外に「評論家クラス」が設けられていること。今回は、小原由夫氏、山之内正氏、生形三郎氏、峯岸良行氏の4名のコースが設けられており、「審査員の好みの傾向を探る」“審査員逆評価”ができる点も面白い。
「ファーストA」「ファーストB」「ファーストC」「A」「B」「C」各コースについては、全国から特にスキルの高いショップインストーラーなどが参戦。ジパング道祖尾さん(鳥取県)、サウンドフリークス佐藤さん(岩手県)、イングラフ木村さん(青森県)、ガレージショウエイ吉岡さん(高知県)、ルロワ小山さん(愛知県)、それにBLAM等の輸入代理店を務めるトライムの石井さんが審査を行った。
ちなみに複数のコースにエントリーすることも可能で、車のフロントガラスにステッカーを貼り付けて参加コースを表明する。「審査員コース」を複数申し込むなど、5つ以上のコースに参加する気合いの入った車両も。なおプレーヤーに制限はなくCDでも参加可能だが、ほとんどの車はソニー/Astell&Kern/FiiO/iBasso AudioのDAP、もしくはオーディオテクニカのデジタルプレーヤーを使用しハイレゾで参加していた。
今回の基準車として用意されたのは、AV KANSAIのBMWと、カーオーディオクラブのベンツE350の2台。審査開始前に試聴した峯岸氏は、「どちらも非常にハイレベルな車になっていますが、特にベンツは位相も正確でユニット間の音の繋がりも良好。このレベルの車がどれだけあるか楽しみです」とコンテストへの期待を高める。
また課題曲に選ばれたのは、millennium parade&Belleの「U(English Version)」と、アンドレア・バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団による『オーケストラ名曲集』から「《キャンディード》序曲」の2曲。かたや打ち込み系、かたやクラシックと、それぞれ雰囲気は大きく違うものの、いずれも「低域表現」が難しい楽曲。またクラシック楽曲については、弦楽器や管楽器それぞれの声部をバランスよく描き出すことも大きなポイントとなる。
小原氏も「2曲とも低域表現の難しさが共通しているので、その点では差がつきにくい」とコメント。逆に“できている車”と“できていない車”の差が際立つことにもなったという。
いくつかの車で試聴させてもらったが、切れ味の良い低域表現が実現できている車がある一方で、あと一歩の立ち上がりの良さやスピード感が欲しい、と感じた車もあり、「課題曲」として選ばれるだけの再生の難しさがあることを改めて認識。中には、「U(English Version)」の人間的な生々しさと機械的なサウンドが絶妙な塩梅で調和し、こういう曲だったのか、とハッとさせられるものもあった。
バッティストーニによる「キャンディード」は、特に冒頭の速いパッセージの連続が序曲ならではの期待を煽る。その期待度の高さをテンション高く表現できているか、あるいはそれぞれの楽器を混濁させないできちんと分離できているかといった点で、上位に食い込む車は基本を抑えつつも細部まできちんと追い込んでいることを感じさせてくれた。
メーカーごとのブースも設けられており、スピーカーユニットの新製品がお披露目されたり、静音アイテムやドラレコといった関連アクセサリーなども展示され、審査の合間に見て回ることもできた。昼過ぎにはビンゴ大会も開催、子ども向けには大きなぬいぐるみや自転車が、大人向けには日本酒飲み比べセットやすき焼きセットなどの豪華景品が用意され、家族ぐるみで楽しめるのも「まいど大阪」ならではの特徴だ。
夕方17時には審査も終了し、集計が行われたあとにそれぞれのコースの表彰式を実施。上位10位までが入賞者として壇上に呼ばれ、トロフィーが贈られた。また、あと一歩で入賞、あるいは審査員の目に留まった車に対しては特別賞も授与された。
エキスパートクラスでは、青森県の須田山徹雄さんのBMWが60点オーバーという高得点で優勝。さらに上位5名の中にイングラフ担当の車が3台、AV KANSAI堺担当の車が1台とショップの強さを見せつける結果ともなった。
エキスパートコースを担当した小原氏は最後の講評にて、「低音をどうコントロールするかということに加えて、打楽器の反復のリズムをきちんと前方に結び合わせているものが上位に来ています」と今回の評価のポイントを解説。それに加えて、「U」はゴージャスな雰囲気を、クラシックについてはダイナミックな雰囲気を描き出せているものがさらなる高得点につながったと付け加える。
生形氏は「原理原則に則ったアコースティックな部分の調整が肝になる」とコメント、オーディオの基本に立ち返ってサウンドチューニングを行った車が自然な音を再現できているのではないかと改めて呼びかけた。
カーオーディオのコンテストは、この「秋まいど」を最後にオフシーズンとなり、来春の「イーストジャパンコンテスト」「春まいど」を待つこととなる。帰り際には「また来年!」という声も聞こえ、参加者はそれぞれに来年度に向けた手応えを掴んで帰路に着いていった。
今年の「秋の車音祭」には、東北から四国まで全国から120台の車が集結。会場は大阪・南港ATCのピロティ広場。大阪湾を臨む絶好のロケーションで、海風も心地よく、日中は半袖で過ごせそうなほどの暖かな陽気。カーオーディオ以外にも、新車のお披露目会や試乗会など車関係のイベントがよく開催される場所だという。
