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公開日 2010/03/09 15:57
「3DテレビシェアNo.1を目指す」 − ソニー“BRAVIA”発表会詳報
「進化するテレビ」についても言及
ソニーは本日、同社として初となる3D対応モデルを含む、液晶テレビ“BRAVIA”夏モデルを発表した。本項では発表会の模様をくわしくお伝えする。
■3D/デザイン/ネットワークで多様なライフスタイルに対応
発表会では冒頭、ホームエンターテインメント事業本部SVPの石田佳久氏が登壇。「2010年、ソニーは『3D』『デザイン』『ネットワーク機能の強化』の3点で、お客様の多様なライフスタイルに対応したテレビ商品群を投入する」と述べた。
特に3Dについては「3Dを映画館という限られた場所から開放し、家庭で楽しめるようにするため、6月10日発売のLX900シリーズを皮切りに全3シリーズ、8機種を発売する。BDプレーヤーやBDレコーダーも夏から秋にかけて順次発売する。またBRAVIAの発売と同時に、PS3の3D対応ファームウェアアップデートを開始し、3Dゲームの投入も行う」と説明した。
石田氏はまた、3Dの普及について「一番重要なのはコンテンツ。これをどうするか、明確に答えを出す必要がある」とし、カリフォルニア・カルバーシティのソニー・ピクチャーズスタジオにソニー3Dテクノロジーセンターを設立したこと、3Dコンテンツ制作機材の開発に注力していることなどを説明。「話題の『アバター』もソニー製カメラで撮影された」と胸を張った。
デザインについては、「ワールドワイド共通の『モノリシックデザイン』を採用した。これを新しいスタイルを提供するきっかけとしたい」と説明。モノリシックデザインの特徴については3点を挙げ、「1つは“オン/オフコンシャス”。テレビを見ていない時にも美しいシンプルでクリーンなスタイルを実現する。2つ目は“6° アップワードスタイル”で、画面を情報に6度傾けることができ、これによってローボードでも快適な視聴を自然なスタイルで行える。3つめは“コントラスト・オブ・マテリアル”。異なる素材を精密に組み合わせることで生まれる、本物の素材ならではの調和を見て欲しい」とした。
石田氏はさらに、3つ目の柱としてインターネット技術を使ったサービスを重要視していると説明。「私自身が関わってきたPCでも、何をお客様に提供できるか常に考えてきたが、AV機器でも、機器連携やサービスを通じて何を提案できるかが重要になってくる。単純にテレビをネットワークにつなぐだけでなく、買った後にもメリットがあるような提案をしたい」と述べ、一例としてVODサービス「BRAVIAインターネットビデオ」を北米などで行っていることを紹介した。
■10年度は2,500万台以上が目標 − 「進化するテレビ」も開発中
また石田氏は、発表会の質疑応答の中で、2010年度のテレビ事業計画についても言及。「販売目標については、社内で事業計画その他を審議中。具体的な予定や計画は申し上げられないが、私としては2,500万台以上を目標にしてやっていきたいと考えている。そのうち3D対応テレビの比率は、恐らく10%程度になるだろう」と述べた。
さらに石田氏は、今後の商品計画も話題にした。まず同氏は、昨年の経営方針説明会(関連ニュース)で開発を行っていることを明らかにした「全く新しいコンセプトの『進化するテレビ』も提案していくので、ご期待いただきたい」とし、実際の商品内容のヒントとなるような言葉も残した。
石田氏は、「テレビに限らず、パソコンや携帯電話などネットワークにつながる商品については『売り切り型でないビジネスモデル』が非常に重要になると考えている」とし、「デジタル化が進んでハードウェアの差別化が難しくなる中、何をお客様にお届けするかが非常に重要。もちろんハードの差別化は我々のお家芸だが、そのほかのユーザーエクスペリエンスを提供することが必要となる」との認識を強調。
具体的には、「グループ会社と連携したコンテンツ配信も考えられるが、それだけではなく、今後はクラウドを使ったサービスが重要になってくる。これまでテレビは放送を受信する機器だったが、これからはあらゆるコンテンツを楽しむ窓になる。そういった意味で、コンテンツの配信だけでなく“新たなサービス”も体験してもらいたいと考えている。ソニーオンラインサービスを今後開発するが、その中にこういうサービスも入れていきたい」とした。
さらに、これも経営方針説明会で紹介された“独自デバイス次世代ディスプレイ”についても、「ソニー独自のデバイスを使った新しいディスプレイの開発を続けている。時期が来ればみなさまにご報告できるだろう」と述べた。
