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公開日 2010/09/16 11:30
エプソン、反射型液晶パネル採用のシアタープロジェクター「EH-R4000」など発売
下位機のR1000/TW3600と合わせ3機種
エプソンは、反射型ポリシリコン液晶デバイスを搭載したホームシアター用プロジェクター“dreamio”2機種を11月下旬に発売する。ともに2D映像の投写にのみ対応している。
・「EH-R4000」¥OPEN(予想実売価格65万円前後)
・「EH-R1000」¥OPEN(予想実売価格50万円前後)
2機種は“dreamio”のハイエンドモデルとして新たに追加される。ボディカラーはEH-R4000がブラック、EH-R1000がホワイト。THX社の「THXディスプレイ規格」認証も申請している。
なお、昨年発売された「EH-TW4500」「EH-DM3/3S」「EH-DM30/30S」は販売を継続する。EH-TW3500には後継機「EH-TW3600」が用意されるが、これについては後述する。
これまで同社は透過型液晶パネルを搭載したプロジェクターを発売してきたが、2機種には、セイコーエプソンが8月末に発表した世界初の反射型高温ポリシリコンTFTパネルを3枚搭載した。同社では液晶パネルを「Reflective HTPS」、パネル方式を「3LCD Reflective」と呼んでいる。
反射型液晶のパネルサイズは0.74型で、有効画素数は1,920×1,080。パネルのデバイスコントラスト比は10万対1で、画素ピッチは8.5μm。
3LCD Reflective方式により、黒浮きの原因となる偏光を抑制。これにより黒再現性能を高めた。また、偏光の乱れを制御する「DEEP BLACK」テクノロジーも前機種に引き続いて採用。これらの合わせ技により、より深い黒の再現を可能にした。
なお、上位機のR4000とR1000の大きな違いはネイティブコントラスト比が異なっていること。ネイティブコントラスト比はR4000が40,000対1、R1000が25,000対1。R4000はパネルと偏光部品にチューニングを施しており、これがネイティブコントラストの差になって現れている。
また、オートアイリス機構も新開発のものを採用し、応答性と静音性を高めた。レンズアイリスは映像全体の光量を20段階で調整できる。セットとしてのコントラスト比はR4000が100万対1、R1000が50万対1となる。
ランプは同社独自の多重反射式ランプ「E-TORL」で、両機とも最大輝度は1,200ルーメン。
そのほか画質関連では、プロセッサーにHQV Vidaを採用し、超解像技術もTW4500から引き続き搭載。また120Hzで駆動し、元のフレームの間に補間映像を挿入することで動きボケを抑えるフレーム補間技術も採用した。
色域についても「Newエプソンシネマフィルタ」を備え、NTSC比117%という広い色再現領域を実現している。
映像調整機能は「Color Reality III」。ガンマ調整機能はガンマカーブを2.0/2.1/2.2/2.3/2.4から選択する方法と、投写中の映像やガンマ調整グラフを見ながら調整する方法の2つを搭載。また色相や彩度、明度についても、RGBCMYの各色についてそれぞれ調整できる。そのほか、RGBのオフセットとゲイン、肌の色調整やアドバンストシャープネス、メモリー登録・呼び出し機能なども備えている。カラーモードは5種類から選択可能。
設置性能を高めた点も特徴の一つ。100型画面を投写した場合の最短焦点距離は283cmで、TW4500と比較して15cmほど設置距離を短縮できる。さらに前面吸排気を採用したことで、後部だけでなく側面など周囲のスペースもあまり空ける必要が無い。このためプロジェクター本体を収納したり、隠して使用する場合にも設置が行いやすいという。
本体外形寸法は440W×185H×405Dmm、質量は9.0kg。他社の同クラスの製品に比べ小型化を実現した、と同社では説明している。エコモード時の騒音レベルは21dB。
レンズはフジノン製のものを採用。光学レンズシフト幅は上下90%、左右40%と広い。さらに、ズームやフォーカス、レンズシフトはすべて電動で操作でき、リモコンで調整できる。また、ズーム/フォーカス/レンズシフトの位置は3つまでメモリーが可能。これにより、16対9やシネスコなどに適したレンズ位置を登録しておき、映像の種類に応じてリモコンから簡単に呼び出すことができる。
