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公開日 2007/10/04 19:02
ドルビージャパン、「ドルビービジョン」などCEATECで発表した新技術のプレス説明会を開催
ドルビージャパンは、CEATEC JAPAN 2007会場で公開中の映像・音響の新技術に関するプレス向け説明会を開催。米ドルビーラボラトリーズより来日した技術担当者が、デモを交えた詳しい紹介を行った。
「ドルビービジョン」「ドルビーコントラスト」の2つの最新映像技術は、米ドルビー・ラボラトリーズ ライセンシング・コーポレーション社のBharath Rajagopalan氏が説明を行った。
この2つの技術は、LEDバックライト技術を使用した液晶テレビにおいて、画質向上を実現することを目的に開発された。「ドルビーコントラスト」は、LEDバックライトと局所輝度制御(Local Dimming)により、液晶テレビで高いコントラスト比と画質の総合的な向上を可能にする技術だ。もう一方の「ドルビービジョン」はLEDバックライトと局所輝度制御に、高度なハイダイナミックレンジ(HDR)アルゴリズムを加え、高輝度と高コントラスト比を同時に実現するというものだ。
会場には2つの最新映像技術のデモンストレーション用として、8bit駆動パネルを搭載した液晶テレビの試作機と、既に商品化されている、10bit/8bitのパネルを搭載した2台の液晶テレビが用意され、映像比較が行われた。
試作されたディスプレイには1,400個のLEDが搭載されており、バックライトの輝度を高度に局所制御することにより、コントラスト比の向上と立体的な映像表現を可能にしている。再生された映像は、深く沈みこんだ黒表現や暗部の緻密な表現が実現され、明部でも白とびを抑えた緻密な表現を可能にしている。映像全体の色彩感もいっそう鮮やかに、かつ豊かになるのも特長の一つだ。
本技術の効果について、Rajagopalan氏は「これまで飛躍的な性能向上を果たしてきた液晶テレビだが、バックライトを使用するため、どうしても黒再現時の課題が残されてきた。ドルビーの最新映像技術では人間の視覚に迫るリアルな映像再生と、ユーザー体験の向上を実現できると期待している」とした。
また今回の最新映像技術が開発された背景について語った、ドルビーラボラトリーズ インターナショナルサービスインク 映像技術マーケティングディレクターのGuido Voltolina氏は「ドルビーの映像技術はデジタルシネマをはじめとするプロフェッショナルの現場で多くの実績をあげてきた。今回は世界中で普及を拡大している液晶テレビというコンシューマ領域において、ドルビーの映像技術をどのように活かせるかについて着目し、最も効果が発揮される技術を投入できた。ユーザーのエンタテインメント体験を最大限に向上させることができるだろう」と期待を述べた。
今後のコンシューマー機器への採用の見込みについて、Voltolina氏は「当社はライセンシングカンパニーなので、採用されるアプリケーションや発売時期等について具体的な発言はできないが、今回の世界で初めて発表する機会を得た最新技術が市場の注目を集め、早い段階で多くのユーザーに紹介できることを期待したい」と語った。
続いて最新の音響技術「ドルビーボリューム」を、ドルビーラボラトリーズ インターナショナルサービスインク テクノロジーエバンジェリストディレクターのJack Buser氏が説明した。
「ドルビーボリューム」を構成する2つの基幹技術のひとつとなる「ボリュームレベラー」は、コンテンツや入力ソースの違いによって生じる音量レベルのばらつきを、自動的に一定、かつ均一に保つという、心理音響学的研究に基づいて開発された新技術だ。本技術をAVアンプやホームシアターシステム、スピーカー内蔵テレビなどに搭載することにより、ユーザーはコンテンツが切り替わるごとにボリュームを調整する煩わしさから解放されるという。
もう一つの基幹技術である「ボリュームモデラー」では、音量の上下により帯域ごとの感度が変化するという人間の耳の性質に対応し、再生レベルに応じて低・中・高音域の周波数帯域を適切に調整し、レファレンスレベルで全体を知覚できるように補正することが可能だ。