同氏は今後の同社のテレビ事業の方向性についても言及。「全社を挙げて3D視聴環境の充実、デザインの革新、ネットワークサービスを行っているが、一方で先日ご案内した『進化するテレビ』への取り組みも行っている。経営方針説明会ではコンセプトのみを紹介したが、近い将来、全く新しい体験をみなさまにお届けできると思うのでご期待いただきたい。ソニーは強い意志を持って、革新的な視聴体験を届けるために挑戦を続けていく」と述べた。
■「3D対応テレビの販売シェアでナンバーワンを目指したい」
続いて登壇したソニーマーケティング(株)ディスプレイマーケティング部 統括部長の粂川滋氏は、商品ラインナップと販売施策について説明した。
粂川氏は、今回発表したリビングハイビジョンテレビ5シリーズ12機種の全てが4倍速に対応していることを紹介。さらに、LX900/HX900/HX800/NX800シリーズはバックライトにLEDを採用し、「一気にLEDバックライト搭載モデルのラインナップを拡充する」と述べた。
3D対応BRAVIAについては、「ソニーの4倍速技術を利用してクロストークを低減しているほか、LEDの高発光技術を使って、非常に明るい3D映像を実現できた。また偏光板のないメガネによってフリッカーも低減している。これによって明るい環境下でも明るい3D映像が楽しめる」とアピールした。
粂川氏は、3D対応BRAVIAに搭載された2D→3D変換機能についても言及。「リモコンに3Dボタンを装備し、2D映像を擬似的に3D映像に変換する機能だ。放送波だけでなく外部入力にも対応しており、ハンディカムやサイバーショットなどの写真、動画も3Dで表示できる。3D普及のためにはコンテンツの幅が非常に重要となってくるが、お客様に一つでも多くのコンテンツを3Dで楽しんでいただきたいという考えからこの機能を搭載した」と述べた。
さらに同氏は、「3D映像はご体験いただくことが非常に重要」とし、「様々な3D体験イベントを行っているが、80%以上のお客様が『3Dを家庭で楽しみたい』とご回答いただき、また70%以上のお客様が購入を検討する、とお答えになっているという、実に心強いアンケート結果が返ってきている」と説明。3D映像は体感することで関心・共感が一気に高まるとして、この体験を提供するために、全国規模で体験イベントを開催することを明らかにした。
3D体験イベントは、まず全国11箇所で3月13日から街頭イベントを開催するほか、銀座のソニービルでも3月10日から3Dフロアを開設するという。
同氏は最後に、「2010年はソニーにとっての3D元年。3D対応テレビの販売シェアでナンバーワンを目指したい」と宣言した。
以下、発表会で行われた主な質疑応答を紹介する。
Q:海外の3Dテレビの発売予定について教えて欲しい。日本の6月10日が世界で一番最初になるのか。
A:海外の3Dテレビの販売予定は本日はお答えできない。3Dの立ち上げはほぼ同時期に全世界で行う。
Q:International CESで展示していた、3D対応の有機ELテレビは発売されるのか。
A:商品化の予定は今のところない。11インチのXEL-1を発売して2年以上経つが、現在も有機ELテレビの大型化を目指して開発を行っている。ただし今日時点で具体的な商品化について申し上げられることはない。
Q:テレビのグローバルシェアについて、先日LG電子に抜かれて3位になったという報道があった。1位のサムスンにも水を空けられているが、これについてどう考えているか。3Dが巻き返しのための起爆剤になるか。
A:ご指摘の通り、韓国勢2社の後塵を拝するという現状になっている。2009年度は我々にとって苦しい時期だった。採算性を重視してやってきたが、同時に構造改革や次世代商品についても議論してきた。2010年は攻めていきたい。液晶テレビと言っても色々な市場がある。特に新興国の伸びは大きいので、それぞれの地域にあわせた商品を投入していきたい。
その一方で、全く新しいコンセプトの「進化するテレビ」のようなものも提案していくので、ご期待いただきたい。
また、3Dも差別化の一つだ。機器だけでなく、コンテンツやゲーム、様々な商品群との連携を強化していきたい。
Q:3Dカメラについて、どのようなものが出てきそうかイメージだけでも教えて欲しい。
A:カメラについてはお答えする立場にないが、3D対応カメラも出てくる、ということだけはお答えさせていただきたい。
Q:全世界で2010年度に2,500万台を販売するということだが、ここまでアクセルを踏もうとすると、SCMなど、どこかで足をすくわれるというリスクがこれまであったかと思う。それについての懸念は解消されたのか。
