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公開日 2007/04/12 17:09
<Display 2007 基調講演>ソニー・井原氏 − BRAVIAはインターネットとの連携を強化
東京ビッグサイトで開催中のイベント「第17回 FINETECH JAPAN」では、12日の特別招待講演にソニー(株)代表執行役 副社長 テレビ・ビデオ事業部長の井原勝美氏が登壇し、薄型テレビ“BRAVIA”を中心とした今後の戦略を語った。
■世界規模で“BRAVIA”の人気が好調 − 薄型テレビの大型化・フルHD化も加速
はじめに同社の液晶テレビ事業について、2004年から今日までの歩みを振り返った井原氏は「2004年4月にS-LCDを設立したが、当時は年間の液晶テレビの売上げ台数は100万台だった。その後2005年秋に“BRAVIA”のブランドを立ち上げ、今日に至るまでワールドワイドで大きな支持を集めてきた。現在は韓国にS-LDCの第8世代パネル工場を、スロバキアに欧州向けの生産工場を建設しており、本格稼働に向けた準備も着実に進んでいる」と説明しながら、さらに「07年は年間売上げ1,000万台を目標としたい」と意気込みを語った。
続いて薄型テレビの世界市場動向を紹介した井原氏は「37インチ以上の売上げ台数が伸びている。DisplaySearch社の調査資料によれば、06年度下期には42%の構成比率となっており、フルHDの比率も24%を占めるに至っている」とし、今後も世界規模で薄型テレビの大型化・フルHD化が進むと予測を示した。
■今年のBRAVIAハイエンドモデルにも高画質“v2.5”エンジンを搭載
テレビの進化の方向性に引き続き、同社の薄型テレビBRAVIAの進化について井原氏は語った。その進化の大きなポイントとして「画質性能向上」「大型化」「アプリケーションの拡大」が示された。
画質の進化については、本年春夏シーズンの主力モデルとなる「J5000シリーズ」(関連ニュース)に採用された120Hz駆動パネルをベースとした“モーションフロー”や“10bitパネル”などの新技術が紹介された。また高画質回路「ブラビアエンジン」について触れた井原氏は「現在ハイビジョン信号の高画質処理を実現した“DRC-MF v2”エンジンをさらに改良し、SDからアップコンバートされた信号もより快適に楽しんで頂ける“v2.5”エンジンを既に開発している。今年のハイエンドモデルにも投入ができるはずだ」と説明した。<お詫びと訂正>初出時に“DRC-MF v2.5”エンジンをソニーが現在開発中と表記しましたが、これは誤りでした。発言の正しい主旨は「既に開発したv2.5エンジンを、今年のハイエンドモデルではさらに多くの製品に搭載する」ということでした。お詫びして訂正致します。(Phile-web編集部)
アプリケーションの拡大戦略については、インターネットとの連携による新機能の強化戦略が紹介された。同社がBRAVIAとインターネットの連携を強めていく背景について井原氏は「インターネット上のビデオコンテンツを気軽に楽しむ文化が浸透しはじめている。今はPCで楽しむのが一般的だが、本来はテレビがこれを積極的に取り込んでいくべきと考えている」とした。インターネット機能の搭載については北米と日本ではアプローチを変えて取り組まれていく。北米ではCES2007の会場でも紹介された「BRAVIA Internet Video Link」(関連ニュース)を軸に、ブロードバンドの映像配信と結びついたビジネスモデルが今夏よりスタートする。国内については「BRAVIA Jシリーズ」に搭載される“アプリキャスト”をメインに、国内のコンテンツプロバイダーと連携した情報提供サービスを推進していく考えが井原氏により紹介された。
■DLNA機能やデジカメとの連携によりコンテンツの楽しみ方を広げる
さらにテレビを核とした他のオーディオ・ビジュアル機器との連携についても井原氏は取り上げた。DLNAをベースにした家庭内LAN接続による連携については「“ソニールームリンク”のコンセプトネームを掲げて推進していきたい。部屋間でコンテンツをシェアする新しい楽しみ方を提案できるだろう」と期待を語った。また「デジタルカメラで撮影した写真をフルHD対応のテレビで、迫力いっぱいに楽める魅力もユーザーに訴求することも今年の大きなテーマの一つとして取り組むべきと考えている」とした。
■リアプロはより薄型のモデルを開発中
講演終了後の質疑応答では、同社のリアプロジェクションテレビに関するビジネス展開についての質問が寄せられた。これに答えた井原氏は「当社のSXRDタイプのモデルはまだ検討しているものの、現状のリアプロビジネスは液晶やPDPに押されて難しい状況にあると認識している。一番の弱点は商品自体の“厚さ”にあると考えている。これを克服するため、現在、薄型の製品開発を進めている。これ以外にもリアプロが抱える幾つかの問題があるが、当社ではリアプロの持っている競争力をもう一度見直し、“大画面がハイCPで楽しめる”というデバイスの特徴をアピールしていく方向を探って行きたい」と語った。
