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公開日 2007/10/02 18:29
<CEATEC2007:ドルビージャパン その1>“音もHD”だけじゃない、“画もドルビー”な「ドルビービジョン」を初披露!
ドルビージャパンは全4箇所にブースを設け、液晶テレビ向けの映像新技術「ドルビービジョン」などを紹介している。
■なんと4ブース展開! 怒涛のドルビー技術デモがCEATECで体験できる
ドルビーラボラトリーズのブースは、なんと4箇所(強烈!)。BDA(ブルーレイディスクアソシエーション)と、HD DVDプロモーショングループの2箇所はもちろんのこと、そのほかに「国際会議場2F 201会議室」と「ホール2 2A59」にそれぞれ出展している。この4ブースをすべて訪問すると、特典がもらえるスタンプラリーを実施中だ。マニア垂涎の特典内容については次レポートを参照していただきたい。
ホール2のドルビーブースはオーソドックスな、これまでのドルビー音響技術のデモルームである。内容は「ドルビーTureHD」を中心とした次世代DVD(ブルーレイディスク、HD DVDに採用)のサラウンドデモンストレーションである。7.1chのシステムは、AVセンターにデノンのAVC-3808、スピーカーにJBLの4428(5ch)、4318(サラウンドバック)、サブウーファーはHB5000。プロジェクターは三菱のフルHD液晶LVP-HC6000。スクリーンはオーエスのA1-110HWF202。
また音声新技術の「ドルビーボリューム」も体験できる。「ドルビーボリューム」は異なるソースの音声レベルをリアルタイムで一定に保つことができる技術だ。主にAVセンターやテレビセットに搭載される。また小音量時に高音域や低音域が聴こえにくくなる特性をカバーする技術を含んでおり、小音量で映画を楽しむときに十分な低音再生を実現する。
■「ドルビーコントラスト」と「ドルビービジョン」は液晶テレビ向けの映像新技術
そして注目は、国際会議場のブースに用意された、ドルビーの最新映像技術である。「ドルビーコントラスト」と「ドルビービジョン」と名付けられた、ハイダイナミックレンジ(HDR)画像技術が初披露された。
「ドルビーが映像?」と思われる方もいるだろう。それほど、ドルビーのサラウンド音響技術が世界的な名声を得ていることの証明なのだが、映像技術(上映管理を含む)もプロフェッショナルの現場では実績をあげている。実際に映画館における上映システム、「ドルビーデジタルシネマ」は、国内外で採用する映画館が増えており、国内でもワーナー・マイカル・シネマズ(一部)や、ディズニーリゾート内のシネマイクスピアリなどで採用されている。
話を元に戻そう。初披露されたハイダイナミックレンジ(HDR)画像技術は、世界で最も台数普及している「液晶テレビ」をターゲットとしたものである。
「ドルビーコントラスト」は、LEDバックライト技術を使用した液晶テレビにおいて、LEDバックライトと局所輝度制御(Local Dimming)によって、傑出したコントラスト比と画質の総合的向上を可能にするという。さらに「ドルビービジョン」はそのコントラスト向上のうえに、高度なHDRアルゴリズムを加えたもので、これによって高輝度と高コントラスト比を同時に実現、目を見張る画像を生み出すという。デモンストレーションでは、ドルビービジョン搭載の液晶テレビで、通常の液晶テレビとの比較を行っていた。
ここで疑問が湧く。すでにLEDバックライトの液晶テレビはソニーが発売しているほか、他のテレビメーカーも技術発表を行っているが、現時点では高価な売価となってしまう難点がある。また、激しい技術競争を繰り広げるテレビメーカーが、画一的なドルビー技術を採用することによってオリジナリティを失うことに積極的になるかどうか。これに対して、同社説明員はこう解説する。
「現在の液晶テレビのバックライトに採用されているCCFL(冷陰極管=蛍光灯に近い)はガラスで壊れやすい。カラースペクトラムも青・緑に偏りやすく、4波長を使うメーカーもあるくらいだ。インバーターノイズも画質に影響する。さらには水銀が使用されていることも問題だ。LOHAS(ロハス)の流れから規制は厳しくなってくるだろう。LEDの低コスト化は時間の問題だと思う。また、ドルビーのハイダイナミックレンジ(HDR)画像技術はすでに16ビットソースに対応している。将来的な映像ソースにも十分対応できる」と語った。
また、同社では使用するLEDの数と局所輝度制御のノウハウをすでに構築しつつあり、LEDバックライト技術の基本特許に近いものを持つそうだ。テレビメーカーがそのまま「ドルビービジョン」を採用するかどうか別として、基本特許においてドルビーの映像技術を使用する可能性はあるかもしれない。