A:もちろんリスクはある。SCMも日々改革を進めている。部品についてもメモリなどがかなり不足しているが、こういったことを織り込みながら2,500万台を目標にしていきたい。
Q:3Dテレビの重点販売エリアと、その比率を教えて欲しい。
A:一番数が多いのはアメリカであろう、と考えている。映画パッケージソフトを購入するという方が多いからだ。3D映画もタイトルが増えてくれば、アメリカでの販売数が増えてくるだろう。あとは日本やヨーロッパなど先進国から徐々に浸透していくだろう。具体的な国ごとの数値はまだお答えできる状況にない。
Q:3D対応コンテンツのタイトル数は今後どう推移すると予想しているか。また、インターネットなどでのコンテンツ配信は。
A:いまのところタイトル数などはお答えできない。インターネットなども準備中だが時期はお答えできない。
Q:3Dテレビの投入ではサムスンに3ヶ月遅れることになるが、この影響は。
A:導入時期は各社の考えの違いによるものだ。我々としてはコンテンツの時期を考慮して6月10日と決めた。ワールドカップやPS3のファームウェアアップデートなど、コンテンツのアベイラビリティーにあわせて決めさせていただいた。コンテンツがなければ、3Dテレビは何の意味もない。だから3ヶ月の遅れは何の意味も持たないと考えている。
Q:3Dに対する価格プレミアムについて聞きたい。一部には3Dテレビも価格が下落し、すぐに価格競争に陥るのではないかという指摘もあるが。
A:今回の新製品については、個人的にはずいぶん安いという感覚を持っている。我々としては、新しい映像体験を広く楽しんでもらいたいという思いがあり、2D対応機とそれほど価格差をつけないという方向性だ。テレビ以外のBDプレーヤーなども、できるだけお客様の手が届きやすい価格帯にするために、LSIの開発から現在行っているところだ。
Q:足下のテレビの販売状況についてお尋ねしたい。春モデルの投入は計画通りに進んでいるのか。3Qで価格下落があったとのことだが、4Qの黒字は難しいのか。
A:3Qは非常にうまくいったと思っている。黒字も出せたし、商品の売り切りもうまくいった。春商戦については、多少苦しいところもあるが、商品の販売はそれなりに好調だ。供給が足りないところも一部にあるが、商品はスケジュール通りに出ている。4Qの収益はどうかということについては、今日時点ではお答えできない。
Q:2010年度に2,500万台以上を目指すということだが、その規模になれば黒字を出せる体質になったという理解でよいのか。
A:昨年の経営方針説明会でも説明したとおり、黒字をターゲットにして事業を運営するつもりだ。
■3D/デザイン/ネットワークで多様なライフスタイルに対応
発表会では冒頭、ホームエンターテインメント事業本部SVPの石田佳久氏が登壇。「2010年、ソニーは『3D』『デザイン』『ネットワーク機能の強化』の3点で、お客様の多様なライフスタイルに対応したテレビ商品群を投入する」と述べた。
特に3Dについては「3Dを映画館という限られた場所から開放し、家庭で楽しめるようにするため、6月10日発売のLX900シリーズを皮切りに全3シリーズ、8機種を発売する。BDプレーヤーやBDレコーダーも夏から秋にかけて順次発売する。またBRAVIAの発売と同時に、PS3の3D対応ファームウェアアップデートを開始し、3Dゲームの投入も行う」と説明した。
石田氏はまた、3Dの普及について「一番重要なのはコンテンツ。これをどうするか、明確に答えを出す必要がある」とし、カリフォルニア・カルバーシティのソニー・ピクチャーズスタジオにソニー3Dテクノロジーセンターを設立したこと、3Dコンテンツ制作機材の開発に注力していることなどを説明。「話題の『アバター』もソニー製カメラで撮影された」と胸を張った。
デザインについては、「ワールドワイド共通の『モノリシックデザイン』を採用した。これを新しいスタイルを提供するきっかけとしたい」と説明。モノリシックデザインの特徴については3点を挙げ、「1つは“オン/オフコンシャス”。テレビを見ていない時にも美しいシンプルでクリーンなスタイルを実現する。2つ目は“6° アップワードスタイル”で、画面を情報に6度傾けることができ、これによってローボードでも快適な視聴を自然なスタイルで行える。3つめは“コントラスト・オブ・マテリアル”。異なる素材を精密に組み合わせることで生まれる、本物の素材ならではの調和を見て欲しい」とした。
石田氏はさらに、3つ目の柱としてインターネット技術を使ったサービスを重要視していると説明。「私自身が関わってきたPCでも、何をお客様に提供できるか常に考えてきたが、AV機器でも、機器連携やサービスを通じて何を提案できるかが重要になってくる。単純にテレビをネットワークにつなぐだけでなく、買った後にもメリットがあるような提案をしたい」と述べ、一例としてVODサービス「BRAVIAインターネットビデオ」を北米などで行っていることを紹介した。