本日会場では、米国のテレビ番組を録画したコンテンツを用い、番組とCMの切り替わり時に起こる音量レベルのずれを「ドルビーボリューム」で補正し、快適なリスニングを実現するデモンストレーションが行われた。「ドルビーボリューム」では、再生中のコンテンツの音量レベルをリアルタイムに解析し、補正が行われるため、ユーザーは常時適切な音量でのコンテンツ試聴が楽しめるようになる。「ドルビーボリューム」の効果は再生環境やユーザーの好みに合わせて調整することも可能だ。
同社は「ドルビーボリューム」を本年初頭に開催されたインターナショナルCES2007会場にて、テレビ向けの新技術として初めて公開した(関連記事)。昨今ではAVアンプでの技術搭載も発表されたという。ジャック氏は「ドルビーボリュームはテレビやアンプだけでなく、様々なオーディオ再生機器に適用できる技術だ。今後は様々なアプリケーションへの応用が期待されるが、オーディオ機器にとってのボリューム調整の意義を劇的に進化させていくことのできる画期的な技術であると自負している」と語った。
両技術のデモンストレーションは、CEATECJAPAN 2007会場のドルビージャパンのブースで実際に体験することができるので(関連記事)、ぜひ足を運んでみて欲しい。
(Phile-web編集部)
「ドルビービジョン」「ドルビーコントラスト」の2つの最新映像技術は、米ドルビー・ラボラトリーズ ライセンシング・コーポレーション社のBharath Rajagopalan氏が説明を行った。
会場には2つの最新映像技術のデモンストレーション用として、8bit駆動パネルを搭載した液晶テレビの試作機と、既に商品化されている、10bit/8bitのパネルを搭載した2台の液晶テレビが用意され、映像比較が行われた。
試作されたディスプレイには1,400個のLEDが搭載されており、バックライトの輝度を高度に局所制御することにより、コントラスト比の向上と立体的な映像表現を可能にしている。再生された映像は、深く沈みこんだ黒表現や暗部の緻密な表現が実現され、明部でも白とびを抑えた緻密な表現を可能にしている。映像全体の色彩感もいっそう鮮やかに、かつ豊かになるのも特長の一つだ。
本技術の効果について、Rajagopalan氏は「これまで飛躍的な性能向上を果たしてきた液晶テレビだが、バックライトを使用するため、どうしても黒再現時の課題が残されてきた。ドルビーの最新映像技術では人間の視覚に迫るリアルな映像再生と、ユーザー体験の向上を実現できると期待している」とした。
今後のコンシューマー機器への採用の見込みについて、Voltolina氏は「当社はライセンシングカンパニーなので、採用されるアプリケーションや発売時期等について具体的な発言はできないが、今回の世界で初めて発表する機会を得た最新技術が市場の注目を集め、早い段階で多くのユーザーに紹介できることを期待したい」と語った。
続いて最新の音響技術「ドルビーボリューム」を、ドルビーラボラトリーズ インターナショナルサービスインク テクノロジーエバンジェリストディレクターのJack Buser氏が説明した。
もう一つの基幹技術である「ボリュームモデラー」では、音量の上下により帯域ごとの感度が変化するという人間の耳の性質に対応し、再生レベルに応じて低・中・高音域の周波数帯域を適切に調整し、レファレンスレベルで全体を知覚できるように補正することが可能だ。
本日会場では、米国のテレビ番組を録画したコンテンツを用い、番組とCMの切り替わり時に起こる音量レベルのずれを「ドルビーボリューム」で補正し、快適なリスニングを実現するデモンストレーションが行われた。「ドルビーボリューム」では、再生中のコンテンツの音量レベルをリアルタイムに解析し、補正が行われるため、ユーザーは常時適切な音量でのコンテンツ試聴が楽しめるようになる。「ドルビーボリューム」の効果は再生環境やユーザーの好みに合わせて調整することも可能だ。
同社は「ドルビーボリューム」を本年初頭に開催されたインターナショナルCES2007会場にて、テレビ向けの新技術として初めて公開した(関連記事)。昨今ではAVアンプでの技術搭載も発表されたという。ジャック氏は「ドルビーボリュームはテレビやアンプだけでなく、様々なオーディオ再生機器に適用できる技術だ。今後は様々なアプリケーションへの応用が期待されるが、オーディオ機器にとってのボリューム調整の意義を劇的に進化させていくことのできる画期的な技術であると自負している」と語った。
両技術のデモンストレーションは、CEATECJAPAN 2007会場のドルビージャパンのブースで実際に体験することができるので(関連記事)、ぜひ足を運んでみて欲しい。
(Phile-web編集部)