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公開日 2014/06/12 13:38

日本オーディオ協会、“ハイレゾ対応機器”の定義を発表 - ロゴも統一

ファイル・ウェブ編集部
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(社)日本オーディオ協会は、同協会としての“ハイレゾ”の定義とともに、オーディオ業界全体での使用を推進する統一のハイレゾロゴマークを発表した。

今年3月には、(社)電子情報技術産業協会(JEITA)が“PCM音源におけるハイレゾの呼称(周知)”の定義を発表。LPCM換算でサンプリング周波数と量子化ビット数のいずれかがCDスペックを超えていれば“ハイレゾ”である、とした(関連ニュース)。

今回日本オーディオ協会が発表したものも基本的にこれを踏襲しているが、「今後の市場創造を念頭に置き」(同協会校條会長)、若干の修正を加えた。また、日本オーディオ協会としては「96kHz/24bit以上」に対応したものをハイレゾ対応機器として定義する。ソフトについては、BDオーディオやSACD、DSDについても“ハイレゾ”と見なす。一方DVDオーディオについては、対応機器の新発売がないなど、今後の展望が描けないという理由もあり、同協会が定めるハイレゾ対応パッケージソフトの範疇には加えないとのこと。(※6月18日、追加取材した記事をアップしました。詳しくはこちら

日本オーディオ協会による“ハイレゾ”の定義と付帯項目


日本オーディオ協会の「ハイレゾ」マーク適用範囲とファイル形式。オレンジのセルは、JEITAはハイレゾとするが、オーディオ協会の定義的にはハイレゾでないもの。
日本オーディオ協会による“ハイレゾ対応機器”の定義とは

同協会は“ハイレゾ”について「HiFiオーディオ」につながる「新しい時代のオーディオ」表現として捉えている。またハイレゾ対応機器は、民生用として録音から再生に至る一貫した機器として捉え、録音、再生、伝送において以下の性能を満たすものを、ハイレゾ対応機器として定義する。「音と言うのは感性価値。聴いて感動する、心が震えるような音をとらえようとするなら、このくらいの基準をクリアしなければいけないと思う」(校條会長)。

<アナログ系>
(1)録音マイクの高域周波数性能:40kHz以上が再生可能であること。
(2)アンプ高域再生性能:40kHz以上が再生可能であること。
(3)スピーカー・ヘッドホン高域再生性能:40kHz以上が再生可能であること。

<デジタル系>
(1)録音フォーマット:FLACもしくはWAV 96kHz/24bit以上が可能であること。
(2)入出力I/F:96kHz/24bit以上が可能であること。
(3)ファイル再生:FLAC/WAV 96kHz/24bit以上に対応可能であること
         (レコーダーはFLAC/WAVどちらかのみで可)
(4)信号処理:96kHz/24bit以上の信号処理性能が可能であること。
(5)デジタル・アナログ変換:96kHz/24bit以上の信号処理性能が可能であること。


そのほか、各社評価基準等において聴感評価が行われ、「ハイレゾ」にふさわしい製品と最終判断されていることも条件となる。「ハイレゾだから音が良い、というわけでは必ずしもない。一見数値は満たしているけれど再生能力としては良くない製品もあるかも知れない。各社の音づくりについては様々な考え方があるので我々が定義することは難しいが、各社の考えのもとに作られた聴感評価委員会等できちんと承認されていることは、ハイレゾ対応機器認証において必要な要素だと考えている」(校條会長)。


ハイレゾロゴを統一

また、これまで各社がそれぞれデザインして対象製品に付与していたロゴマークも、ソニーのものに統一。推奨ロゴとして訴求する。オーディオ協会法人会員であるメーカー製で、オーディオ協会のハイレゾの定義を満たす製品にのみ、無償で付与を許可する。これによりハイレゾ対応機器を分かりやすくするとともに、さらなるハイレゾの認知推進を図る。早いところでは今月中からロゴ付与機器が登場する予定とのことだ。

ハイレゾのロゴ

なお、海外メーカーなど日本オーディオ協会会員以外のメーカーのロゴ使用については「論議はしたが、今回発表した内容からは除外した。ただし今後、使用希望などが想定されるので、その際は改めて議論したい」とのことだ。


発表会詳報

「2000年代に入ってiPodなどDAPが隆盛し、オーディオの主流がヘッドホンであるかのような状況になってきたが、オーディオ協会としては『本当にそれでいいのか?』と思ってきた。今回“ハイレゾ”を定義するにあたっては、『HiFiオーディオ』という定義を超える、もしくはそれにつながるものでなければ意味がないと考えていた。ではHiFiオーディオとは何か? 我々は、ベル研究所のフレッチャー博士が提唱したものを想定している。このHiFiを超えるものでない限り、オーディオの新しいステージに行けないと思う」と説明する校條会長。


日本オーディオ協会 校條会長

フレッチャー博士のHi-Fi再生の条件
「“ハイレゾ”とは何かという定義については基本的にJEITAの定義を踏襲するが、我々はオーディオのプロなので、録音や再生機器についてもっと掘り下げた。実は1998年に『CDの次として何を打ち出すか?』を議論した際、『192kHzが主流になるべきだ』という答えを我々は出していた。残念ながらその後市場は利便性に流れていってしまったが、ようやく今、16年前の理想が実現している」と続ける。

今回はハイレゾ対応機器についての定義づけだったが、レコード協会とも現在協議中とのこと。「ソフトとハードは両輪。これからも色々詰めていきたい」としたほか、「ハイレゾは新しい時代のオーディオを提案し拡大するチャンス。業界全体でハイレゾをプッシュしていきたい」と展望を語った。

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