■10年度は2,500万台以上が目標 − 「進化するテレビ」も開発中
また石田氏は、発表会の質疑応答の中で、2010年度のテレビ事業計画についても言及。「販売目標については、社内で事業計画その他を審議中。具体的な予定や計画は申し上げられないが、私としては2,500万台以上を目標にしてやっていきたいと考えている。そのうち3D対応テレビの比率は、恐らく10%程度になるだろう」と述べた。
さらに石田氏は、今後の商品計画も話題にした。まず同氏は、昨年の経営方針説明会(関連ニュース)で開発を行っていることを明らかにした「全く新しいコンセプトの『進化するテレビ』も提案していくので、ご期待いただきたい」とし、実際の商品内容のヒントとなるような言葉も残した。
石田氏は、「テレビに限らず、パソコンや携帯電話などネットワークにつながる商品については『売り切り型でないビジネスモデル』が非常に重要になると考えている」とし、「デジタル化が進んでハードウェアの差別化が難しくなる中、何をお客様にお届けするかが非常に重要。もちろんハードの差別化は我々のお家芸だが、そのほかのユーザーエクスペリエンスを提供することが必要となる」との認識を強調。
具体的には、「グループ会社と連携したコンテンツ配信も考えられるが、それだけではなく、今後はクラウドを使ったサービスが重要になってくる。これまでテレビは放送を受信する機器だったが、これからはあらゆるコンテンツを楽しむ窓になる。そういった意味で、コンテンツの配信だけでなく“新たなサービス”も体験してもらいたいと考えている。ソニーオンラインサービスを今後開発するが、その中にこういうサービスも入れていきたい」とした。
さらに、これも経営方針説明会で紹介された“独自デバイス次世代ディスプレイ”についても、「ソニー独自のデバイスを使った新しいディスプレイの開発を続けている。時期が来ればみなさまにご報告できるだろう」と述べた。
同氏は今後の同社のテレビ事業の方向性についても言及。「全社を挙げて3D視聴環境の充実、デザインの革新、ネットワークサービスを行っているが、一方で先日ご案内した『進化するテレビ』への取り組みも行っている。経営方針説明会ではコンセプトのみを紹介したが、近い将来、全く新しい体験をみなさまにお届けできると思うのでご期待いただきたい。ソニーは強い意志を持って、革新的な視聴体験を届けるために挑戦を続けていく」と述べた。
■「3D対応テレビの販売シェアでナンバーワンを目指したい」
続いて登壇したソニーマーケティング(株)ディスプレイマーケティング部 統括部長の粂川滋氏は、商品ラインナップと販売施策について説明した。
粂川氏は、今回発表したリビングハイビジョンテレビ5シリーズ12機種の全てが4倍速に対応していることを紹介。さらに、LX900/HX900/HX800/NX800シリーズはバックライトにLEDを採用し、「一気にLEDバックライト搭載モデルのラインナップを拡充する」と述べた。
3D対応BRAVIAについては、「ソニーの4倍速技術を利用してクロストークを低減しているほか、LEDの高発光技術を使って、非常に明るい3D映像を実現できた。また偏光板のないメガネによってフリッカーも低減している。これによって明るい環境下でも明るい3D映像が楽しめる」とアピールした。
粂川氏は、3D対応BRAVIAに搭載された2D→3D変換機能についても言及。「リモコンに3Dボタンを装備し、2D映像を擬似的に3D映像に変換する機能だ。放送波だけでなく外部入力にも対応しており、ハンディカムやサイバーショットなどの写真、動画も3Dで表示できる。3D普及のためにはコンテンツの幅が非常に重要となってくるが、お客様に一つでも多くのコンテンツを3Dで楽しんでいただきたいという考えからこの機能を搭載した」と述べた。
さらに同氏は、「3D映像はご体験いただくことが非常に重要」とし、「様々な3D体験イベントを行っているが、80%以上のお客様が『3Dを家庭で楽しみたい』とご回答いただき、また70%以上のお客様が購入を検討する、とお答えになっているという、実に心強いアンケート結果が返ってきている」と説明。3D映像は体感することで関心・共感が一気に高まるとして、この体験を提供するために、全国規模で体験イベントを開催することを明らかにした。
3D体験イベントは、まず全国11箇所で3月13日から街頭イベントを開催するほか、銀座のソニービルでも3月10日から3Dフロアを開設するという。
