HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2004/01/13 11:20
<山之内 正のCES2004レポート 6>LINNが今春の目玉となる新製品をお披露目
左)ARTIKULAT5.1チャンネルシステム 右)CHAKRAのシンボルが刻印されたKLIMAX CHAKRA 500TWIN |
新しいアンプ技術「CHAKRA(チャクラ)」は、モノリシック回路とバイポーラトランジスタ回路を組み合わせ、それぞれの利点を両立させることを狙った技術である。通常音量時はモノリシック回路で応答性やリニアリティを重視し、大音量時にはバイポーラ回路が増幅の大半を受け持って歪み特性などを改善する。大雑把に言えばそういうことだが、実際には駆動方式に多くの独自技術を投入して、洗練された回路を構成しているようだ。この技術を利用した最初のアンプとして、KLIMAX CHAKRA 500TWINが発売されるが、同社の説明によると、新技術の採用によってフラグシップ機KLIMAX SOLOに限りなく近い再生音を実現するという。なお、「チャクラ」は人間の7つの感覚、中枢を意味する。すべての感覚を刺激する音を出したいという期待を込めたそうだ。
今春にも登場するスピーカーの新製品にも、この技術が生かされている。「ARTIKULAT」と名付けられた新シリーズは、5ウェイのフロア型「350A/350」、センター「340A/340」、ブックシェルフ「320A/320」、サブウーファー「345」の4機種で構成され、型名にAが付いたモデルは全帯域を内蔵アンプでアクティブ駆動し、Aが付かないモデルはウーファーのみアクティブ駆動を行う(パッシブ駆動も可能)。
この内蔵アンプの技術にも、新たに開発されたCHAKRA技術が導入されているという。コムリを継承する3kドライバアレイやアクティブバス技術に加えてCHAKRAを追加した狙いは、各帯域を高い次元でコントロールして、理想のユニット駆動を実現することにあるのだろう。アンプはキャビネット背面に配置され、外側にヒートシンクが見えるが、出力の大きさの割にアンプユニットが小さいことが目を引く。
会場では、ARTIKULATで構成した5.1チャンネルシステムにUNIDISKとKISTOを組み合わせ、音楽DVDをメインソースにしたデモンストレーションが行われた。コムリに通じる反応のよい開放的なベースに加えて、自然で伸びのよいボーカルが強い印象を残した。アンプとスピーカーそれぞれの完成度が上がったことで、リンがこの数年目指してきた音の全体像がはっきり浮かび上がってきたように思う。
(山之内 正)
[ces2004]