リモコンは新デザインのものを採用。レンズ位置の調整ボタンや超解像、カラーモードなど各種機能を一押しで呼び出せるダイレクトボタンなどを備えている。
HDMI入力は2系統で、HDMI-CECにも対応。ほかに映像入力端子としてコンポーネント、Sビデオ、コンポジット、D-Sub15ピン端子を各1系統装備。トリガーアウトは電源連動とアナモフィック連動の2つを選択でき、R4000が2端子、R1000が1端子を装備する。ほかにRS-232C端子も備える。
■透過型液晶パネル採用の「EH-TW3600」も登場
EH-TW3500の後継機という位置づけの“dreamio”「EH-TW3600」も10月下旬に発売される。価格はオープンだが25万円前後での販売が予想される。
投写デバイスは反射型ではなく、透過型の3LCD方式を採用。C²FINEを採用したのはTW3500からの進化点だ。また輝度を高め、最大2,000ルーメンという明るさを実現。これにより明るい部屋でも鮮明な映像を投写できる。機器のコントラスト比は5万対1。
TW3600は、DEEP BLACKや超解像、フレーム補間などの技術は搭載していない。画質調整は「Color Reality III」。
レンズシフト幅は広く、上下は96%、左右は47%。長距離投写も可能な2.1倍ズームレンズを備える。なお、レンズ操作は電動ではなく手動となる。
■発表会の詳細
最初に登壇した同社取締役・中野氏は、今回発売の3機種について、開発の狙いを説明した。「当社のプロジェクターは、15年連続で国内販売台数NO.1を記録している。中でもホームシアタープロジェクターについては、2009年度下半期のシェアは68%となる」と語る中野氏。今回発売のEH-R4000/EH-R1000の2機種で、市場の拡大を図る考えだ。
「開発に関してはユーザーにとっての高画質・設置性に重点を置いた」とし、パネルは従来モデルの透過型から、今回新たに反射型を採用。開口率や黒再現性能の向上により、「デバイスレベルから、2Dの完成された領域を目指した」と同氏は語る。なお、同社は「透過型の持つメリットも併せて重要視していく」とし、透過型としては今回発表されたEH-TW3600のほか、既存のEH-TW4500も販売を継続する。
次に登壇した映像機器事業部副事業部長・森山氏によれば、プロジェクターの市場規模は08年から09年で6%拡大しているという。同氏はその理由を「教育関係への投資や、企業など従来は考えられなかった場面での使用が拡大している」と語る。「そのような状況を受け、私たちは常にユーザー視点を考え、営業も技術者も設計者も併せて実際に製品が使用されている場所へ出向いてユーザーの姿を確認し、製品の開発に活かしている」。また森山氏は今後の市場推移について、「アジアなどを中心に、年月10%ずつの成長を見込んでいる」とした。
最後に登壇したMD部(LCP)部長・久保氏は今後の展望について「100インチを超える製品は伸びる余地があると考えている」と、ハイエンドユーザーに注力しプロジェクターの市場を今後も伸ばしていきたい考えを示した。また同時に「ユーザーがより満足のいく購買体制を築いていくことを考える」とし、具体的には、製品購入時にユーザーが設置性を相談できるような環境を提供していくという。今後のシェアについては「昨年度下期と同様に50%以上を目指す。具体的には9万4千台ほど。できれば10万台を超えたい」とした。
なお、本日はホームシアタープロジェクターのほか、ビジネスプロジェクターの各種新モデルラインナップも発表された。オフィス環境での使用を想定した「ビジネスユーザビリティー思想」を基礎に置き、昨年度上期32.4%・下期53.4%のシェアを獲得した製品の新モデルとなる。
ラインナップは、EH-R4000/EH-R1000と同様の3LCD方式を採用した幅44mmの薄型機種「EB-1775W/1770W/1760W/1750W」、コンパクトなA4サイズでUSBケーブルの接続が可能な「EB-W10/X10/S10」、システムユースを想定し多彩なインターフェースを備える「EB-G5950/5650W/G5600」の10機種となる。
また、ビジネスユーザビリティーの思想に合わせ、新たな有償保守サービスとして既存のフルサービスのほかに「エプソン引き取り保守パック」を開始する。ユーザーにとっては従来より約半額のコストで必要なアフターサポートを受けることが可能となる。
