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公開日 2006/10/23 13:33
DVD-RW/-Rの新規格登場へ:RWPPIが第39回定期ミーティングを開催
RWプロダクツ・プロモーション・イニシアティブ(略称:RWPPI)は、第39回目となる定例会議をパイオニア(株)の目黒本社にて開催した。
開会に先立ち、代表の相澤宏紀氏が挨拶を行った。相澤氏は「今年も年末商戦に向けて各社から数多くのDVDレコーダーが発表され、市場が相当な盛り上がりを見せてくれるものと期待している」と語るとともに、「DVDレコーダーの普及率は昨年と比較しても、さらに高まっているという調査結果もある。DVD-R/DVD-RWの新規格も、このほど提案されており、これらの互換性検証を進めるRWPPIの役割もさらに重要性が高まるものと思う。今後もRWPPIとしてDVD-R/DVD-RWの特長である互換性を確保しながら、市場のさらなる発展を皆様と実現したい」と抱負を語った。
なお、本会議より新たにRWPPI事務局長に就任する運びとなった森下正巳氏が相澤氏より紹介され、満場の拍手を持って迎え入れられた。
続いてパイオニア(株)より、技術開発本部 標準化支援・著作権センターの青木尚美氏が登壇した。昨今話題となっているデジタル音楽やデジタル放送の著作権に関連して、私的録音録画補償金制度の見直しが今業界において進められつつある。その現場において活動する青木氏からは、制度の現状と検討課題に関する説明が行われた。
平成4年に導入された私的録音録画補償金制度はその内容について、導入当時から現在までの間における環境の変化にともない、大幅な見直しが今求められていると青木氏は語る。文化庁の諮問機関である文化審議会著作権分科会では現在同制度の見直しに関する議論を進めている。
JEITAの著作権専門委員会は議論がスタートした当初から同制度の構造的な課題を指摘するとともに、現状制度の廃止を含めた抜本的な見直案を同議会に提案しきたと青木氏は語る。コンテンツ産業やメーカーのみならず録画録音が可能な機器のユーザー、および権利者であるクリエーターの利益を考慮したルールづくりが、JEITAの提案におけるコアとなるテーマだ。
JEITAが提案する方向性としては、例えばダウンロードコンテンツのDRMのように、“技術”と“契約”を活用して、複製のコントロールと正当な対価徴収を可能にするビジネスモデルを業界全体でかたちづくろうというものだ。あるコンテンツの録音録画について、利用者とクリエーターの利益を守りながら、同時に違法複製の防止にもつなげていけるような、技術と契約を軸としたエンターテインメント環境の実現をJEITAは期待している。
文化審議会著作権分科会では本年4月より私的録音録画小委員会を内部に設置して検討を開始し、これまでに録音録画に関する実態調査などを行い検討課題の抽出と整理を進めてきたが、本年後半からは具体的な課題の審議が進められており、来年中には最終報告が取りまとめられる予定だ。「今年末か来年前半に議論の方向性が見えてきた時点で再度アップデートしたい」と青木氏は語った。
とかく昨今はBlu-rayやHD DVDといった次世代の光ディスクメディアが市場の話題を賑やかにしがちだが、一方で現在ユーザーの間で最も一般的に使用されている録画用光ディスクであるDVDメディアも進化を続けている。引き続き、DVDフォーラム WG6チェアマンであるパイオニア(株)谷口昭史氏から、DVD-RW/DVD-Rメディアの新規格に関する情報が発表された。
今年、DVDフォーラムのWG6ではDVD-R DLについて2回のラウンドロビンテストを実施した。その成果として、同フォーマットについて、新たに10倍速、12倍速記録の対応が確認された。同WGでは、合わせて各記録機器で必須条件として、2倍速のベーシックレコーディングスピードに対応するべきこと、並びにDVD-R DLディスクの上限記録速度を12倍とすることなどが取り決められ、本年11月にフォーラムにおける最終的な承認が得る予定であるという。