今回のコンテストでは全部で11コースが用意された。価格帯別クラスの「A」「B」「C」と、初参加の車限定の価格帯別クラス「ファーストA」「ファーストB」「ファーストC」、4名の評論家がそれぞれ審査する「評論家クラス」、そして評論家2名による審査を受ける「エキスパートクラス」がある。価格帯別クラスについては、Aクラスは200万円以上、Bクラスは100〜200万円まで、Cクラスは100万円以下または純正システムでの参加という区分けがされている。
「秋の車音祭」は、年内に開催される最後の大型イベントでもあり、この1年間の取り組みがどう評価されるか、あるいは来年に向けての課題を発見するという意味でも重要な位置付けのイベントとなる。
その特徴のひとつが、価格帯別クラス以外に「評論家クラス」が設けられていること。今回は、小原由夫氏、山之内正氏、生形三郎氏、峯岸良行氏の4名のコースが設けられており、「審査員の好みの傾向を探る」“審査員逆評価”ができる点も面白い。
「ファーストA」「ファーストB」「ファーストC」「A」「B」「C」各コースについては、全国から特にスキルの高いショップインストーラーなどが参戦。ジパング道祖尾さん(鳥取県)、サウンドフリークス佐藤さん(岩手県)、イングラフ木村さん(青森県)、ガレージショウエイ吉岡さん(高知県)、ルロワ小山さん(愛知県)、それにBLAM等の輸入代理店を務めるトライムの石井さんが審査を行った。
ちなみに複数のコースにエントリーすることも可能で、車のフロントガラスにステッカーを貼り付けて参加コースを表明する。「審査員コース」を複数申し込むなど、5つ以上のコースに参加する気合いの入った車両も。なおプレーヤーに制限はなくCDでも参加可能だが、ほとんどの車はソニー/Astell&Kern/FiiO/iBasso AudioのDAP、もしくはオーディオテクニカのデジタルプレーヤーを使用しハイレゾで参加していた。
今回の基準車として用意されたのは、AV KANSAIのBMWと、カーオーディオクラブのベンツE350の2台。審査開始前に試聴した峯岸氏は、「どちらも非常にハイレベルな車になっていますが、特にベンツは位相も正確でユニット間の音の繋がりも良好。このレベルの車がどれだけあるか楽しみです」とコンテストへの期待を高める。
また課題曲に選ばれたのは、millennium parade&Belleの「U(English Version)」と、アンドレア・バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団による『オーケストラ名曲集』から「《キャンディード》序曲」の2曲。かたや打ち込み系、かたやクラシックと、それぞれ雰囲気は大きく違うものの、いずれも「低域表現」が難しい楽曲。またクラシック楽曲については、弦楽器や管楽器それぞれの声部をバランスよく描き出すことも大きなポイントとなる。
小原氏も「2曲とも低域表現の難しさが共通しているので、その点では差がつきにくい」とコメント。逆に“できている車”と“できていない車”の差が際立つことにもなったという。
いくつかの車で試聴させてもらったが、切れ味の良い低域表現が実現できている車がある一方で、あと一歩の立ち上がりの良さやスピード感が欲しい、と感じた車もあり、「課題曲」として選ばれるだけの再生の難しさがあることを改めて認識。中には、「U(English Version)」の人間的な生々しさと機械的なサウンドが絶妙な塩梅で調和し、こういう曲だったのか、とハッとさせられるものもあった。
バッティストーニによる「キャンディード」は、特に冒頭の速いパッセージの連続が序曲ならではの期待を煽る。その期待度の高さをテンション高く表現できているか、あるいはそれぞれの楽器を混濁させないできちんと分離できているかといった点で、上位に食い込む車は基本を抑えつつも細部まできちんと追い込んでいることを感じさせてくれた。
メーカーごとのブースも設けられており、スピーカーユニットの新製品がお披露目されたり、静音アイテムやドラレコといった関連アクセサリーなども展示され、審査の合間に見て回ることもできた。昼過ぎにはビンゴ大会も開催、子ども向けには大きなぬいぐるみや自転車が、大人向けには日本酒飲み比べセットやすき焼きセットなどの豪華景品が用意され、家族ぐるみで楽しめるのも「まいど大阪」ならではの特徴だ。
夕方17時には審査も終了し、集計が行われたあとにそれぞれのコースの表彰式を実施。上位10位までが入賞者として壇上に呼ばれ、トロフィーが贈られた。また、あと一歩で入賞、あるいは審査員の目に留まった車に対しては特別賞も授与された。
エキスパートクラスでは、青森県の須田山徹雄さんのBMWが60点オーバーという高得点で優勝。さらに上位5名の中にイングラフ担当の車が3台、AV KANSAI堺担当の車が1台とショップの強さを見せつける結果ともなった。
エキスパートコースを担当した小原氏は最後の講評にて、「低音をどうコントロールするかということに加えて、打楽器の反復のリズムをきちんと前方に結び合わせているものが上位に来ています」と今回の評価のポイントを解説。それに加えて、「U」はゴージャスな雰囲気を、クラシックについてはダイナミックな雰囲気を描き出せているものがさらなる高得点につながったと付け加える。
生形氏は「原理原則に則ったアコースティックな部分の調整が肝になる」とコメント、オーディオの基本に立ち返ってサウンドチューニングを行った車が自然な音を再現できているのではないかと改めて呼びかけた。
カーオーディオのコンテストは、この「秋まいど」を最後にオフシーズンとなり、来春の「イーストジャパンコンテスト」「春まいど」を待つこととなる。帰り際には「また来年!」という声も聞こえ、参加者はそれぞれに来年度に向けた手応えを掴んで帰路に着いていった。