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公開日 2014/08/25 16:47
「オンリーワン技術」で満を持して4Kテレビに参入 − 三菱“REAL”「LS1」発表会レポート
レーザーバックライトやDIATONEスピーカーを採用
三菱電機は本日25日、新製品発表会を開催。バックライトに赤色レーザーとシアン色LEDを採用した4Kテレビ“REAL”「LS1シリーズ」を発表した。製品の詳細についてはこちらの記事でレポートしているが、本記事では発表会の模様をお伝えしたい。
■4K放送規格に合わせた色域拡大をレーザーバックライトで実現
LS1シリーズの詳細については、同社の京都製作所 所長である能勢純一氏がプレゼンテーションを行った。能勢氏は冒頭で、LS1シリーズの製品コンセプトが「高画質」「高音質」「デザイン」の3点であると述べた。
画質については、広色域を実現したことが最大の特徴であるとした。色域拡大を目指した理由についても説明。4K放送の規格「ITU-R勧告BT.2020」では、従来の2K放送規格(ITU-R BT.709)にくらべて解像度がアップしただけではなく、色域範囲が約170%に広がる予定だ。そのため従来の白色LEDバックライト方式では、BT.2020の色域が実現できないため、同社では独自のレーザーバックライトを開発することで色域を拡大したという。
LS1シリーズでは、前述のようにバックライトに赤色レーザーとシアン色LEDを採用している。従来の白色LEDバックライドでは、赤と緑が混ざり合って色純度が低くなってしまうが、対して赤色レーザーは光の純度が高く、シアン色LEDを併用することで赤と緑が混ざらず、美しい色を表現できるという。
また、広色域のメリットにも言及。白色LEDのまま4Kパネルを使っても色域は変わらないので、4Kパネルにレーザーバックライト、そして新エンジンを組み合わせることで色域も拡大し、より再現性の高い映像を実現したとのこと。新エンジンは、12軸で色の演算を行う「LASER COLOR CONTROL 12」と超解像技術「DIAMOND HD」を実現し、より高精細で色鮮やかな画像が楽しめるとした。
また能勢氏は、LS1シリーズの4K大画面で楽しむ写真鑑賞を提案していくとコメント。「4Kの高精細と赤色レーザーの色鮮やかさを活かして、デジカメで撮影した写真で新しい感動を得られる」と述べた。なお、本機はBluetooth接続によるスマートフォンなどに保存した音楽をワイヤレス再生することができるが、この音楽に合わせてスライドショーを行うことも可能だ。
■テレビとして最高峰の高音質を目指したスピーカー部
能勢氏は、続いてLS1シリーズの「高音質」について説明を行った。本機のスピーカーの開発については、1992年に発表された同社DIATONEブランドの往年の銘機「DS-20000」を開発した社員が携わったという。
画面の左右に独立して取り付けられた円筒形スピーカーには、2基の高音用トゥイーター、1基の中低音用ウーファー、2基の重低音用のパッシブラジエーターが搭載されている。アンプ出力も総合58Wを実現。また、トゥイーターおよびウーファーユニットにはNCV(Nano Carbonazed high Vrlicity)振動板を採用。2基のトゥイーターのうち上側のユニットは斜め上に角度をつけ、縦方向への音場の広がりも狙った。ウーファーには磁束密度1万ガウス(従来比・約36.9%アップ)の大型マグネットを採用。重低音用のパッシブラジエーターは各側2個の共振周波数をずらしたデュアルパッシブ方式を採用し、重低音の迫力を高めた。
この円筒形状の左右のスピーカーからは、波紋のように円上にきれいに音が拡散していくため、音像定位、音の広がりの点でも優れているという。また、サラウンド音声処理機能として「DIATONEサラウンド5.1」「DIATONEサラウンド2.0」も搭載。これらの要素により、テレビのサウンドとは思えない臨場感が実現できる、と能勢氏は自信を見せていた。
■スピーカーをスタンド部と一体化させた独創的なデザイン
画質、音質とならび、LS1シリーがでこだわったのがデザインだ。本機では画面両サイドの縦型スピーカーがスタンドを兼ねており、細いベゼルのモニターが中央に浮いているようなデザインを採っている。これは安定感と浮遊感を両立を目指したもので、画面に集中しながら、映像を邪魔することなく高音質も楽しめるデザインを狙ったという。なお、スタンドを取り外せば、ディスプレイ部とスピーカー部を独立させて壁掛け設置もできるという。
■録画機能や他機器連携も強化
これまでもテレビにBDドライブやHDDを内蔵したオールインワン・モデルを展開してきた同社だが、本機においても機能面の充実を図っている。3チューナー、2TB HDDの搭載により、テレビを視聴しながらの2番組同時録画に対応するなど、録画テレビとしての機能も高めた。今回のモデルではBDドライブは非搭載となっているが、その理由については「大型モデルでは壁かけ設置を行う割合が増えており、設置性を最優先してBDドライブは搭載しなかった」とのことだった。