また、DVD-R DLをベースにリライタブル機能を追加したフォーマットとなるDVD-RW DLの最新規格ver.2.0の概略についても谷口氏の説明があった。今年の9月にフォーラムにおいて正式な承認を受けたDVD-RW DLフォーマットについては、ver.1.9からスペックアップが図られるとともに、初期の記録スピードが2倍速となる見込みだ。35mWの記録パワーにより書込を行い、ライトストラテジーは片面1層ディスクと異なる方式を採用することも決定された。今後は商品化に向けて、DVDレコーダーやDVDカムコーダーにおいて、長時間記録が可能な書換メディアとして訴求されて行きそうだ。
続いて行われたDVDレコーダーの新製品紹介の段では、はじめにパイオニア(株)の新しいDVDレコーダーが同社の宮崎武雄氏によって紹介された。同社の2006年秋冬新製品は、ハイビジョン録画時代の到来に合わせて“大量録画時代の快適操作”をテーマに開発が行われ、増設HDD対応、デジタル放送の視聴をシンプルに楽しむためのスマートリモコン、加えてハイビジョン表示対応のGUI搭載など、魅力的な機能を盛り込んでいる。宮崎氏は、同社製品の代表的な新機能について、実機「DVR-DT95」によるデモンストレーションを交えて詳しく紹介を行った。
続いてソニー(株)より、DVDレコーダー“スゴ録”シリーズの新製品紹介が木下淳氏より行われた。同社は今秋の“スゴ録”新製品について、デジタル2番組同時録画機能をはじめ、EPG上での番組検索機能、デジカメ写真の演出機能、PSPと連動した「おでかけ・お帰り転送」など使い勝手についての強化を行ってきた。「特に昨今はデジカメ写真が高画質化するに伴い、家庭でHDクオリティの写真を気軽に楽むための機能を充実させることが大きなテーマだった」する木下氏は、実機「RDZ-D700」を使ったデモンストレーションを行い、新製品の多彩な機能を実演した。
会議の最後には、日本オーディオ協会 専務理事の藤本正煕氏により、「オーディオ復活への道は」と題された特別講演が開催された。藤本氏は日本ビクター(株)において音響機器、および室内音響の研究開発に関わった後、69年にはビクター青山スタジオを稼働させるなどマルチトラック録音導入期のスタジオ録音施設開発にも携わってきた経歴を持つ、オーディオ・ビジュアル業界のスペシャリストだ。
オーディオ機器市場は88年をピークに05年までに約40%の規模縮小となっているのが現状であるとする藤本氏は、「最近は音楽好きがいなくなったわけではないが、デジタル化が進んだことによって、若い世代を中心に実用性や情報性を重視して音楽を消費するファンが増えている」と指摘した。
最近「元気がない」と言われるオーディオ市場について、藤本氏は幾つかの事例を出しながら反論した。これについては「三菱のダイヤトーンスピーカーの復活に注目が集まっていることや、アナログレコードの人気が再燃していることなど、団塊世代のオーディオ回帰と、それに応える商品が充実してきたことに期待が持てる」と藤した。またiPodをはじめとする携帯オーディオで音楽を聴く世代に“ワンランク上の高音質”を提案する商品が充実してきたことも、藤本氏は注目すべきトレンドであると語った。
オーディオ人気再燃の期待について触れた藤本氏は、オーディオ復活のため「魅力的な製品が、今日も各メーカーから生まれていることを世の中へ積極的にアピールすることが大切。最新のライフスタイルにもマッチするオーディオ製品があることや、良い音がもたらす感動を広く伝え、新しいファン層を開拓していく工夫も必要だ」と語る。最後に藤本氏は、オーディオ協会としては大規模なイベントの開催や、ホームページの充実化等による活動を続けていることを紹介しながら、「日本のオーディオ事業のポテンシャルをさらに高め、今後も世界をリードして行きたい。オーディオ協会として皆様に最大限のサポートを行っていきたい」と締め括った。