なお同社は「今日発表の13モデルを合わせ、78,000台の販売を目指す」と締めくくった。
【問い合わせ先】
エプソンインフォメーションセンター
TEL/050-3155-7010
・「EH-R4000」¥OPEN(予想実売価格65万円前後)
・「EH-R1000」¥OPEN(予想実売価格50万円前後)
2機種は“dreamio”のハイエンドモデルとして新たに追加される。ボディカラーはEH-R4000がブラック、EH-R1000がホワイト。THX社の「THXディスプレイ規格」認証も申請している。
なお、昨年発売された「EH-TW4500」「EH-DM3/3S」「EH-DM30/30S」は販売を継続する。EH-TW3500には後継機「EH-TW3600」が用意されるが、これについては後述する。
これまで同社は透過型液晶パネルを搭載したプロジェクターを発売してきたが、2機種には、セイコーエプソンが8月末に発表した世界初の反射型高温ポリシリコンTFTパネルを3枚搭載した。同社では液晶パネルを「Reflective HTPS」、パネル方式を「3LCD Reflective」と呼んでいる。
反射型液晶のパネルサイズは0.74型で、有効画素数は1,920×1,080。パネルのデバイスコントラスト比は10万対1で、画素ピッチは8.5μm。
3LCD Reflective方式により、黒浮きの原因となる偏光を抑制。これにより黒再現性能を高めた。また、偏光の乱れを制御する「DEEP BLACK」テクノロジーも前機種に引き続いて採用。これらの合わせ技により、より深い黒の再現を可能にした。
なお、上位機のR4000とR1000の大きな違いはネイティブコントラスト比が異なっていること。ネイティブコントラスト比はR4000が40,000対1、R1000が25,000対1。R4000はパネルと偏光部品にチューニングを施しており、これがネイティブコントラストの差になって現れている。
また、オートアイリス機構も新開発のものを採用し、応答性と静音性を高めた。レンズアイリスは映像全体の光量を20段階で調整できる。セットとしてのコントラスト比はR4000が100万対1、R1000が50万対1となる。
ランプは同社独自の多重反射式ランプ「E-TORL」で、両機とも最大輝度は1,200ルーメン。
そのほか画質関連では、プロセッサーにHQV Vidaを採用し、超解像技術もTW4500から引き続き搭載。また120Hzで駆動し、元のフレームの間に補間映像を挿入することで動きボケを抑えるフレーム補間技術も採用した。
色域についても「Newエプソンシネマフィルタ」を備え、NTSC比117%という広い色再現領域を実現している。
映像調整機能は「Color Reality III」。ガンマ調整機能はガンマカーブを2.0/2.1/2.2/2.3/2.4から選択する方法と、投写中の映像やガンマ調整グラフを見ながら調整する方法の2つを搭載。また色相や彩度、明度についても、RGBCMYの各色についてそれぞれ調整できる。そのほか、RGBのオフセットとゲイン、肌の色調整やアドバンストシャープネス、メモリー登録・呼び出し機能なども備えている。カラーモードは5種類から選択可能。
設置性能を高めた点も特徴の一つ。100型画面を投写した場合の最短焦点距離は283cmで、TW4500と比較して15cmほど設置距離を短縮できる。さらに前面吸排気を採用したことで、後部だけでなく側面など周囲のスペースもあまり空ける必要が無い。このためプロジェクター本体を収納したり、隠して使用する場合にも設置が行いやすいという。
本体外形寸法は440W×185H×405Dmm、質量は9.0kg。他社の同クラスの製品に比べ小型化を実現した、と同社では説明している。エコモード時の騒音レベルは21dB。
レンズはフジノン製のものを採用。光学レンズシフト幅は上下90%、左右40%と広い。さらに、ズームやフォーカス、レンズシフトはすべて電動で操作でき、リモコンで調整できる。また、ズーム/フォーカス/レンズシフトの位置は3つまでメモリーが可能。これにより、16対9やシネスコなどに適したレンズ位置を登録しておき、映像の種類に応じてリモコンから簡単に呼び出すことができる。
リモコンは新デザインのものを採用。レンズ位置の調整ボタンや超解像、カラーモードなど各種機能を一押しで呼び出せるダイレクトボタンなどを備えている。