また、シャープから発売されている4KチューナーをHDMI経由で接続して使うことも可能とのこと。今後の4Kチューナー内蔵モデルの展開については、放送方式の策定の状況を見ながら検討していくという。
LS1シリーズでは他機機との連携も強化し、スマートフォンによる外出先から録画予約などにも対応した。さらに健康機器連携として「REALウェルネス」機能を搭載。体組成計に加え、タニタ社の活動量計「AM-160」(9月1日発売)との連携も可能だ。
■オンリーワンの技術で他社をキャッチアップしていく
発表会の冒頭では、同社の家電映像事業部 事業部長である菊池康男氏が、同社のテレビ事業について説明を行った。
菊池氏は、三菱電機のAV事業戦略について、得意領域に絞り込んだ事業展開を行っているとコメント。絞り込んでいく領域は大きく分けて2つで、ひとつは居住用途(B to C)、もうひとつは非住居用途(B to B)だという。
居住用途については、赤色レーザーバックライトやNCV振動板採用のスピーカーなど、他社との技術のちがいを明確にしながら、高音質、高画質を追求していくとした。また、同社の住宅設備事業との関連を深めながら、例えばHEMS(Home Energy Management System)表示端末としてのテレビなど、住居用途でも新たな取り組みを行っていくという。
非居住用途については、B to Cの商品の技術を活かしながらサイネージやホテル、病院など、同社テレビを様々な形でモディファイしていく。また、B to Bの領域においても4Kの可能性を探っていくとした。
菊池氏は液晶テレビ市場の現状にも言及。2014年4〜6月のテレビの市場動向については、以前の900万近い出荷台数にまでは回復していないものの、50インチ以上では高い伸びが確認できるという。また、50インチ以上のテレビでは4Kモデルの比率が24%を占め、さらに金額ベースでは4割を超えるなど、4Kが一般化しつつあるとの認識を示した。
また、4Kが普及しつつある理由として、高画質への消費者の要望とともに、買い換えの際にはインチサイズを大きくしたいが、2Kでは視聴距離を長くとる必要になるため、より短い距離でも高精細が楽しめる4Kテレビが支持されていると説明。さらにテレビを購入した際に何を重視したかという調査を行ったところ、2Kテレビ購入者に比べて、4Kテレビ購入者の方が画質・音質・デザインを重視しているという結果となり、今回の製品もこうしたポイントに着目して商品開発を行ったという。
テレビ主要各社の中で最も遅い4Kモデルの投入になった点については、「市場形成が想像以上に早かったことがまずひとつ。そして、4Kテレビはパネル供給という点で競合他社と横並びになるが、社内で議論を重ね、その中でも独自性を出していくために時間をかけてレーザーバックライトや高音質スピーカーを開発を行った結果、このタイミングになった。4K放送などの規格面でまだ不透明な部分があることもあり、オンリーワンの技術で十分にキャッチアップできると考えている」と述べていた。
■4K放送規格に合わせた色域拡大をレーザーバックライトで実現
LS1シリーズの詳細については、同社の京都製作所 所長である能勢純一氏がプレゼンテーションを行った。能勢氏は冒頭で、LS1シリーズの製品コンセプトが「高画質」「高音質」「デザイン」の3点であると述べた。
画質については、広色域を実現したことが最大の特徴であるとした。色域拡大を目指した理由についても説明。4K放送の規格「ITU-R勧告BT.2020」では、従来の2K放送規格(ITU-R BT.709)にくらべて解像度がアップしただけではなく、色域範囲が約170%に広がる予定だ。そのため従来の白色LEDバックライト方式では、BT.2020の色域が実現できないため、同社では独自のレーザーバックライトを開発することで色域を拡大したという。
LS1シリーズでは、前述のようにバックライトに赤色レーザーとシアン色LEDを採用している。従来の白色LEDバックライドでは、赤と緑が混ざり合って色純度が低くなってしまうが、対して赤色レーザーは光の純度が高く、シアン色LEDを併用することで赤と緑が混ざらず、美しい色を表現できるという。
また、広色域のメリットにも言及。白色LEDのまま4Kパネルを使っても色域は変わらないので、4Kパネルにレーザーバックライト、そして新エンジンを組み合わせることで色域も拡大し、より再現性の高い映像を実現したとのこと。新エンジンは、12軸で色の演算を行う「LASER COLOR CONTROL 12」と超解像技術「DIAMOND HD」を実現し、より高精細で色鮮やかな画像が楽しめるとした。
また能勢氏は、LS1シリーズの4K大画面で楽しむ写真鑑賞を提案していくとコメント。「4Kの高精細と赤色レーザーの色鮮やかさを活かして、デジカメで撮影した写真で新しい感動を得られる」と述べた。なお、本機はBluetooth接続によるスマートフォンなどに保存した音楽をワイヤレス再生することができるが、この音楽に合わせてスライドショーを行うことも可能だ。
■テレビとして最高峰の高音質を目指したスピーカー部
能勢氏は、続いてLS1シリーズの「高音質」について説明を行った。本機のスピーカーの開発については、1992年に発表された同社DIATONEブランドの往年の銘機「DS-20000」を開発した社員が携わったという。
