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公開日 2015/09/03 06:17

<IFA>ソニー平井CEOが語る「4KとHDR」の戦略 − 次世代BD関連は発表なし

欧州のハイレゾも普及促進の段階へ
山本 敦
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9月2日から始まったIFA2015のプレイベント初日に、ソニーがプレスカンファレンスを開催。新しいハイレゾ対応製品や、今後のビジネス展開の方針について社長兼CEOの平井一夫氏がスピーチを行った。


ソニーのプレスカンファレンスの壇上に立つ平井一夫社長
近年のソニーがIFAで開催してきたプレスカンファレンスでは、壇上に平井氏をはじめ欧州法人の社長や各ビジネスカテゴリーの責任者が代わる代わる登壇しながら、それぞれが受け持つセグメントの商品や戦略についてコメントする形式が採られてきたが、今年は平井氏が全て一人で新製品の紹介から、日本人記者による囲み取材に対応した。

冒頭平井氏は同社のエレクトロニクス事業の再編を行う中で、日々難しい選択の中でも成長を続けていくための種まきとイノベーションの刈り取りが順調に進んでいるとしながら、改革の道筋が正しい方向に向かっていることをアピール。今まさにエキサイティングな成長へのステップを歩み始めたと語り、今後もソニーとソニーブランドはコンシューマーの期待とニーズに寄り添いながら、毎日の生活を豊かにする技術とソリューションを伸ばしていくことをコミットメントとした。

今回のIFAでのスピーチの中で、平井氏は欧州市場のみならずグローバルでのソニーの事業計画と商品展開の観点から、秋冬に発売する新製品を壇上で紹介していった。会見で平井氏が触れた重要なポイントを4つに分けながら、それぞれのコメントの内容をみていこう。

■4KはHDRの時代。「Ultra HD Blu-ray」関連の商品は発表されず

4Kについては、始めに欧州でのビジネスが好調に推移しているとアピールした。中でもテレビの販売量・マーケットシェアがともに2倍に伸びているとしながら、その立役者として現在欧州法人ソニー・ヨーロッパの社長を務める玉川勝氏の名前が紹介された。ソニーのブースでは今年のCESで発表された、パネルの最薄部が4.9mmというウルトラスリムモデルの液晶テレビ「X90Cシリーズ」が欧州向けの注力商品として展示されている。平井氏は「壁掛けすれば、峡額縁デザインにより映像が宙に浮いているような視聴体験が得られる。画質は新開発の高画質プロセッサー『X1』により一切妥協しない画づくりとした」ことを特徴に挙げた。


4K/HDRコンテンツはAmazon Instant Videoとの協業を進めていく
さらに4Kの新しいエキサイティングなトピックスとして「HDR(ハイダイナミックレンジ)」についても言及された。平井氏は従来の映像体験を超える、リアルライフに近い視覚体験が得られるようになる技術」としてHDRにソニーとして積極的に取り組んでいく姿勢を示しながら、今後HDRコンテンツについては「Amazon Instant Video」と提携しながらインターネット配信を通じてユーザーに届けていく一つの方向性を示した。具体的なコンテンツの製作方法やスタート時期に関する言明はなかった。

なお4K対応の次世代ブルーレイ規格である「Ultra HD Blu-ray」については、残念ながらソニーとして今回のIFAで具体的な方針がアナウンスされることはなかった。その理由を平井氏は「Ultra HD Blu-rayについては、いまの時点でソニーが発表するものはない。そもそも、次世代ブルーレイについてはソニーが一社でおしすすめる話ではない。放送、エレクトロニクス、コンテンツ製作など業界全体を巻き込んでスタンダードをつくっていべきもの。色々な方々が話し合ってスタンダードをつくっていくことが正道。一社で決めることではないから」と説明した。

次ページハイレゾはマニアから普及層への展開も広がる

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