(Phile-web編集部)
開会に先立ち、代表の相澤宏紀氏が挨拶を行った。相澤氏は「今年も年末商戦に向けて各社から数多くのDVDレコーダーが発表され、市場が相当な盛り上がりを見せてくれるものと期待している」と語るとともに、「DVDレコーダーの普及率は昨年と比較しても、さらに高まっているという調査結果もある。DVD-R/DVD-RWの新規格も、このほど提案されており、これらの互換性検証を進めるRWPPIの役割もさらに重要性が高まるものと思う。今後もRWPPIとしてDVD-R/DVD-RWの特長である互換性を確保しながら、市場のさらなる発展を皆様と実現したい」と抱負を語った。
なお、本会議より新たにRWPPI事務局長に就任する運びとなった森下正巳氏が相澤氏より紹介され、満場の拍手を持って迎え入れられた。
続いてパイオニア(株)より、技術開発本部 標準化支援・著作権センターの青木尚美氏が登壇した。昨今話題となっているデジタル音楽やデジタル放送の著作権に関連して、私的録音録画補償金制度の見直しが今業界において進められつつある。その現場において活動する青木氏からは、制度の現状と検討課題に関する説明が行われた。
平成4年に導入された私的録音録画補償金制度はその内容について、導入当時から現在までの間における環境の変化にともない、大幅な見直しが今求められていると青木氏は語る。文化庁の諮問機関である文化審議会著作権分科会では現在同制度の見直しに関する議論を進めている。
JEITAの著作権専門委員会は議論がスタートした当初から同制度の構造的な課題を指摘するとともに、現状制度の廃止を含めた抜本的な見直案を同議会に提案しきたと青木氏は語る。コンテンツ産業やメーカーのみならず録画録音が可能な機器のユーザー、および権利者であるクリエーターの利益を考慮したルールづくりが、JEITAの提案におけるコアとなるテーマだ。
JEITAが提案する方向性としては、例えばダウンロードコンテンツのDRMのように、“技術”と“契約”を活用して、複製のコントロールと正当な対価徴収を可能にするビジネスモデルを業界全体でかたちづくろうというものだ。あるコンテンツの録音録画について、利用者とクリエーターの利益を守りながら、同時に違法複製の防止にもつなげていけるような、技術と契約を軸としたエンターテインメント環境の実現をJEITAは期待している。
文化審議会著作権分科会では本年4月より私的録音録画小委員会を内部に設置して検討を開始し、これまでに録音録画に関する実態調査などを行い検討課題の抽出と整理を進めてきたが、本年後半からは具体的な課題の審議が進められており、来年中には最終報告が取りまとめられる予定だ。「今年末か来年前半に議論の方向性が見えてきた時点で再度アップデートしたい」と青木氏は語った。
とかく昨今はBlu-rayやHD DVDといった次世代の光ディスクメディアが市場の話題を賑やかにしがちだが、一方で現在ユーザーの間で最も一般的に使用されている録画用光ディスクであるDVDメディアも進化を続けている。引き続き、DVDフォーラム WG6チェアマンであるパイオニア(株)谷口昭史氏から、DVD-RW/DVD-Rメディアの新規格に関する情報が発表された。
今年、DVDフォーラムのWG6ではDVD-R DLについて2回のラウンドロビンテストを実施した。その成果として、同フォーマットについて、新たに10倍速、12倍速記録の対応が確認された。同WGでは、合わせて各記録機器で必須条件として、2倍速のベーシックレコーディングスピードに対応するべきこと、並びにDVD-R DLディスクの上限記録速度を12倍とすることなどが取り決められ、本年11月にフォーラムにおける最終的な承認が得る予定であるという。