なお、本日の講演で井原氏が語った「有機ELディスプレイの事業展開」に関する詳細は別項を参照いただきたい。
(Phile-web編集部)
■世界規模で“BRAVIA”の人気が好調 − 薄型テレビの大型化・フルHD化も加速
はじめに同社の液晶テレビ事業について、2004年から今日までの歩みを振り返った井原氏は「2004年4月にS-LCDを設立したが、当時は年間の液晶テレビの売上げ台数は100万台だった。その後2005年秋に“BRAVIA”のブランドを立ち上げ、今日に至るまでワールドワイドで大きな支持を集めてきた。現在は韓国にS-LDCの第8世代パネル工場を、スロバキアに欧州向けの生産工場を建設しており、本格稼働に向けた準備も着実に進んでいる」と説明しながら、さらに「07年は年間売上げ1,000万台を目標としたい」と意気込みを語った。
続いて薄型テレビの世界市場動向を紹介した井原氏は「37インチ以上の売上げ台数が伸びている。DisplaySearch社の調査資料によれば、06年度下期には42%の構成比率となっており、フルHDの比率も24%を占めるに至っている」とし、今後も世界規模で薄型テレビの大型化・フルHD化が進むと予測を示した。
■今年のBRAVIAハイエンドモデルにも高画質“v2.5”エンジンを搭載
テレビの進化の方向性に引き続き、同社の薄型テレビBRAVIAの進化について井原氏は語った。その進化の大きなポイントとして「画質性能向上」「大型化」「アプリケーションの拡大」が示された。
画質の進化については、本年春夏シーズンの主力モデルとなる「J5000シリーズ」(関連ニュース)に採用された120Hz駆動パネルをベースとした“モーションフロー”や“10bitパネル”などの新技術が紹介された。また高画質回路「ブラビアエンジン」について触れた井原氏は「現在ハイビジョン信号の高画質処理を実現した“DRC-MF v2”エンジンをさらに改良し、SDからアップコンバートされた信号もより快適に楽しんで頂ける“v2.5”エンジンを既に開発している。今年のハイエンドモデルにも投入ができるはずだ」と説明した。<お詫びと訂正>初出時に“DRC-MF v2.5”エンジンをソニーが現在開発中と表記しましたが、これは誤りでした。発言の正しい主旨は「既に開発したv2.5エンジンを、今年のハイエンドモデルではさらに多くの製品に搭載する」ということでした。お詫びして訂正致します。(Phile-web編集部)
アプリケーションの拡大戦略については、インターネットとの連携による新機能の強化戦略が紹介された。同社がBRAVIAとインターネットの連携を強めていく背景について井原氏は「インターネット上のビデオコンテンツを気軽に楽しむ文化が浸透しはじめている。今はPCで楽しむのが一般的だが、本来はテレビがこれを積極的に取り込んでいくべきと考えている」とした。インターネット機能の搭載については北米と日本ではアプローチを変えて取り組まれていく。北米ではCES2007の会場でも紹介された「BRAVIA Internet Video Link」(関連ニュース)を軸に、ブロードバンドの映像配信と結びついたビジネスモデルが今夏よりスタートする。国内については「BRAVIA Jシリーズ」に搭載される“アプリキャスト”をメインに、国内のコンテンツプロバイダーと連携した情報提供サービスを推進していく考えが井原氏により紹介された。
■DLNA機能やデジカメとの連携によりコンテンツの楽しみ方を広げる
さらにテレビを核とした他のオーディオ・ビジュアル機器との連携についても井原氏は取り上げた。DLNAをベースにした家庭内LAN接続による連携については「“ソニールームリンク”のコンセプトネームを掲げて推進していきたい。部屋間でコンテンツをシェアする新しい楽しみ方を提案できるだろう」と期待を語った。また「デジタルカメラで撮影した写真をフルHD対応のテレビで、迫力いっぱいに楽める魅力もユーザーに訴求することも今年の大きなテーマの一つとして取り組むべきと考えている」とした。
■リアプロはより薄型のモデルを開発中
講演終了後の質疑応答では、同社のリアプロジェクションテレビに関するビジネス展開についての質問が寄せられた。これに答えた井原氏は「当社のSXRDタイプのモデルはまだ検討しているものの、現状のリアプロビジネスは液晶やPDPに押されて難しい状況にあると認識している。一番の弱点は商品自体の“厚さ”にあると考えている。これを克服するため、現在、薄型の製品開発を進めている。これ以外にもリアプロが抱える幾つかの問題があるが、当社ではリアプロの持っている競争力をもう一度見直し、“大画面がハイCPで楽しめる”というデバイスの特徴をアピールしていく方向を探って行きたい」と語った。
なお、本日の講演で井原氏が語った「有機ELディスプレイの事業展開」に関する詳細は別項を参照いただきたい。
(Phile-web編集部)