【更新】ソニー、2眼レンズでフルHD 3D撮影可能な“HandyCam"「HDR-TD10」を発売

ソニーは、フルHD 3D撮影に対応したビデオカメラ“HandyCam"「HDR-TD10」を4月に発売する。価格はオープンだが15万円前後での販売が予想される。先日の「2011 International CES」で発表されたモデルの日本展開が発表された格好だ。

■“HandyCam”シリーズ初のフルHD 3D動画撮影対応モデル

本体内蔵の記録媒体は64GBのフラッシュメモリー。外部記録メディアにはメモリースティック PROデュオ/メモリースティック PRO-HGデュオのほか、SDXC/SDHC/SDメモリーカードが使える。

本機はソニー「Gレンズ」を2眼で搭載するほか、1/4.0型総画素数420万画素（3D時有効199万画素）の裏面照射CMOSセンサー“Exmor R”を2枚、独自の高速画像処理エンジン「BIONZ」を2個搭載し、3Dの動画撮影に対応するビデオカメラ。3D映像は左眼用/右眼用の映像ともフルHDの1,920×1,080/60i記録を実現しており、MPEG-4 MVCでエンコードを行う。3D記録時のビットレートは最大28Mbpsで固定となる。2眼レンズの中心間距離は31mmとし、本体をコンパクトにしながら立体感豊かな3D映像の撮影を可能にしている。なお、AVCHDによるサイドバイサイド方式による3D映像の記録には対応していない。3D撮影時には、片目側用に記録するフルHDの2D映像も同時に記録される。

3D動画撮影時にも光学10倍ズームが行え、AF/AE連動や光学式の手ブレ補正「アクティブモード」機能も使用できる。なお3D撮影時のアクティブモードについては、テレ端側の補正は非対応となる。2D動画撮影時は光学12倍/デジタル160倍ズームに対応。アクティブモードの有効エリアを効率的に使い、光学ズームとデジタルズームを併用することによりズーム倍率を向上させる「エクステンデッドズーム」機能搭載により、ハイビジョン画質を保ったまま17倍のズームを実現している。また90種類のシーンを自動で最適な映像に設定する「おまかせオート」も搭載し、手軽な操作で簡単に3D撮影が楽しめる。

レンズのF値は1.8〜3.4。2Dの16対9映像撮影時は、35mm換算で広角側29.8mmをカバーする。3D撮影時は34.4mmとなる。静止画は16対9映像撮影時で有効265万画素、4対3撮影時では354万画素となる。なお、3D静止画の撮影には対応していない。動画撮影中の静止画同時記録は、2D撮影時に画質を「FHモード（約17Mbps）」以下に設定時であれば可能。なお、2D動画の最高画質記録モードは24Mbps対応の「FXモード」になる。MPEG-2フォーマットによるSD画質での記録も可能だ。

本機で記録した3D映像は、本体に搭載する裸眼3D表示対応の3.5型122.9万ドットのタッチパネル液晶モニターで再生して楽しめる。モニターは視差バリア方式による裸眼3D表示に対応しており、モニターの3D/2Dの表示は本体背面のスイッチにより切り替えができる。本体搭載のHDMI端子経由で、ケーブルを使って大画面テレビに出力して、オリジナルの映像を再生して楽しめる。HDMI接続時の3D映像信号転送方式はフレームパッキング方式を採用しており、対応するテレビで高精細なフルHD 3Dの撮影映像が楽しめる。フレームパッキング方式に対応していない3Dテレビに接続した場合には、カメラが自動判別してサイドバイサイド方式の3D映像を出力する仕様となっている。

本機で撮影したMPEG-4 MVCのフルHD 3D映像は、本体の内蔵メモリー、またはメモリースティックやSDカードなど外部記録メディアに保存しておくか、または付属のソフト「Picture Motion Browser」を使ってパソコンに転送して、PCのハードディスクに保存しておける。また、外付USB HDDにビデオカメラの「ダイレクトコピー機能」を使って保存もできる。なお、3D映像のデータをBDレコーダーに転送したり、BD/DVDディスクに記録することはできない。

■1080/60pの2D撮影モードも搭載

2D映像の撮影機能も充実している。映像1コマあたりの情報量が60i記録の2倍となる60p方式での記録・再生を実現し、滑らかな被写体の被写体の動きが記録可能になった。1080/60pの映像は独自規格による記録となる。また映画のようにフィルムライクな映像が記録できる24pネイティブ記録モードも搭載する。光学ズームは12倍対応で、「エクステンデッドズーム」機能では17倍までの高画質ズームが可能。光学式手ブレ補正「アクティブモード」も対応する。

タッチパネル液晶モニターを使って、被写体をタッチするだけで追尾フォーカスする「追尾フォーカス」機能が新たに搭載されたほか、顔認識機能「顔キメ」は正面・横顔も認識可能になった。画面内に検出されている顔をタッチすると、ロックした人物の顔を優先して検出する「優先 顔キメ」機能も設けられている。ほかにも笑顔写真が自動で撮影できる「スマイルシャッター」機能も搭載する。

音声記録は本体に5.1chサラウンドマイクを搭載した。同社従来モデルの「HDR-CX550V」に搭載されているマイクとの比較でも、約2倍の感度で記録できる高音質マイクカプセルを本体レンズ部下に配置。各チャンネルの音量モニターが行えるレベルメーターを液晶モニター内に表示できる。

さらに本体には高音質ステレオスピーカーや、フルデジタルアンプ「S-Master」、収録した音声の特性をデジタル処理で最適化するクリアフェーズの技術により、高精細なサウンドがカメラ単体で楽しめる。またマイク部にあたるウィンドノイズを低減できる「風きり音ノイズ低減」機能を搭載し、人物の声など収録したい音声をより明瞭に記録することができる。

その他にも、液晶メニューは迷うことなく使い方が分かる新しいユーザーインターフェースを採用。写真や映像の撮影時間をカメラが自動分析して、イベントごとに閲覧できる「イベントブラウズ」機能も搭載された。


本日ソニーが開催した新製品記者発表会には、ソニーマーケティング（株）コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部 統括部長の下野裕氏が登壇した。

同社の近年におけるデジタルイメージング事業の展開について説明を行った下野氏は、昨年9月秋商戦にはデジタルイメージング商品が好評を博し、金額ベースで好調なシェア推移を記録したと語る。同社の調査データによれば、コンパクトデジタルカメラ/ビデオカメラ/デジタル一眼カメラの3カテゴリ合計で、2010年9月に30％のシェアを達成。金額ベースでの販売前年比についても、業界平均よりも同社の商品群が好調に推移したことを下野氏は紹介し「市場全体としては軟調だったが、ソニーはカメラ市場における成長を達成できたと言えるだろう」と胸を張った。好調の要素として下野氏は、高感度CMOSや広角撮影技術の向上など、カメラの基本性能がアップしたことや、“NEX”シリーズを始めとする新製品により、新規カメラ市場を開拓できたことなどを挙げた。

「2011年も積極的に新しいことにチャレンジしたい」と下野氏は語る。その4つのチャレンジ要素としては、カメラの基本性能をより強化し、本質価値を追求していくことや、ムービーとスチルカメラ商品群を貫く「フルHD化」「3D対応」の強化、そしてパーソナルコンテンツをより様々なかたちで見て、残して、共有するための環境作りを徹底していくことなどを宣言。より多くのユーザーにソニーのデジタルイメージング製品の魅力を提案していきたいと意気込みをみせた。

【問い合わせ先】
ソニーマーケティング　買い物相談窓口
TEL/0120-777-886