また、DVD-R DLをベースにリライタブル機能を追加したフォーマットとなるDVD-RW DLの最新規格ver.2.0の概略についても谷口氏の説明があった。今年の9月にフォーラムにおいて正式な承認を受けたDVD-RW DLフォーマットについては、ver.1.9からスペックアップが図られるとともに、初期の記録スピードが2倍速となる見込みだ。35mWの記録パワーにより書込を行い、ライトストラテジーは片面1層ディスクと異なる方式を採用することも決定された。今後は商品化に向けて、DVDレコーダーやDVDカムコーダーにおいて、長時間記録が可能な書換メディアとして訴求されて行きそうだ。
続いて行われたDVDレコーダーの新製品紹介の段では、はじめにパイオニア(株)の新しいDVDレコーダーが同社の宮崎武雄氏によって紹介された。同社の2006年秋冬新製品は、ハイビジョン録画時代の到来に合わせて“大量録画時代の快適操作”をテーマに開発が行われ、増設HDD対応、デジタル放送の視聴をシンプルに楽しむためのスマートリモコン、加えてハイビジョン表示対応のGUI搭載など、魅力的な機能を盛り込んでいる。宮崎氏は、同社製品の代表的な新機能について、実機「DVR-DT95」によるデモンストレーションを交えて詳しく紹介を行った。
続いてソニー(株)より、DVDレコーダー“スゴ録”シリーズの新製品紹介が木下淳氏より行われた。同社は今秋の“スゴ録”新製品について、デジタル2番組同時録画機能をはじめ、EPG上での番組検索機能、デジカメ写真の演出機能、PSPと連動した「おでかけ・お帰り転送」など使い勝手についての強化を行ってきた。「特に昨今はデジカメ写真が高画質化するに伴い、家庭でHDクオリティの写真を気軽に楽むための機能を充実させることが大きなテーマだった」する木下氏は、実機「RDZ-D700」を使ったデモンストレーションを行い、新製品の多彩な機能を実演した。
会議の最後には、日本オーディオ協会 専務理事の藤本正煕氏により、「オーディオ復活への道は」と題された特別講演が開催された。藤本氏は日本ビクター(株)において音響機器、および室内音響の研究開発に関わった後、69年にはビクター青山スタジオを稼働させるなどマルチトラック録音導入期のスタジオ録音施設開発にも携わってきた経歴を持つ、オーディオ・ビジュアル業界のスペシャリストだ。
オーディオ機器市場は88年をピークに05年までに約40%の規模縮小となっているのが現状であるとする藤本氏は、「最近は音楽好きがいなくなったわけではないが、デジタル化が進んだことによって、若い世代を中心に実用性や情報性を重視して音楽を消費するファンが増えている」と指摘した。
最近「元気がない」と言われるオーディオ市場について、藤本氏は幾つかの事例を出しながら反論した。これについては「三菱のダイヤトーンスピーカーの復活に注目が集まっていることや、アナログレコードの人気が再燃していることなど、団塊世代のオーディオ回帰と、それに応える商品が充実してきたことに期待が持てる」と藤した。またiPodをはじめとする携帯オーディオで音楽を聴く世代に“ワンランク上の高音質”を提案する商品が充実してきたことも、藤本氏は注目すべきトレンドであると語った。
オーディオ人気再燃の期待について触れた藤本氏は、オーディオ復活のため「魅力的な製品が、今日も各メーカーから生まれていることを世の中へ積極的にアピールすることが大切。最新のライフスタイルにもマッチするオーディオ製品があることや、良い音がもたらす感動を広く伝え、新しいファン層を開拓していく工夫も必要だ」と語る。最後に藤本氏は、オーディオ協会としては大規模なイベントの開催や、ホームページの充実化等による活動を続けていることを紹介しながら、「日本のオーディオ事業のポテンシャルをさらに高め、今後も世界をリードして行きたい。オーディオ協会として皆様に最大限のサポートを行っていきたい」と締め括った。
(Phile-web編集部)