<レポート2につづく>
(AV REVIEW編集部)
*Dolby、ドルビー及びダブルD記号はドルビーラボラトリーズの登録商標です。
■なんと4ブース展開! 怒涛のドルビー技術デモがCEATECで体験できる
ドルビーラボラトリーズのブースは、なんと4箇所(強烈!)。BDA(ブルーレイディスクアソシエーション)と、HD DVDプロモーショングループの2箇所はもちろんのこと、そのほかに「国際会議場2F 201会議室」と「ホール2 2A59」にそれぞれ出展している。この4ブースをすべて訪問すると、特典がもらえるスタンプラリーを実施中だ。マニア垂涎の特典内容については次レポートを参照していただきたい。
ホール2のドルビーブースはオーソドックスな、これまでのドルビー音響技術のデモルームである。内容は「ドルビーTureHD」を中心とした次世代DVD(ブルーレイディスク、HD DVDに採用)のサラウンドデモンストレーションである。7.1chのシステムは、AVセンターにデノンのAVC-3808、スピーカーにJBLの4428(5ch)、4318(サラウンドバック)、サブウーファーはHB5000。プロジェクターは三菱のフルHD液晶LVP-HC6000。スクリーンはオーエスのA1-110HWF202。
また音声新技術の「ドルビーボリューム」も体験できる。「ドルビーボリューム」は異なるソースの音声レベルをリアルタイムで一定に保つことができる技術だ。主にAVセンターやテレビセットに搭載される。また小音量時に高音域や低音域が聴こえにくくなる特性をカバーする技術を含んでおり、小音量で映画を楽しむときに十分な低音再生を実現する。
■「ドルビーコントラスト」と「ドルビービジョン」は液晶テレビ向けの映像新技術
そして注目は、国際会議場のブースに用意された、ドルビーの最新映像技術である。「ドルビーコントラスト」と「ドルビービジョン」と名付けられた、ハイダイナミックレンジ(HDR)画像技術が初披露された。
「ドルビーが映像?」と思われる方もいるだろう。それほど、ドルビーのサラウンド音響技術が世界的な名声を得ていることの証明なのだが、映像技術(上映管理を含む)もプロフェッショナルの現場では実績をあげている。実際に映画館における上映システム、「ドルビーデジタルシネマ」は、国内外で採用する映画館が増えており、国内でもワーナー・マイカル・シネマズ(一部)や、ディズニーリゾート内のシネマイクスピアリなどで採用されている。
話を元に戻そう。初披露されたハイダイナミックレンジ(HDR)画像技術は、世界で最も台数普及している「液晶テレビ」をターゲットとしたものである。
「ドルビーコントラスト」は、LEDバックライト技術を使用した液晶テレビにおいて、LEDバックライトと局所輝度制御(Local Dimming)によって、傑出したコントラスト比と画質の総合的向上を可能にするという。さらに「ドルビービジョン」はそのコントラスト向上のうえに、高度なHDRアルゴリズムを加えたもので、これによって高輝度と高コントラスト比を同時に実現、目を見張る画像を生み出すという。デモンストレーションでは、ドルビービジョン搭載の液晶テレビで、通常の液晶テレビとの比較を行っていた。
ここで疑問が湧く。すでにLEDバックライトの液晶テレビはソニーが発売しているほか、他のテレビメーカーも技術発表を行っているが、現時点では高価な売価となってしまう難点がある。また、激しい技術競争を繰り広げるテレビメーカーが、画一的なドルビー技術を採用することによってオリジナリティを失うことに積極的になるかどうか。これに対して、同社説明員はこう解説する。
「現在の液晶テレビのバックライトに採用されているCCFL(冷陰極管=蛍光灯に近い)はガラスで壊れやすい。カラースペクトラムも青・緑に偏りやすく、4波長を使うメーカーもあるくらいだ。インバーターノイズも画質に影響する。さらには水銀が使用されていることも問題だ。LOHAS(ロハス)の流れから規制は厳しくなってくるだろう。LEDの低コスト化は時間の問題だと思う。また、ドルビーのハイダイナミックレンジ(HDR)画像技術はすでに16ビットソースに対応している。将来的な映像ソースにも十分対応できる」と語った。
また、同社では使用するLEDの数と局所輝度制御のノウハウをすでに構築しつつあり、LEDバックライト技術の基本特許に近いものを持つそうだ。テレビメーカーがそのまま「ドルビービジョン」を採用するかどうか別として、基本特許においてドルビーの映像技術を使用する可能性はあるかもしれない。
<レポート2につづく>
(AV REVIEW編集部)
*Dolby、ドルビー及びダブルD記号はドルビーラボラトリーズの登録商標です。