同氏は最後に、「2010年はソニーにとっての3D元年。3D対応テレビの販売シェアでナンバーワンを目指したい」と宣言した。
以下、発表会で行われた主な質疑応答を紹介する。
Q:海外の3Dテレビの発売予定について教えて欲しい。日本の6月10日が世界で一番最初になるのか。
A:海外の3Dテレビの販売予定は本日はお答えできない。3Dの立ち上げはほぼ同時期に全世界で行う。
Q:International CESで展示していた、3D対応の有機ELテレビは発売されるのか。
A:商品化の予定は今のところない。11インチのXEL-1を発売して2年以上経つが、現在も有機ELテレビの大型化を目指して開発を行っている。ただし今日時点で具体的な商品化について申し上げられることはない。
Q:テレビのグローバルシェアについて、先日LG電子に抜かれて3位になったという報道があった。1位のサムスンにも水を空けられているが、これについてどう考えているか。3Dが巻き返しのための起爆剤になるか。
A:ご指摘の通り、韓国勢2社の後塵を拝するという現状になっている。2009年度は我々にとって苦しい時期だった。採算性を重視してやってきたが、同時に構造改革や次世代商品についても議論してきた。2010年は攻めていきたい。液晶テレビと言っても色々な市場がある。特に新興国の伸びは大きいので、それぞれの地域にあわせた商品を投入していきたい。
その一方で、全く新しいコンセプトの「進化するテレビ」のようなものも提案していくので、ご期待いただきたい。
また、3Dも差別化の一つだ。機器だけでなく、コンテンツやゲーム、様々な商品群との連携を強化していきたい。
Q:3Dカメラについて、どのようなものが出てきそうかイメージだけでも教えて欲しい。
A:カメラについてはお答えする立場にないが、3D対応カメラも出てくる、ということだけはお答えさせていただきたい。
Q:全世界で2010年度に2,500万台を販売するということだが、ここまでアクセルを踏もうとすると、SCMなど、どこかで足をすくわれるというリスクがこれまであったかと思う。それについての懸念は解消されたのか。
A:もちろんリスクはある。SCMも日々改革を進めている。部品についてもメモリなどがかなり不足しているが、こういったことを織り込みながら2,500万台を目標にしていきたい。
Q:3Dテレビの重点販売エリアと、その比率を教えて欲しい。
A:一番数が多いのはアメリカであろう、と考えている。映画パッケージソフトを購入するという方が多いからだ。3D映画もタイトルが増えてくれば、アメリカでの販売数が増えてくるだろう。あとは日本やヨーロッパなど先進国から徐々に浸透していくだろう。具体的な国ごとの数値はまだお答えできる状況にない。
Q:3D対応コンテンツのタイトル数は今後どう推移すると予想しているか。また、インターネットなどでのコンテンツ配信は。
A:いまのところタイトル数などはお答えできない。インターネットなども準備中だが時期はお答えできない。
Q:3Dテレビの投入ではサムスンに3ヶ月遅れることになるが、この影響は。
A:導入時期は各社の考えの違いによるものだ。我々としてはコンテンツの時期を考慮して6月10日と決めた。ワールドカップやPS3のファームウェアアップデートなど、コンテンツのアベイラビリティーにあわせて決めさせていただいた。コンテンツがなければ、3Dテレビは何の意味もない。だから3ヶ月の遅れは何の意味も持たないと考えている。
Q:3Dに対する価格プレミアムについて聞きたい。一部には3Dテレビも価格が下落し、すぐに価格競争に陥るのではないかという指摘もあるが。
A:今回の新製品については、個人的にはずいぶん安いという感覚を持っている。我々としては、新しい映像体験を広く楽しんでもらいたいという思いがあり、2D対応機とそれほど価格差をつけないという方向性だ。テレビ以外のBDプレーヤーなども、できるだけお客様の手が届きやすい価格帯にするために、LSIの開発から現在行っているところだ。
Q:足下のテレビの販売状況についてお尋ねしたい。春モデルの投入は計画通りに進んでいるのか。3Qで価格下落があったとのことだが、4Qの黒字は難しいのか。
A:3Qは非常にうまくいったと思っている。黒字も出せたし、商品の売り切りもうまくいった。春商戦については、多少苦しいところもあるが、商品の販売はそれなりに好調だ。供給が足りないところも一部にあるが、商品はスケジュール通りに出ている。4Qの収益はどうかということについては、今日時点ではお答えできない。
Q:2010年度に2,500万台以上を目指すということだが、その規模になれば黒字を出せる体質になったという理解でよいのか。
A:昨年の経営方針説明会でも説明したとおり、黒字をターゲットにして事業を運営するつもりだ。