HDMI入力は2系統で、HDMI-CECにも対応。ほかに映像入力端子としてコンポーネント、Sビデオ、コンポジット、D-Sub15ピン端子を各1系統装備。トリガーアウトは電源連動とアナモフィック連動の2つを選択でき、R4000が2端子、R1000が1端子を装備する。ほかにRS-232C端子も備える。
■透過型液晶パネル採用の「EH-TW3600」も登場
EH-TW3500の後継機という位置づけの“dreamio”「EH-TW3600」も10月下旬に発売される。価格はオープンだが25万円前後での販売が予想される。
投写デバイスは反射型ではなく、透過型の3LCD方式を採用。C²FINEを採用したのはTW3500からの進化点だ。また輝度を高め、最大2,000ルーメンという明るさを実現。これにより明るい部屋でも鮮明な映像を投写できる。機器のコントラスト比は5万対1。
TW3600は、DEEP BLACKや超解像、フレーム補間などの技術は搭載していない。画質調整は「Color Reality III」。
レンズシフト幅は広く、上下は96%、左右は47%。長距離投写も可能な2.1倍ズームレンズを備える。なお、レンズ操作は電動ではなく手動となる。
■発表会の詳細
最初に登壇した同社取締役・中野氏は、今回発売の3機種について、開発の狙いを説明した。「当社のプロジェクターは、15年連続で国内販売台数NO.1を記録している。中でもホームシアタープロジェクターについては、2009年度下半期のシェアは68%となる」と語る中野氏。今回発売のEH-R4000/EH-R1000の2機種で、市場の拡大を図る考えだ。
「開発に関してはユーザーにとっての高画質・設置性に重点を置いた」とし、パネルは従来モデルの透過型から、今回新たに反射型を採用。開口率や黒再現性能の向上により、「デバイスレベルから、2Dの完成された領域を目指した」と同氏は語る。なお、同社は「透過型の持つメリットも併せて重要視していく」とし、透過型としては今回発表されたEH-TW3600のほか、既存のEH-TW4500も販売を継続する。
次に登壇した映像機器事業部副事業部長・森山氏によれば、プロジェクターの市場規模は08年から09年で6%拡大しているという。同氏はその理由を「教育関係への投資や、企業など従来は考えられなかった場面での使用が拡大している」と語る。「そのような状況を受け、私たちは常にユーザー視点を考え、営業も技術者も設計者も併せて実際に製品が使用されている場所へ出向いてユーザーの姿を確認し、製品の開発に活かしている」。また森山氏は今後の市場推移について、「アジアなどを中心に、年月10%ずつの成長を見込んでいる」とした。
最後に登壇したMD部(LCP)部長・久保氏は今後の展望について「100インチを超える製品は伸びる余地があると考えている」と、ハイエンドユーザーに注力しプロジェクターの市場を今後も伸ばしていきたい考えを示した。また同時に「ユーザーがより満足のいく購買体制を築いていくことを考える」とし、具体的には、製品購入時にユーザーが設置性を相談できるような環境を提供していくという。今後のシェアについては「昨年度下期と同様に50%以上を目指す。具体的には9万4千台ほど。できれば10万台を超えたい」とした。
なお、本日はホームシアタープロジェクターのほか、ビジネスプロジェクターの各種新モデルラインナップも発表された。オフィス環境での使用を想定した「ビジネスユーザビリティー思想」を基礎に置き、昨年度上期32.4%・下期53.4%のシェアを獲得した製品の新モデルとなる。
ラインナップは、EH-R4000/EH-R1000と同様の3LCD方式を採用した幅44mmの薄型機種「EB-1775W/1770W/1760W/1750W」、コンパクトなA4サイズでUSBケーブルの接続が可能な「EB-W10/X10/S10」、システムユースを想定し多彩なインターフェースを備える「EB-G5950/5650W/G5600」の10機種となる。
また、ビジネスユーザビリティーの思想に合わせ、新たな有償保守サービスとして既存のフルサービスのほかに「エプソン引き取り保守パック」を開始する。ユーザーにとっては従来より約半額のコストで必要なアフターサポートを受けることが可能となる。
なお同社は「今日発表の13モデルを合わせ、78,000台の販売を目指す」と締めくくった。
【問い合わせ先】
エプソンインフォメーションセンター
TEL/050-3155-7010