画面の左右に独立して取り付けられた円筒形スピーカーには、2基の高音用トゥイーター、1基の中低音用ウーファー、2基の重低音用のパッシブラジエーターが搭載されている。アンプ出力も総合58Wを実現。また、トゥイーターおよびウーファーユニットにはNCV(Nano Carbonazed high Vrlicity)振動板を採用。2基のトゥイーターのうち上側のユニットは斜め上に角度をつけ、縦方向への音場の広がりも狙った。ウーファーには磁束密度1万ガウス(従来比・約36.9%アップ)の大型マグネットを採用。重低音用のパッシブラジエーターは各側2個の共振周波数をずらしたデュアルパッシブ方式を採用し、重低音の迫力を高めた。
この円筒形状の左右のスピーカーからは、波紋のように円上にきれいに音が拡散していくため、音像定位、音の広がりの点でも優れているという。また、サラウンド音声処理機能として「DIATONEサラウンド5.1」「DIATONEサラウンド2.0」も搭載。これらの要素により、テレビのサウンドとは思えない臨場感が実現できる、と能勢氏は自信を見せていた。
■スピーカーをスタンド部と一体化させた独創的なデザイン
画質、音質とならび、LS1シリーがでこだわったのがデザインだ。本機では画面両サイドの縦型スピーカーがスタンドを兼ねており、細いベゼルのモニターが中央に浮いているようなデザインを採っている。これは安定感と浮遊感を両立を目指したもので、画面に集中しながら、映像を邪魔することなく高音質も楽しめるデザインを狙ったという。なお、スタンドを取り外せば、ディスプレイ部とスピーカー部を独立させて壁掛け設置もできるという。
■録画機能や他機器連携も強化
これまでもテレビにBDドライブやHDDを内蔵したオールインワン・モデルを展開してきた同社だが、本機においても機能面の充実を図っている。3チューナー、2TB HDDの搭載により、テレビを視聴しながらの2番組同時録画に対応するなど、録画テレビとしての機能も高めた。今回のモデルではBDドライブは非搭載となっているが、その理由については「大型モデルでは壁かけ設置を行う割合が増えており、設置性を最優先してBDドライブは搭載しなかった」とのことだった。
また、シャープから発売されている4KチューナーをHDMI経由で接続して使うことも可能とのこと。今後の4Kチューナー内蔵モデルの展開については、放送方式の策定の状況を見ながら検討していくという。
LS1シリーズでは他機機との連携も強化し、スマートフォンによる外出先から録画予約などにも対応した。さらに健康機器連携として「REALウェルネス」機能を搭載。体組成計に加え、タニタ社の活動量計「AM-160」(9月1日発売)との連携も可能だ。
■オンリーワンの技術で他社をキャッチアップしていく
発表会の冒頭では、同社の家電映像事業部 事業部長である菊池康男氏が、同社のテレビ事業について説明を行った。
菊池氏は、三菱電機のAV事業戦略について、得意領域に絞り込んだ事業展開を行っているとコメント。絞り込んでいく領域は大きく分けて2つで、ひとつは居住用途(B to C)、もうひとつは非住居用途(B to B)だという。
居住用途については、赤色レーザーバックライトやNCV振動板採用のスピーカーなど、他社との技術のちがいを明確にしながら、高音質、高画質を追求していくとした。また、同社の住宅設備事業との関連を深めながら、例えばHEMS(Home Energy Management System)表示端末としてのテレビなど、住居用途でも新たな取り組みを行っていくという。
非居住用途については、B to Cの商品の技術を活かしながらサイネージやホテル、病院など、同社テレビを様々な形でモディファイしていく。また、B to Bの領域においても4Kの可能性を探っていくとした。
菊池氏は液晶テレビ市場の現状にも言及。2014年4〜6月のテレビの市場動向については、以前の900万近い出荷台数にまでは回復していないものの、50インチ以上では高い伸びが確認できるという。また、50インチ以上のテレビでは4Kモデルの比率が24%を占め、さらに金額ベースでは4割を超えるなど、4Kが一般化しつつあるとの認識を示した。
また、4Kが普及しつつある理由として、高画質への消費者の要望とともに、買い換えの際にはインチサイズを大きくしたいが、2Kでは視聴距離を長くとる必要になるため、より短い距離でも高精細が楽しめる4Kテレビが支持されていると説明。さらにテレビを購入した際に何を重視したかという調査を行ったところ、2Kテレビ購入者に比べて、4Kテレビ購入者の方が画質・音質・デザインを重視しているという結果となり、今回の製品もこうしたポイントに着目して商品開発を行ったという。
テレビ主要各社の中で最も遅い4Kモデルの投入になった点については、「市場形成が想像以上に早かったことがまずひとつ。そして、4Kテレビはパネル供給という点で競合他社と横並びになるが、社内で議論を重ね、その中でも独自性を出していくために時間をかけてレーザーバックライトや高音質スピーカーを開発を行った結果、このタイミングになった。4K放送などの規格面でまだ不透明な部分があることもあり、オンリーワンの技術で十分にキャッチアップできると考えている」と述べていた。